米Mozillaは、12月9日(現地時間)にWebブラウザ Firefoxの新バージョンとなる「Firefox 146」をリリースした。Firefox 146は、いつも通りFirefox 145から4週間でのバージョンアップとなった。
Firefox 145では、2025年11月18日にマイナーバージョンアップの145.0.1が、2025年11月25日にマイナーバージョンアップの145.0.2がリリースされている。145.0.1では、以下の修正が行われた。

Three.jsを使用するWebサイトで、破損を引き起こす問題を修正
Windows版:古いバージョンのWindows 10でデスクトップランチャーからFirefoxを開けない問題の修正
RogersとWeb互換性の問題を修正。顧客が請求書を閲覧する際に、請求情報ではなく「Firefoxでは、このページを開けません」とのエラーとともに壊れたiframeが表示されていた
Web開発者ツールで、すべてのリクエストをHAR としてコピーまたは保存できない問題の修正

145.0.2では、以下の修正が行われた。

Windows版:中国語のIMEを使用していると、Baidu(百度)の検索ボックスに入力できない問題の修正

今回は、144.0.2からのアップデートとなる。
Firefox 146のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

アップデート後のFirefox 146は、図2のようになる。

新規に、Firefox 146をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。
以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 146の新機能

では、Firefox 146の新機能を見ていこう。

Windows版:Windows 10では、Firefoxのバックアップ機能を有効にすると、パスワードやブックマークなどを自動的に保護できるように。閲覧データはデバイスに毎日保存され、パスワードで暗号化される。新しいデバイスや現在、使用中のデバイスなど、どのOSでもFirefoxを新規インストールする際に、このバックアップから復元し、前回中断したところから再開できる。この機能は、現状、Windowsデバイスで利用可能だが、近日中に他のOSにも搭載される予定(プログレッシブロールアウト)。

macOS版:macOSでは、デフォルトで専用のGPUプロセスが使用可能に。これにはWebGPU、WebGL、そしてFirefox独自のWebRenderが含まれる。この機能を有効にすると、グラフィックコードで致命的なエラーが発生してもブラウザがクラッシュすることがなくなり、GPUプロセスのみが再起動される。
これまで、Firefox Labsは、調査への参加やテレメトリの提出が必要であった。今回、その制約が撤廃され、すべてのユーザーが無条件で利用可能になった。これにより、より多くの実験的な機能がより多くのユーザーに利用可能となった。

検索で結果ページをスキップし、検索バーに入力すると直接、結果が表示されるため、より速く簡単にブラウジングできるように(プログレッシブロールアウト)。

EUおよびその他の一部の国では、新しいタブでの天気情報の表示方法を改善。位置検出を有効にするか、手動で位置を検索するかを選択可能に(プログレッシブロールアウト)。
Linux版:分数スケーリングディスプレイをネイティブにサポート。レンダリングがより効率的に。
フランス、ドイツ、イタリアの英語版で、アドレスバーに休日やその他の有用な日付情報が英語で表示されるように。

また、変更点など、以下の修正が行われた。

およびでタイムピッカーを有効にすると、キーボードと支援技術によるフルサポートが提供されるように。また、このアップデートでは、動きを少なくしたいユーザー向けに、時間スピンボタンの動作も改善された。Firefox アクセシビリティチームは、組み込みのタイムピッカーをアクセシブルにすることで、ブラウザが提供する日時入力がWeb全体でより広く普及し、カスタムコントロールの必要性が減り、すべてのユーザーのアクセシビリティが向上すると期待される。
設定の「カラー」ダイアログで、各カラーサンプルがラベルの横に表示され。よりわかりやすいカラーピッカーコントロールが採用された。
これにより、強制カラーパレットを使用してデフォルトのテキスト、リンク、ページの背景色をカスタマイズする際に、特に画面拡大機能の有無にかかわらず、テキスト、背景、リンクの色をより簡単に認識し、調整可能に。

例によって、新機能のいくつかはプログレッシブロールアウトであり、段階的に提供範囲が拡大されることもある。現時点で利用できない可能性もあるので注意されたい。
セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで13件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が5件、4段階で上から3番目の「Moderate」が8件となっている。

「High」では、

シグナリングコンポーネント:WebRTCにおけるメモリ解放後使用
Graphics:CanvasWebGLコンポーネントの境界条件が正しくないため、サンドボックス回避
通知コンポーネント:DOMにおける権限昇格
JITコンポーネント:JavaScriptエンジンにおけるJITのミスコンパイル
JITコンポーネント:JavaScriptエンジンにおけるJITのミスコンパイル

が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。
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