Disney(ディズニー)は、Googleが同社の著作権を侵害しているとして、停止要求書を送付した。

Disney(ディズニー)は、Googleが同社の著作権を侵害しているとして、停止要求書を送付した。
DisneyはGoogleがAIモデルやサービスを使用して、同社のキャラクターや作品を「大規模に」無断で複製・配信していると主張している。なお、Disneyは同日、OpenAIと著作権で提携したことを発表している。
ディズニーは数カ月前から懸念を伝えていた

法律事務所のJenner & BlockがDisneyを代理して12月10日夜(米国時間)に送付した書簡で、Disneyは「Googleは許可なくディズニーの著作物を大量にコピーし、生成AIモデルとサービスの訓練・開発に使用している」と主張。さらに「AIモデルとサービスを使用して、保護された作品のコピーを消費者に商業的に配信し、ディズニーの著作権を侵害している」と述べている。

書簡において、Googleの「Gemini」などのAIサービスを「仮想自動販売機(Virtual vending machine)」と表現。そのうえで、「Disneyの貴重な著作権付きキャラクターやその他の作品のコピーを大規模に複製、レンダリング、配信できる」と批判している。

また、Googleの生成した侵害画像の多くに「Gemini」ロゴが付いており、「ディズニーの知的財産の利用が承認されているかのような誤った印象を与えている」と指摘した。ディズニーが侵害されたと主張するキャラクターには「アナと雪の女王」「ライオンキング」「モアナと伝説の海」「トイ・ストーリー」のほか「スター・ウォーズ」「シンプソンズ」、Marvelの「アベンジャーズ」や「スパイダーマン」などのフランチャイズが含まれる。

ディズニーは数カ月前からGoogleに懸念を伝えてきたが、進展がなかったという。CEOのBob Iger氏はCNBCのインタビューで「協議は実を結ばず、停止要求書を送らざるを得なかった」と述べている。Googleの広報担当者は「Disneyとは長年にわたり互恵的な関係にあり、今後も協議を続ける」とコメントしたとのこと。

また、ディズニーはMeta、Character.AI、Midjourney、Minimaxなどに対しても同様の措置を取っている。
Varietyが12月11日付で報じた。
OpenAIにディズニーが10億ドルを投資

一方、ディズニーは12月11日(現地時間)にOpenAIと動画生成ツール「Sora」と画像生成機能「ChatGPT Images」を活用した戦略的提携を発表した。

3年間のライセンス契約の一環として、Soraはディズニー、Marvel、ピクサー、スター・ウォーズのキャラクターを含む200以上のアニメーション、マスク、クリーチャーキャラクター、さらに衣装、小道具、乗り物、象徴的な環境を活用し、ユーザーのプロンプトに基づいた短編ソーシャル動画を生成し、視聴・共有できるようになる。なお、声優による声や俳優の肖像・声の使用は含まれていない。

さらに、ライセンス契約と並行して、ディズニーはChatGPTを導入。OpenAIに10億ドル(約1600億円)の株式投資を行い、追加株式を購入するための権利を取得する。

今後、「Disney+」でSoraが生成した動画のキュレーションされたセレクションを視聴でき、OpenAIとディズニーは、Disney+の加入者向けにOpenAIのモデルを活用した新しい体験を提供するという。

2026年初頭にディズニーの複数ブランドのライセンスキャラクターを用いたファン発想の動画生成の開始を予定している。
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