気づいたら生えていた――。年を重ねるにつれ、鼻毛や眉毛など、これまで意識していなかったムダ毛が目立つようになる。
なかでも耳毛は、自分では気づきにくい一方で、他人の目には入りやすく、放置すると不潔な印象を与えかねない厄介な存在だ。

「美容男子」という言葉が一般化した今、男性の身だしなみに求められる清潔感の水準は確実に上がっている。どれほどキャリアを重ねていても、細部のケアが行き届いていなければ評価を落とすことも珍しくない。

なぜ中年以降になると耳毛は生えやすくなるのか。放っておくと何が問題なのか。男性専門の総合美容医療「ゴリラクリニック」銀座ANNEX院の院長・太田博之氏に、耳毛と加齢の関係、セルフケアで注意すべきポイントを聞いた。

○耳毛が生えやすくなる理由

――中年以降になると耳毛が生えやすくなる理由を教えてください。

ホルモンバランスが関係しています。男女問わず、更年期(40代半ば~50代半ば)になるとホルモンバランスが崩れ、白髪が生えたり髪の毛が抜けたりなど、いろいろな変化が起きやすい。耳毛が生えやすくなることも、その変化の一つと言えます。

――毛は年を重ねると抜けていくイメージが強いですが。

女性で例えるとわかりやすいのですが、加齢に伴い女性ホルモンが減少して男性ホルモンの比率が高くなり、その結果として毛が生えやすくなる女性は多くなります。
この現象は男性でも同様で、耳毛はもちろん、鼻毛や眉毛など髪の毛以外の全身の毛が生えがちになるのです。

――耳毛のセルフケアで注意すべきことは?

抜くと炎症のリスクがあります。また、ヒゲ剃りもそうですが、ガリガリ剃ってしまうと肌を傷つけてしまいかねません。シェイバーでササッと剃るぶんには良いですが、それも面倒に思うのであれば耳毛脱毛をオススメしたいです。
○耳毛脱毛の痛さレベル

――耳毛の脱毛はヒゲ脱毛などと方法が異なるのでしょうか? 特徴はありますか?

基本的にはありません。ただ、耳毛は剛毛というほどではないため、ヒゲなどよりは脱毛の効果を早く実感できます。ヒゲの場合、個人差はありますが、ツルツルを目指したい方は20回前後をオススメしています。 一方、耳の脱毛であれば5~7回ほどで完了します。また、時間もほとんどかからず、毎回一瞬で終わります。当院では、耳毛・眉毛・鼻毛をセットで脱毛できる「身だしなみセット」というプランを選択される方が多いですね。「他の毛のついでに」という感じで耳毛の脱毛をされるケースが目立ちます。

――"痛さ"を心配する人も多いです。
耳毛脱毛の痛さレベルを教えてください。

そんなに痛くはありません。ヒゲが生えている口周りは神経が多く、痛みをとても感じやすい部位ですので、ヒゲ脱毛は最も痛いとされています。ヒゲ脱毛の痛みを10とした場合、耳毛は3~4ほど。また、鼻毛は7くらいで結構痛いです。ただ、ヒゲほど時間はかからないため、そこまで痛みを覚えることはないかなと思います。

――耳毛脱毛に来る人はどういう人が多いですか?

営業職など人前にでることが多い方のほか、30~40代の人が多い印象です。また、医療脱毛でよく使用されているレーザー脱毛は毛の黒い色素(メラニン)に反応し、熱を発生させて毛を生やす組織を破壊するのですが、言い換えれば白髪になると十分な効果は出ません。

白髪には針脱毛という方法で対応できますが、レーザー脱毛よりも痛く、毛を生やす組織を1本ずつ破壊する必要があり、時間がかかってしまう。将来のことを見越して、まだ若いうちに、つまり白髪が少ないうちに耳毛脱毛を決断する人は結構います。
編集部おすすめ