マイナビニュース・エンタメチャンネルの新たな定番記事を目指すお試し企画「日曜トライアル」。今回は、編集部員の野瀬がドラマを観た感想をつづる「私の人生にはドラマが必要だ」をお送りする。


東野幸治も観たドラマ『ひらやすみ』

『東野幸治のホンモノラジオ』(ABCラジオ)でダディ(※東野幸治の愛称)がしゃべっていたドラマ『ひらやすみ』(NHK)を観た。

ダディいわく、「このドラマを観ている自分が好き」「『東野、このドラマ好きなんだ。感性若いね』って思われたい」とのこと。あつむさん(※番組パートナーの桂三度)からは「ヤバいほうのインフルエンサー」とツッコミを入れられていた。

ドラマを観てみて、ダディの言いたいことが分かってしまう自分がいたのだが、そんなスケベ心を抜きにしても、とてもおもしろい作品だった。

■『ひらやすみ』あらすじ
生田ヒロト、29歳、フリーター。定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの? 将来の不安も一切ない、お気楽な自由人。そんな彼は、人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえから、一戸建ての平屋を譲り受けることに。そして、山形から上京してきた18歳のいとこ・小林なつみと2人暮らしを始めた。彼の周りには生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて……。

○なつみ(森七菜)を励ますヒロト(岡山天音)の言葉

なつみ(森七菜)は漫画を描いていて、漫画賞に応募している。第7回で、友人の横山あかり(光嶌なづな)から自分の書いた漫画を褒められ、「なっちゃんは自信があって、すごい」と言われたなつみは、ヒロト(岡山天音)の「なっちゃんは大丈夫」という言葉が励みになっていると打ち明ける。


また、ヒロトも友人の野口ヒデキ(吉村界人)がくれた言葉に救われた経験があることが第18回で明らかになる一方で、言葉によって人の心が壊れていくシーンも描かれた。
○『ひらやすみ』を観て思い出した友人の言葉

言葉はお守りにも呪いにもなる。『ひらやすみ』を観終わって、改めてそう思った。

20代半ばの頃、ライターとして生きていくなら東京にいたほうがいいと声をかけられ、ふらふらと上京した。

けれど、やっているのはただ自分が食べていく生活費を稼ぐためだけのような記事ばかり。あれ? 奈良にいるときに雑誌やネットで見てたライターってこんな感じやったっけ? などと思って、才能の2文字にどつかれては、目の前の現実に沈んでいく毎日だった。

そんなときにnoteで書いたエッセイ(と呼んでいいものかはさておき)を読んだ友人からもらった言葉には、随分と助けられた。名文を書くことはできなくても、自分が書きたいと思うことを書いていい。そして、その文章を読んで、心を動かされる人が一人でもいてくれたら、こんなにもうれしいことはないと思った。

彼女が「30代になったら燃え殻さんみたいな文章書いてそうじゃない?」と言ってくれたようには到底なれていない。なんなら歳をとっただけで相変わらずしょうもないし頭もすこぶる悪くて、うんざりする。それでも、彼女からもらった言葉を思い出して、今もこうして文章を書いている。
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