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連日のようにニュースを騒がせる「エヌビディア(NVDA)」の最高値更新。 右肩上がりのチャートを見るたび、「あの時買っておけば」「今から飛び乗っても、高値で掴まされるだけでは?」と、焦りや諦めを感じている人も多いのではないだろうか。
だが今、エヌビディアへの投資を見送り、あえて"別の場所"に資金を移すことで、着実に資産を増やしている投資家たちがいる。
彼らが狙うのは、AIチップそのものではなく、その製造になくてはならない"日本の黒子企業"だ。
そこで今回は、登録者数35万人超のYouTubeチャンネル『鳥海翔の騙されない金融学』を運営する鳥海翔氏にインタビュー。
プロが密かに仕込む「AI相場の隠れたお宝銘柄」と、2026年を勝ち抜くための「視点のずらし方」について伺った。
金を掘るな、ジーンズを売れ。勝ち筋は"周辺企業"にあった
「AI半導体」と聞けば、多くの人がエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)といった米国の巨大テック企業を連想する。
しかし、ニュースで話題沸騰となっている時点で、それらの銘柄はすでにプロによる「利益確定」のフェーズに入っていることが多い。
今から飛びついても、得られる利益は少ないのが現実だ。これに対し、鳥海氏は「視点をほんの少しずらすだけで、有望な投資先は見えてきます」と語る。
「皆さんはエヌビディアのGPUばかりに注目しますが、『そのGPUは一体、誰がどうやって作っているのか?』という製造プロセスに目を向ける人は意外と少ない。かつてのゴールドラッシュで最も富を築いたのは、金を掘った人ではなく『ツルハシ』や『ジーンズ』を売った人たちでした。現代のAI相場も、まったく同じ構造をしています」(鳥海氏)
つまり、エヌビディアが主役なら、そのチップを製造するための「素材」や「装置」を提供する企業こそが、着実に利益を上げ続ける「ツルハシ売り」と言える。
シリコンウエハーで世界首位の信越化学工業(4063)、マスク欠陥検査装置において独占的なレーザーテック(6920)。さらに、製造装置の国内トップである東京エレクトロン(8035)や、検査装置大手のアドバンテスト(6857)などがそれに当たる。
「これらは『周辺企業』と括られますが、その実力は主役級です。たとえエヌビディアが革新的な設計図を描こうとも、信越化学の素材や東京エレクトロンの装置がなければ、製品として世に出すことは不可能ですからね」(鳥海氏)
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エヌビディア一強が崩れるほど、日本株が有利になる理由
とはいえ、半導体セクターはボラティリティ(価格変動)が激しい。「高値で掴んで暴落したら…」という懸念から、二の足を踏む読者もいるだろう。
事実、PER(株価収益率)は高水準に達しており、「バブル崩壊」を警告するアナリストも少なくない。だが、鳥海氏は「恐怖の正体は『無知』にある」と指摘し、悲観論を一蹴する。
「株価が上下する理由が曖昧だから怖いのです。しかし、先ほど挙げた日本企業は、世界のサプライチェーンにおいて代替不可能な技術を握っています。AI需要が消滅しない限り、彼らの製品は売れ続ける。そう確信できていれば、一時的な調整局面は恐怖ではなく、むしろ安く仕込めるチャンスに映るはず。
では、肝心の「AI需要」はいつまで続くのか。鳥海氏は「トレンドはまだ黎明期」と分析する。
「現在は一部の巨大IT企業がデータセンターを構築している段階に過ぎません。今後は一般企業のサーバー、さらにはPCやスマートフォンといった末端のデバイスにまで高性能GPUが搭載されていきます。2026年に向けて、需要の裾野は爆発的な広がりを見せるでしょう」(鳥海氏)
さらに重要なのが、現在のエヌビディア一強体制からの大きな転換だ。アマゾン(AMZN)やグーグル(GOOGL)などが自社製チップの開発を急いでいるが、鳥海氏はそれこそが日本企業への追い風になると見る。
「誰がチップを設計しようとも、それを作るための『製造装置』や『素材』が不可欠である事実に変わりはありません。つまりチップ戦争でどの陣営が勝とうとも、日本のメーカーは必要とされるポジションにいるので、この構造的な優位性は2026年も揺るぎにくいでしょう」(鳥海氏)
初心者の最適解は「銘柄選び」より「買い方」
では、私たち個人投資家は具体的にどう動くべきか。鳥海氏は、初心者が守るべき「3つの鉄則」を提示した。
第一に、「一点突破」ではなく「バスケット買い」を行うこと。初心者はつい話題の1社に資金を集中させがちだが、値動きの激しいセクターにおいてそれはリスクが高すぎる。
「推奨するのは、信越化学や東京エレクトロン、アドバンテストといった有力銘柄を複数、パッケージ(バスケット)のように分散して保有することです。
第二に、「新NISA」の成長投資枠をフル活用すること。これらの銘柄は配当も期待できるが、最大の狙いはやはり値上がり益にある。
「利益が非課税になる新NISAを使わない手はありません。短期売買で日々の変動に一喜一憂するのではなく、数年単位で寝かせる長期的な視点が正解への近道なのです」(鳥海氏)
そして第三に鳥海氏が挙げたのが、「心から信じられる投資先しか選ばない」ということだ。
「多くの人が長期投資の重要性を理解しているはずなのに、相場が悪化した途端、短期的な売買に走ってしまうケースは少なくありません。一見矛盾しているように見えますが、実はこれ、投資先を選んだ時点で勝負が決まっているんです。『いつか必ず上がる』という確信が持てない投資先では、暴落時に信じきれず狼狽してしまう。その結果、冷静で現実的な投資判断ができなくなるというのが真相です」(鳥海氏)
「2026年にはもう遅い」という悲観論に惑わされる必要はない。AIという巨大な潮流の中で、日本企業が握るツルハシの価値は、むしろこれから高まっていく。
流行りの銘柄を追いかけるギャンブル的な投資から卒業し、産業の裏側を支える「真の実力企業」とともに資産を育てる。それこそが、賢明な投資家が選ぶべき道と言えるだろう。
西脇章太 にしわきしょうた 1992年生まれ。
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