●「完璧でいなければ」「強くいなければ」と常に気が張っていた
2021年4月にアイドルグループ・SKE48を卒業し、休養期間を経て2024年から個人で活動している松井珠理奈。今年9月に発売した2nd写真集『アイヲシル』(宝島社)では、地元・東海地方で撮影した自然体の姿を披露し、今の赤裸々な思いもつづっている。
松井にインタビューし、完璧を求めていたアイドル時代を振り返るとともに、本来の自分でいられるようになってきたという変化を語ってもらった。

2008年にSKE48の1期生として劇場デビューし、同年10月リリースのAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」で選抜入りしWセンターに抜擢。最初からSKE48の中心メンバーとして活躍し、2018年のAKB48選抜総選挙で1位に輝いた。

13年間のアイドル人生を振り返り、松井は「人生でこんなに夢中になれることに出会うって奇跡なのかなと思っています」と語る。

「青春をかけて全力投球していたので、これ以上のことってあるかなと思うぐらい、すごく濃い13年間でした。1回燃え尽きましたが、自分のペースで進もうという勉強にもなりましたし、今はまた前を向いて頑張りたいという気持ちです。グループにいたら自分のペースだけではダメな部分がありますが、今は自分のペースで、できる限りのことを頑張ろうと思っています」

大人数のグループだったからこそ鍛えられた部分も大きかったという。

「秋元康先生がプロデュースしてくださっていましたが、自分たちで切り開いていかなきゃいけない部分もありましたし、メンバーがたくさんいる中で、どうやって個性を出して好きになってもらえるかというのがあったので、バラエティでも人と違うことを言おうとか、そういう部分で鍛えられた部分がすごくあり、それは今も役立っているなと思います」

また、グループを背負っていたアイドル時代は「完璧でいなければいけない」「強くいなければいけない」と常に気が張っていたと言い、「強さではなく、ただの強がりなんです」と打ち明ける。

「本当は全然強くなくて、めっちゃ激弱です。でも、激弱って言えている自分が強いなと思いました。今までは弱いということを認めず、強がっていて。今、自分は弱いと言えているということは、ちょっと成長したのかなと思います」

そして、本来は「甘えたいタイプ」だと語る。


「自分のタイプ的には、引っ張ってほしかったんですけど、自分が引っ張らざるを得ない状況になり、もう強がるしかない! 大人ぶってやるしかない! と。子供すぎて、事の重大さもいまいちわかっていなくて、『大声ダイヤモンド』のときも、とりあえず歌って踊るしかないという感じで、若さでなんとか乗り切れたのかなと思います」

●自分を大事にする大切さを知り「強がらずに素の自分でいられるように」
アイドル時代の終盤には、強くなければいけないという呪縛から少しずつ解放されていったという。

「後輩たちが『私たちも頑張るので任せてください』と言ってくれたり、グループ時代に体調不良でお休みしたときに、私がいなくてもSKE48というグループは進んでいくんだという現状を見たときに、ちょっと肩の荷が下りた感じがありました」

そして、「後輩にも甘えられるようになったのが大きかったです」と振り返る。

「先輩のことを『さん』付けで呼ぶんですけど、私の場合は後輩の方が年上というパターンがけっこうあったので、『さん』付けはちょっとなと思い、あだ名で呼んでほしいと話したら、みんなが『おじゅり』と呼んでくれるようになって、それで打ち解けられて先輩後輩の壁がなくなりました。『おじゅりご飯行きましょうよ』みたいに誘ってくれたりして距離が縮まったので、呼び名は大事だなと思いました」

2021年4月にグループを卒業後、2022年4月から約1年半、体調不良で休養した松井。その期間を経て、さらに自然体でいられるようになったという。

「休養期間に自分と向き合ったことで、自分を大事にすることの大切さを知り、強がらずに素の自分でいられるようになった気がします。自分のことも愛せるようになってきて、そんな変化も写真集で感じ取ってもらえたらと思います」

写真集ではランジェリーカットにも初挑戦し、ドキッとするようなセクシーな姿も見せている。

「自分も見たことないような色気のある表情があって、新たな発見でした。こんな姿を解禁してしまっていいのだろうかと思いましたが、そんな大人な一面も見ていただけたらと思います」と述べ、「この写真集でもっと自分のことが好きだなと思えたので、皆さんも自分のことをたくさん愛して、労わってあげて、また日々の生活やお仕事を頑張ろうと思ってもらえたらうれしいです」と語っていた。

■松井珠理奈
1997年3月8日、愛知県生まれ。2008年10月にSKE48の1期生として劇場デビュー。
同年10月リリースのAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」に最年少11歳228日で選抜入りし、Wセンターに抜擢。選抜回数はSKEで26回、AKBで42回。2012~2015年はAKB48チームKを兼任。AKB48選抜総選挙は第1回(2009年)から出場し、2018年には1位を獲得。2021年4月にグループを卒業。2024年に独立し、個人での芸能活動を開始。テレビ出演やイベント出演、SNSでの発信など、様々な活動を行っている。

stylist:野田陽子(ミタケイショウ) hair&make-up:萩村千紗子
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