日本IBMは12月22日、新しい技術領域の拡大や人財流動性の向上といった環境変化の中で、人材育成や採用強化を通じてシステム開発・運用の推進を加速するため、同19日に地銀ITソリューション(RBITS)を完全子会社化したと発表した。さらに、2026年4月には、日本アイ・ビー・エム デジタルサービス(IJDS)への統合を予定している。

○地銀ITソリューションの概要

RBITSは、地方銀行様の業務の根幹を支えるITシステムの開発と運用の両面で、システム共同化というイノベーションを実現するために2004年4月に設立した。設立以来、「Chance地銀共同化システム」を支える開発運用の役割を担っている。

Chance地銀共同化システムは三菱UFJ銀行の勘定系、情報系などの基幹システムをもとに、参加金融機関の共通ニーズと個別ニーズを反映させて構築したシステムとなり、システム安定稼働に加えて、同事業におけるプロジェクト開発や運営、メンバーのスキル強化、顧客との協業体制を構築してきた。

統合母体となるIJDSは、2020年7月1日に、金融機関や製造業の支援実績を持つ100%出資子会社3社の統合で設立。2022年7月には、九州・中国地方の金融機関および自動車会社に精通した情報システム開発・運用を行う子会社2社も統合し、体制を強化している。

また、全国8カ所に設置されているIBM地域DXセンターを通じて、深い業務知識と幅広い技術スキルを活用し、地域のお客様の既存システムの安定稼働と先進技術によるデジタル変革を両面から支援し、地域経済の発展に貢献しているという。

昨今、既存のシステム共同化の枠組みを超えた開発・運用ニーズの高まりなど環境変化が顕著になっている中、今後も持続可能な形でChance地銀共同化システムを担うために、RBITSの強みを活かしながら、新たな開発運用体制に変革する。

RBITSのIJDSへの統合により、社員のスキル拡大と安定した採用を図ることで、持続的な人材の強化が可能になるとのこと。統合後も、Chance地銀共同化システム参加各行との強固なパートナーシップを継続し、高品質なサービスの提供を継続していく考えだ。
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