2025年7月5日、煌びやかな繁華街や洗練されたビジネス街といったイメージの強い六本木にお笑い劇場という新たな文化が融合した。

俳優座劇場の跡地に誕生した『YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER』。
キャパ 300席というコントに適した劇場で日々、コントに向き合う芸人たちとそれを支える劇場支配人に話を聞いた。

――YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERはどのような劇場でしょうか?

支配人 武林さん(以下 敬称略): 今年の7月5日にできたばかりのコント中心という吉本初の試みの劇場です。コント師の方の支援と育成、サポートをしていこうというコンセプトになっています。僕は劇場経験10年くらいなのですが、これまであまりコントだけの寄席はなかったので、これから劇場がどうなっていくか楽しみです。

――コント師側からみてもコントだけの劇場ができたというのは特別なことでしょうか?

ロングコートダディ 兎さん(以下 敬称略): そうですね。今年の7月5日にできたばかりのコント中心という吉本初の...

ロングコートダディ 堂前さん(以下 敬称略): 答えなぞってない?(笑)キャパも含めて本当にコントがしやすい劇場で、吉本のコントの未来がかかっているような気がします。

――コントがしやすい環境が整っている?

堂前: コントは漫才よりもちょっとだけ、お客さんに向けて話していないこともあるので、キャパがデカすぎると集中力が保てなかったりします。音響、照明などの設備的にもコントはしやすいと思います。

兎: 僕たちも毎年単独ライブをやっているんですが、マックスでも700ちょっとのキャパにしているので、キャパ 300席のROPPONGI THEATERは一番コントがやりやすいかもしれないですね。

――普段はどのようなお客様が多いですか?

武林: その日の出演者によって様々ですが、8割くらいは若い女性の方で、2割が男性ですかね。ただコントはお笑いの一丁目一番地ではないと思っていて、ほとんどの方が漫才から入ることが多いと思います。

他の劇場で漫才師をみて、コント師も面白いなと思って来ていただける流れかと思いますが、今後は最初からコントって面白いなと思って来ていただける方を開拓していきたいと思っています。


――六本木は訪日外国人観光客の方も多い印象ですが、劇場には来られますか?

武林: ロビーをイベントステージと客席に分けて実施している、日本語を使わずに海外の方にも楽しんでいただけるコメディショー「Yoshimoto Comedy Night OWARAI」は、飲食しながら観ていただけて、実際、海外の方にも来ていただいています。

今後、コメディショーが楽しめるスポットとしてより多くの方に来ていただきたいなと思っています。

もしよかったらロングさんもコメディナイトに出ていただけたら(笑)

堂前: ちょっとネタ繰っときます!

――今後、どのような劇場にしていきたいですか?

武林: やっぱり「コントといえば」の劇場にしていきたいです。大阪にいた時は、コントといえば、東京かつ他事務所さんが強いイメージがありました。

そこはやっぱり「吉本、コント強くなったな」というか、キングオブコントの決勝にどれだけ送り込めるかだと思ってまして、「コントといえば六本木、吉本だよね」と言われるようになれば成功だと思います。

これから劇場でなにが行われていくのか、楽しみにしていただいているお客様もいらっしゃると思いますので、しっかりと応えていきたいと思います。

兎: コントの劇場って物や服が大量に必要になってくるので、すごく大変なんですよ。でもこの劇場はコントに力を入れると決まった瞬間から、スーツ一着とってもズラーっと並んでいたりとか、綺麗に整頓されて使ったらすぐ戻せる環境が整っているのがコント師からしたらありがたいです。

武林: 漫才師の方に比べると、音とか照明とか小道具とか細かい調整ごとを含めた舞台リハが多くなるんです。コント中心の劇場ができることによって、コント師の方にとってよりコントがやりやすい環境づくりができるようにしたいです。

――最後に劇場へお越しいただく方々へメッセージをお願いします。

武林: コントは敷居が高いようでより設定もあってわかりやすいですし、ぜひ気軽に足を運んで、好きな芸人さんを見つけて応援してもらえたら嬉しいなと思います。


堂前: 六本木……という言葉に多少ビビっている方もいると思いますが、中に入ってしまえば六本木ではないので、一度足を運んでください!

兎: 六本木駅は交差点の出口が4つあって、僕はしっかり地図を見て正反対の斜めの出口に出てしまったので、六本木の出口3は正反対だと思ってください! その対角線上が正解です!

あと、武林さんは漫才劇場を成功させて、その後も数々の劇場を立て直してきたので武林さんじゃなくて、立て直しさんって呼ばれてます。

武林: ロングさん2人しか言ってませんよ!(笑)

兎: 先に堂前が言い出したから。

堂前: ずっと自分の言葉みたいに言ってて恥ずかしい……。

兎: いやいや! 堂前があれ以来言わんで捨てたから俺がもらってるだけよ! トークもSDGsしていかないと。(笑)

取材を実施した当日も多くの方がコントを楽しむ様子が伺えた。「六本木お笑いコントライブ!」をはじめ、豪華な出演者が揃う公演が日々開催され、公演中は演者の一部によるミニコーナーもあり、コント中とはまた違った表情も楽しめる。

六本木の新たな名所として期待される、YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER。休日や仕事帰りに立ち寄った劇場で、未来のコントチャンピオンに出逢えるかもしれない。

YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER 劇場情報
住所:〒106-0032 東京都港区六本木4-9-2(六本木駅6番出口すぐ)
吉本興業初のコントを中心にした劇場。
全国から集まる実力派や若手による多彩なステージを毎日開催。
コントはもちろん、コメディやインバウンド向けの公演など、ここから新たなコンテンツを発信していきます。
公演の最新情報は、劇場公式HPや各種SNSにて。


葉山澪 はやま みお 東京都出身、港区在住のアラサーOL。 都内の大学を卒業後、PR企業勤務のかたわらフリーランスライターとして活動している。 美容とグルメ、お笑いが好き。 この著者の記事一覧はこちら
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