年末年始、これは観ておきたい映画を厳選して紹介。15年以上、世界歴代興行収入1位に君臨するあの作品のシリーズ最新作や、知る人ぞ知る隠れた名作まで5本をピックアップしてお届けする。
○前作を未見でも大丈夫!『ズートピア2』
動物たちが共存する楽園を描いた大ヒット作『ズートピア』の続編。アダムとイブが楽園を追放されるきっかけとなった蛇が、本作では追放される立場の者として登場するのだが、物語は植民地主義批判とも言える内容で、現実の世界で起こっている表象として、とても変換度が高い映画となっている。とはいえ、ファミリー向けの仕上がりではある(卑近な事柄に寄せて解釈できる)ので、家族で観ても安心な1本だ。また、本作はシリーズ第二弾ではあるものの、独立した1本の作品となっているので、前作を未見でも問題なく、冒頭でも簡単なおさらいシーンがあるから、初めて観る人でも大丈夫だろう。
■ストーリー
動物たちが人間のように暮らし、誰もが何にでもなれる楽園を舞台にした物語。憧れの警察官となり、再びバディを組むことになった頑張り屋な兎のジュディ(日本語吹き替え:上戸彩)と、皮肉屋だけど根はやさしい狐のニック(日本語吹き替え:森川智之)。ある日、100年ぶりに街に蛇が現れたことをきっかけに、ふたりはズートピア誕生の裏に隠された「驚くべき秘密」に迫っていく――。
■出演者(役名/日本語吹き替え)
ジュディ・ホップス:上戸彩
ニック・ワイルド:森川智之
ゲイリー:下野紘
ニブルズ:江口のりこ
パウバート:山田涼介
ミルトン・リンクスリー:梅沢富美男
ガゼル:Dream Ami
Dr.ファズビー:水樹奈々
■スタッフ
監督:ジャレド・ブッシュ/バイロン・ハワード/
製作:イベット・メリーノ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
○3Dでの鑑賞を強くお勧めしたい『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
15年以上、世界歴代興行収入1位に君臨する『アバター』のシリーズ最新作。第1作から一貫して植民地主義批判を寓話として描いており、『ズートピア』シリーズと同じく、現代的なメッセージにあふれる物語となっている。前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で導入された「HFR(ハイフレームレート:通常の映画で用いられる秒間24コマを超えるフレームレートで撮影を行う)」により実現した滑らかな映像は、ゲームをプレイしているかのよう。撮影技法にこだわるジェームズ・キャメロン監督ならではの映像美で、映画館、それも3Dでの鑑賞を強くお勧めする。なお、本作は、もともと1本だった作品を分割したこともあって、前作を観ていないとよく分からない場面がいくつかある。
■ストーリー
滅亡間近の地球で、人類は、神秘の星パンドラに一縷の望みをかけ、貴重な鉱物資源を採掘するため、先住民族ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体を開発する。元海兵隊のジェイク(サム・ワーシントン)は、亡くなった兄に代わりとなってナヴィに接触するが、彼らの生き方に共鳴し、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ち、家族を築く。だが、クオリッチ(スティーヴン・ラング)率いる人類がパンドラに現れたことで神聖な森を追われてしまう。ジェイクたちは「海の部族」と共闘し、人類を退けるも、再到来した人類による侵略、そして「アッシュ族」の脅威が降りかかる。
■出演者(役名/俳優名)
ジェイク・サリー:サム・ワーシントン
ネイティリ:ゾーイ・サルダナ
キリ:シガーニー・ウィーバー
ヴァラン:ウーナ・チャップリン
■スタッフ
監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作総指揮:リチャード・バネハム/レイ・サンキーニ/デビッド・バルデス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
○生涯現役!? ジャッキー・チェンの老練なアクションを堪能できる『シャドウズ・エッジ』
公式Webサイトではアナウンスされてはいないが、香港映画『天使の眼 野獣の街』(2007年)と、そのリメイク作である韓国映画『監視者たち』(2013年)を下敷きにしたであろうと思われるクライム・アクション。ちなみに、本作で犯罪集団の首領を演じるレオン・カーフェイは『天使の眼 野獣の街』にも出演している。ここ数作は、一線を退いた人物が再起をかける、現場に復帰するといった役柄が多いジャッキー・チェンだが、今回も一度、引退した刑事という設定である。さすがに20代の頃のようなド派手なアクションは期待できないものの、70代とは思えぬキレのある動きで魅せてくれる。共演のツーシャー、ジュン(SEVENTEEN)、チャン・ツィフォンら、次世代スターたちのアクションも見逃せない。また、アクションだけではなく、ドラマの部分も強度のある作りになっており、10年代以降、映画のモチーフとして度々取り上げられる「擬似家族」にフォーカスした語り口も見事で、2時間21分というやや長めな尺が、絶対に必要な構成となっている。
■ストーリー
舞台はネオンきらめくマカオ。神出鬼没のサイバー犯罪集団による巧妙な強奪事件が多発していた。なす術もない警察は、追跡のエキスパートだった黄徳忠(ジャッキー・チェン)に頼ることに。一線を退いていた彼だったが、若き精鋭たちとチームを組み、最新テクノロジーと昔ながらの捜査術で犯罪集団を追い始める。たどり着いたのは「影」と呼ばれる指名手配犯の元暗殺者(レオン・カーフェイ)。彼を首領とした犯罪集団は、巧みな変装と高度なIT技術を駆使し、警察の追跡をかわしていく。そして、追跡から15日目。警察は「影」の居場所の特定に成功するのだが、彼らを待ち受けていたのは、最悪の罠だった……。
■出演者(役名/俳優名
黄徳忠(ホワン・ダージョン):ジャッキー・チェン
何秋果(ホー・チウグオ):チャン・ツィフォン
傅隆生(フー・ロンション):レオン・カーフェイ
熙旺(シーワン)/熙蒙(シーモン):ツーシャー
胡楓(フーフォン):ジュン(SEVENTEEN)
■スタッフ
監督・脚本:ラリー・ヤン
製作:ヴィクトリア・ホン/チャン・チャオ
配給:クロックワークス
(C) 2025 IQIYI PICTURES (BEIJING) CO., LTD. BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD. BEIJING HAIRUN PICTURES CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
○映画館で観るために作られた圧倒的な映像美『落下の王国 4K デジタルリマスター』
2006年に公開されたファンタジー映画が、デジタルリマスターを施され、4K版となって帰ってきた。本作は、Blu-ray/DVDが発売されたものの、現在は廃盤。配信も行われておらず、長い間、幻の作品となっていた。
■ストーリー
時は1915年、黎明期のハリウッド。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイ(リー・ペイス)は、自暴自棄になっていた。そこに現れたのは、木から落ちて腕を骨折して入院した5才の少女・アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)。ロイは自殺するための薬を、動けない自分に代わって薬剤室から盗んで来させようと、アレクサンドリアに思いつきの冒険物語を聞かせ始める。それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていた6人の勇者たちが、力を合わせて悪に立ち向かう【愛と復讐の叙事詩】であった――。
■出演者(役名/俳優名
ロイ・ウォーカー/黒山賊:リー・ペイス
アレクサンドリア:カティンカ・アンタルー
エヴリン看護師/エヴリン姫:ジャスティン・ワデル
シンクレア/オウディアス総督:ダニエル・カルタジローン
■スタッフ
監督:ターセム・シン
脚本:ターセム・シン/ダン・ギルロイ/ニコ・ソウルタナキス
撮影:コリン・ワトキンソン
衣装デザイン:石岡瑛子
配給:ショウゲート
(C) 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.
○ニューヨークの街を奇矯なキャラクターたちが疾走する『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』
日本での公開は45年前、権利問題から長らく鑑賞が難しく、配信はおろか80年代に一度VHSが発売されただけであったが4Kで修復され、配給のザジフィルムズの尽力により上映される運びとなったのが本作であるが、フランス文学の研究者にして映画評論家の蓮實重彦氏が、シリーズ著作の一つ『映画狂人シネマの煽動装置』にて紹介していることで知られており、シネフィルの間では幻の傑作と評されていたこともあって、劇場での再上映が待ち望まれていたところではあったものの、いざ鑑賞してみると、非常に奇妙な内容で、そもそも、さらわれる娘は、犯人がターゲットとしていた不動産王(ドナルド・トランプのような)の令嬢と間違えられたにもかかわらず、市警は、何故か父親宅ではなく、不動産王の邸宅に捜査本部を構え、不動産王も、自分の娘が誘拐されたわけでもないのに、娘を誘拐された父親を演じ続けるという謎の行動に走り、また、娘を誘拐された父親に私怨を抱く巡査部長は、ニューヨークの雑踏でライフルをブッ放すなど、常軌を逸した登場人物のオンパレードとなっていて、そのあたりも魅力の一つではあろうが、見どころはカーチェイス、そして今回の上映にあたってのポスタービジュアルで躍るキャッチコピー「疾走! One hundred minutes!」に象徴される、さまざまなキャラクターの疾走シーンであるのは間違いなく、それらアクションシーンが作品の評価を決定的なものにしている。
■ストーリー
元警察官で現トラック運転手のショーン(ジェームズ・ブローリン)は妻と別れ、娘と二人で暮らしていた。その娘の15歳の誕生日に、ショーンはバレエ公演のチケットをプレゼントし、学校に行く彼女をセントラル・パークまで送り、二人にとっていつもと変わらない平穏な一日が始まるはずだった。だが、娘は突然見知らぬ男に誘拐されてしまう。ショーンは必死に後を追うも、追跡途中で車の横転事故を起こし、病院に搬送されてしまう。病院でケガの手当を受けつつも、トネリ警部補(ジュリー・カーメン)率いるニューヨーク市警察捜査チームによる事情聴取に業を煮やしたボイドは病院を抜け出し、独自に娘の捜索に走り出す。こうしてニューヨークを舞台にした、娘を拐われた父親 VS.誘拐犯 VS.市警察の長い一日が始まった。
■出演者(役名/俳優名
ショーン・ボイド:ジェームズ・ブローリン
ガス・ソルティック:クリフ・ゴーマン
トネリ警部補:ジュリー・カーメン
マリア:ダニエル・カルタジローン
バーンズ巡査部長:ダン・ヘダヤ
■スタッフ
監督:ロバート・バトラー
脚本:ビル・ノートン・Sr/リック・ナトキン
製作:ジェイ・ウェストン
製作総指揮:アーノルド・コペルソン
撮影:ヴィクター・ケンパー
編集:アーガイル・ネルソン
配給:ザジフィルムズ
(C) 1980 GCC Films, Inc
なお、今回ピックアップした作品は『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』を除いて、レイティングは「G」となっているので、家族で安心して鑑賞できる。『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』はPG12ではあるものの、家族で観ていて気まずくなりそうな場面はないと思われるので、こちらもお子さんが中学生以上なら、特に問題ないだろう。この年末年始は是非、映画館に足を運んでいただきたい。

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