時代劇専門チャンネルとJ:COMの共同製作によるオリジナル時代劇シリーズ最新第9作『三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆』のファンミーティングがこのほど、都内で行われ、主演の北大路欣也のほか、佐藤流司山谷花純、藤岡弘、、山下智彦監督が登壇した。

会場のロビーにはフォトスポットやメッセージ記入コーナーが用意され、作品の世界観を堪能した約500人のファンが集結。
シリーズ初参加の藤岡が時代劇への思いを熱く語ると、大きな拍手に包まれた。

○約30年ぶりに北大路欣也と共演「胸が熱くなりました」

『三屋清左衛門残日録』シリーズは藤沢周平の傑作小説を原作に、北大路演じる前藩主用人の職を退き隠居した三屋清左衛門の第二の人生を、身の回りに起こる様々な出来事とともに描いた作品。藤岡は清左衛門の親友・佐伯熊太(伊東四朗)の旧友で、謎の死を遂げる榊甚左衛門役で出演。前作には息子の藤岡真威人が出演しており、親子二代でのシリーズ出演となる。

『徳川剣豪伝 それからの武蔵』(96年、テレビ東京)以来、約30年ぶりとなる北大路との共演に、藤岡は「時代劇が大好きで、『三屋清左衛門残日録』もずっと見ていてファンだったので、今回は緊張しました。いい思い出を大先輩にいただきました」と大感激の様子。

「時代劇の灯だけは消してほしくないという思いがずっとあります。『三屋清左衛門残日録』を見ながら、北大路先生が目力で日本人が持っている伝統的な和の心、愛ある心を伝えているのは、日本が誇るべきことだと思いました」という藤岡。

具体的に、清左衛門と伊東四朗演じる熊太の親友同士のやり取りを挙げ、「北大路先生と伊東先生のシーンが大好きで、とても胸に染み入りました。日本人の労る心、慈しむ心、愛ある心、そして相手を尊敬しながら思い合う心情の交流。清左衛門を中心に流れていく、時代劇の素晴らしさが詰まったシーンです」と強調する。

そして、今回の現場に入り、「時代劇を守り続ける監督とスタッフの皆様とお会いしたときに、胸が熱くなりました。
相手を認めて、以心伝心で無言で伝えていく。これをずっと守り続けてこられた北大路先生やスタッフの皆さんの偉業はすごいと思いました」とリスペクトを述べた。

○「もう一言、ついつい熱くなっちゃって」

これに対し、北大路は「監督がそういう心でこの作品を作ってくださっているので、私たちが気がつかないところでも、その思いが皆さんに伝わっているんです。本当に感謝してます」といい、藤岡も「監督がそっと来て言ってくれる一言が的確なんです。大きな愛情があって、こういう空気をなくしてはいけないなと思いました」と同調する。

北大路はさらに「ロケ現場は毎回すごいところを選んでいるなと思います。場所の雰囲気で自分の心が出来上がりますし、監督のリーダーシップはすごく大きいと思いました」と締めようとするも、藤岡は抑えきれず、「もう一言、ついつい熱くなっちゃって」とカットイン。

「時代劇の灯は絶対絶やしてはいけないという思いが強いんです。これから日本を背負っていく若者たち、日本の映像界を背負っていく若い俳優さんたちにも経験してほしいです。私は、『三屋清左衛門残日録』に出演し、いい監督、スタッフ、キャストの皆さんに出会うことによって、改めて俳優としての方向性やビジョンに得るものがありました」と、時代劇への思いと『三屋清左衛門残日録』シリーズの意義を熱弁する藤岡。

続けて、「北大路先輩と30年前にご一緒した時、私のような者と刀を交えていただくだけでなく、“車に乗ってけよ”と現場まで乗せていただき、いろんな話をしました。そういう空気感の中で、一つの家族のようになっていい作品を作ろうとするスタッフに触れてから、私は時代劇がますます好きになり、今に至ります」と熱を込めて語ると、会場からは大きな拍手が沸き起こり、司会の馬場典子アナウンサーは「藤岡さんの真っすぐさに心を洗われ、またそのピュアさに感動した次第でございます」と感銘を受けていた。


『三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆』は、J:COM STREAMで配信中。時代劇専門チャンネルでは3月に放送予定となっている。
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