2026年の年頭にあたり、日本オラクル 取締役 執行役 社長 三澤智光氏は年頭所感として、以下を発表した。

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年は日本オラクル創立40周年を、お客様、パートナーの皆様と盛大に祝うことができました。長年のご支援に心より御礼申し上げます。

“AI changes everything”―― AIはすべてを変えます。2025年10月、米国ラスベガスで開催された「Oracle AI World」では、インフラ、データベース、アプリケーションの各層で比類ない価値をもたらすAIネイティブなソリューションをオラクルが提示し、AI革命の最前線に立っていることを、ご来場の皆様に実感していただきました。

会長 兼 CTOのラリー・エリソンは、AIの将来像、AIがビジネスと社会をいかに根本から変革しているか、そしてオラクルが今後もリーダーシップを発揮し続ける理由についてのビジョンを示しました。エリソンは、AIは「人類史上最大かつ最も急成長しているビジネスであり、いままさに新しい世界の幕が開こうとしている」と述べる一方で、「さらに大きな機会は、パブリック・データとプライベート・データの双方を活用し、これらの卓越した頭脳をAI推論に用いるときに訪れる」と強調しました。オラクルのAIデータベースには世界の高付加価値なプライベート・データの多くが蓄積されており、新たな「Oracle AI Database」と「Oracle AI Data Platform」は、データの所在を問わずプライバシーを維持したまま、プライベート・データに対する推論を可能にすると説明しました。さらに、医療や農業といったエコシステムの変革を通じて、オラクルのAIが世界有数の難題の解決に資していることにも言及しました。

オラクルは、インフラ(Oracle Cloud Infrastructure(OCI))、データ(Oracle AI Database/Oracle AI Data Platform)、アプリケーション(Oracle Fusion Applications/NetSuite)にわたるAIネイティブなアーキテクチャにより、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスを設計段階から組み込みつつ、企業のプライベート・データを厳格に保護し、エンドツーエンドで高度な推論と業務自動化を実現します。

2025年6月に始動した2026年度の日本オラクル事業戦略は、3年連続で「日本のためのクラウド提供」と「お客様のためのAI推進」の2方針を掲げています。本年はこの方針を一層強化し、生成AIとデータを核に業務の自動化と意思決定の高度化を加速させ、日本の企業・団体における基幹システムのモダナイゼーションとAIジャーニーを支援します。


AI時代に向け、益々重要となるのがITコスト構造の改革です。欧米と比べ、日本において顕著な傾向は、システム開発から運用までの総ITコストにおいて、人件費が大半を占める点です。この構造そのものが、お客様とそのパートナーのスキルを停滞させる要因であり、ひいては日本の競争力低下につながっていると考えています。
自動化・標準化を徹底し、運用負荷と人件費を大幅に削減したコスト構造改革を実現することで、IT部門が本来やるべき仕事に集中できる環境を作り、そこで捻出された原資をAIデータ・プラットフォームへの再投資に振り向ける。この循環こそが、持続的なAI投資と競争力強化の鍵だと考えます。

このコスト構造改革を実現する手法として、OCIの高可用性・高性能・高セキュリティを基礎に、基幹システムのクラウドリフトによるモダナイゼーションを推進し、自動化・標準化を行い、レジリエンスと業務継続性を最大化します。企業のお客様は、OCIを基盤に運用最適化とミッションクリティカル要件への対応を図りつつ、迅速な災害復旧体制の整備も可能です。

次に、データ基盤の“AIレディ化”を進めます。複雑なオンプレミスのレガシー環境に散在する重要なプライベート・データは、そのままでは活かせません。まずクラウド・モダナイゼーションで統合しやすいアーキテクチャへ刷新し、次にガバナンス、セキュリティ、データ品質、スケーラビリティー、可用性を備えたAIレディな仕組みを構築する。これが日本企業の現実に即した、成果につながるAIジャーニーです。

「Oracle AI Database 26ai」、「AI Data Platform」、AIエージェントを核に、需要予測、品質・保全、サプライチェーン、顧客対応、財務・人事の生産性を加速します。
ベクトル検索、グラフ分析、Apache Icebergへの迅速対応を通じて継続的に進化させます。複数の目的別データベースを組み合わせる手法が招き得る性能劣化やコスト増といった課題を回避し、OLTPおよびOLAPを単一エンジンで効率処理する強みを訴求します。

AIネイティブなSaaSである「Oracle Fusion Applications」および「Oracle NetSuite」の活用による基幹業務の刷新は、業務効率化、経営情報の可視化、迅速な意思決定に向けて広く導入が進んでいます。データとコンテキストを一元管理し、組み込まれた生成AI機能により、部分最適にとどまらないエンドツーエンドのAIエージェント展開が可能です。また、お客様・パートナー様は、ノーコードの開発基盤である「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」を活用し、AIを業務プロセスや日常業務にシームレスに組み込めるセキュアなAIエージェントを展開できます。中小・成長企業の”少ないリソースでより大きな成果”を実現するため、NetSuiteはAI・自動化を中核に、日次業務の効率化からデータドリブンな意思決定、迅速な導入と拡張、そして日本語を含む各種要件への対応まで一気通貫で支援します。

一方で、経済安全保障や地政学リスクへの対応も急務となっています。2026年はソブリンクラウドの本格普及元年となるでしょう。オラクルは、専用クラウド「Oracle Alloy」を活用し、データ主権・運用主権に対応するソブリンクラウドをパートナー様と共に提供します。ジャパン・オペレーション・センターによる国内体制の強化とパートナー様との連携により、お客様の固有要件に最適な運用モデルを実現します。さらに、ソブリンAIの本格構築を加速し、日本の法制度下での重要データ管理ニーズに、確かな選択肢でお応えします。

ランサムウェア対策として、被害直前の健全状態への迅速な復旧とデータ損失の最小化を実現し、レジリエンスを向上させます。
決算・会計や請求・受発注など日次トランザクションへの影響を抑えるため、データベース・バックアップの完全性・可用性を確保。隔離された改ざん不可バックアップ、運用分離、最小権限と監査で安全な復旧経路を整備し、基幹データベースの早期復旧を支援します。さらに、「Zero Data Loss Autonomous Recovery Service(ZRCV)」により、整合性を担保した復旧で手戻りを削減し、復旧の迅速化と損失抑制を実現します。

今後も、進化し続ける「Oracle AI Database」とクラウド・インフラストラクチャを基盤に、「Oracle Fusion Applications」、「Oracle NetSuite」、さらに業界特化型のAIアプリケーション・スイートを、One Oracleとして統合的に提供する体制を強化していきます。これらの強みを結集し、最先端のAI機能をお客様に迅速かつ安全にお届けしてまいります。

4月16日には「Oracle AI World Tour Tokyo」を開催し、AI搭載製品・テクノロジーの最新成果をご紹介します。

40周年でお寄せいただいた信頼を未来への責任へとつなげ、本年も「信頼されるAI・クラウド企業」として、皆様の変革と成長を全力で支援してまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
編集部おすすめ