これまで「アルツハイマーは脳の病気」「認知症は年齢とともに進むもの」と考えられてきました。
しかし近年では、アルツハイマー型認知症患者の脳内から歯周病菌が発見されるなど、「歯周病」と「認知症」の関連が強く示唆されています。
特に免疫力が低下し、乾燥によって口腔内環境が悪化しやすい「冬」は、歯周病菌が増殖しやすい季節です。
今回は、最新の研究結果を紐解きながら、なぜ歯周病ケアが脳の老化防止に直結するのかを解説。そして今日から実践できる具体的な口腔ケア習慣を提案します。
○「口の中の菌」が脳に侵入する? 驚きの研究報告
これまで「脳の病気」と「口の病気」は、まったく別のものだと考えられてきました。しかし近年、アルツハイマー型認知症で亡くなった方の脳を調べた研究で、歯周病菌の一種である「ポルフィロモナス・ジンジバリス」が検出されたとする報告があります。
また、マウスを用いた動物実験では、口の中に歯周病菌を感染させることで、アルツハイマー型認知症の原因物質と考えられている「アミロイドβ」が脳内に蓄積し、記憶力や学習能力が低下するといった結果が報告されています。
本来は口の中にしか存在しないはずの菌が、血液などを介して脳に到達し、炎症や組織へのダメージに関与している可能性が示唆されているのです。
○冬の「口の乾燥」が脳の健康を脅かす
冬は空気の乾燥で、唾液の分泌量も減少しやすくなります。さらに、寒さによる免疫力の低下も起こりやすい季節です。
唾液には口の中の細菌を洗い流す働きがあるため、口腔内が乾くと歯周病菌が増えやすい状態に。「免疫が落ちる」「乾燥によって菌が増えやすくなる」「脳が炎症の影響を受けやすくなる」――こうしたリスクが重なりやすい時期なのです。
○「歯の間」を放置しない
歯ブラシだけでは、歯と歯の間にたまった細菌のかたまりを十分に取り除くことはできません。
○「舌の掃除」で菌の温床を減らす
舌の表面に付着する白っぽい汚れは、細菌が集まったものです。舌専用のブラシなどでやさしくケアすることで、口腔内の細菌量を減らします。
○「こまめな水分補給」を意識する
水分補給は喉の渇きを潤すだけでなく、口の中を乾燥させないためにも重要です。口腔内が潤っている状態を保つことが、菌の増殖を抑えるひとつの防御策になります。
橋本将吉 はしもとまさよし 内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、口腔ケアタブレットをはじめとする健康製品を展開している。
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