「糖化は老化」という言葉の生みの親であり、「糖化ストレス研究」のパイオニアである八木雅之氏が、「老けない食べ方」の新常識を解説した『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識 糖化博士が教える若返り46のコツ』(著: 八木雅之/三笠書房)。この記事では、書籍から一部を抜粋して紹介します。


今回のテーマは『「そばのゆで汁+ゴボウ」で若返り鍋をつくろう』。

○「そばのゆで汁+ゴボウ」で若返り鍋をつくろう

麺類の中で、最も抗糖化作用を期待できるのは「そば」です。白ご飯やパン、うどんに比べて血糖値の下がり方が早く、体にやさしい炭水化物と言えます。

さらに注目したいのが、「ルチン」というポリフェノール。そばの殻に多く含まれ、AGEsの生成を抑える抗糖化作用があります。加えて、毛細血管を強くし、血流を改善する効果も知られています。「人は血管から老いる」といわれますが、ルチンは血管の老化にもブレーキをかけてくれるポリフェノールなのです。

ただし、注意したいのが「そば粉の割合」。市販のそばには、小麦粉が主成分で、そば粉の量は3割以下という「そば風うどん」のような商品も少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、そば粉100%の「十割そば」。うどんに比べて糖質が少なく、GI値も低いため、血糖値の急上昇を防ぎ、結果としてアルデヒドの過剰な発生を抑えることができます。

しかも十割そばは歯ごたえがあり、自然とよく噛むようになります。
しっかり咀嚼することで血糖値の上昇がさらに緩やかになり、食べ過ぎ防止にもつながります。

最近はスーパーやコンビニでも乾麺やチルド商品で十割そばが手に入りやすくなりました。十割そばがないときには、色の濃い「田舎そば」タイプがおすすめです。

なお、そばの中でも、抗糖化効果がとくに高いのが「韃靼そば」です。北海道、長野、青森などで栽培されていて、通常のそばの100倍以上のルチンを含む「機能性そば」。やや苦みがありますが、その苦みこそが、抗糖化パワーの証です。

ただしルチンは水に溶けやすく、ゆで汁に多くが流れ出ています。ざるそばを食べるときに「そば湯」を飲むのは、理に叶った「ルチン回収法」。抗糖化作用を意識するなら、そば湯も味わいましょう。そばに海老や鶏肉の天ぷら、玉子をトッピングすれば、黄金トリオのたんぱく質と脂質で、さらに血糖値の上がり方を小さくできます

鍋料理の際には、そばをシメにするのもおすすめ。そして、そばのゆで汁を鍋の汁に活用してみてください。
そばの香りとほんのりした苦みが、野菜や肉の旨味を引き立ててくれるだけでなく、ルチンを余すことなく摂取できます。

さらに、具材に選びたいのが、抗糖化力の高い野菜たち。春菊やネギといった香味野菜にはポリフェノールが豊富に含まれており、「若返り鍋」にぴったりです。

とくに、食べてほしいのが「芹」です。独特の香りは「オイゲノール」という成分によるもの。オイゲノールには、抗糖化、抗酸化、抗炎症、さらには抗糖尿病作用まで期待されています。

もう一つ、抗糖化作用がとくに高い野菜にゴボウがあります。

ゴボウは、抗糖化作用を示す目安「AG当量」が非常に高い食品です。AG当量とは、糖化を抑える医薬研究成分「アミノグアニジン」の作用と比較して、各食品の抗糖化力の目安を数値化したもの。アミノグアニジンはかつて糖尿病性腎症の治療薬として研究されましたが、副作用があることが判明し、実用化されていません。ただし、糖化抑制効果は多くの研究で検証されています。

AG当量は食品によって大きく差があります。
いくつか組み合わせて、AG当量がおおむね1日400以上になると、抗糖化作用を得られると計算されます。

この点においてもゴボウは優等生。鍋に入れる1人分(約40g)のゴボウで、2000ものAG当量が摂取できるのです。「若返り鍋」におすすめの食材です。
○抗糖化成分がたっぷり 最強の老化予防鍋!

材料(2人分)
鴨肉(皮付) 300g
白ネギ 100g
ゴボウ 80g
舞茸 100g
春菊 100g
絹ごし豆腐 150g
生そば 200g
そばのゆで汁 800g
きざみ海苔 4g
きざみねぎ 10g
柚子胡椒 4g
わさび(チューブ)  4g

○つくり方

1.鴨肉は 0.5cmくらいの厚さのそぎ切り、白ネギは 4cmのぶつ切り、ゴボウはささがきにし、水にさらしておく。春菊は3等分に切りわけ、舞茸や豆腐は食べやすい大きさに切る。

2.鴨肉はフライパンで油をひかずに弱火で油が出るまでじっくり焼く。

3.白ネギは強火で焼き色が軽くつくまでトースターで焼く。

4.鍋にそばのゆで汁を注いで温まったら、フライパンに出た油ごと鴨肉を入れ、豆腐と野菜、きのこを入れて具材に火が通ったらできあがり。お好みで柚子胡椒をつけよう。

5.シメのそばは、ゆでてから冷水でよく洗い、ザルにあげて鍋のつゆにつけて食べる。お好みで、きざみ海苔、きざみネギ、わさびなど薬味を入れよう。


※出典『同志社大学の"抗糖化レシピ"〈決定版〉』(監修 小椋真理、髙部稚子、八木雅之、米井嘉一。発行所 プラス・K)

○『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識 糖化博士が教える若返り46のコツ』(著: 八木雅之/三笠書房)

本書では、アルデヒド対策に唯一効果のある最強の食べ方を紹介します。ポイントは、「タンパク質 × 脂質 × 酸」。この3つを1食の中でそろえれば、アルデヒドの過剰発生を抑えて、老化を防ぐことにつながります。白ご飯、ラーメン、スイーツ、なんでも食べてOKです!食事を楽しみながら、若々しく、豊かに、人生を味わい尽くしましょう。

○八木雅之(やぎ・まさゆき)

同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター客員教授。農学博士。京都生まれ。京都工芸繊維大学繊維学部卒業、同大学院修士課程修了。1989年、京都府立大学大学院農学研究科博士課程修了。日本抗加齢医学会評議員、糖化ストレス研究会理事。
糖化アミノ酸分解酵素を用いたグリコヘモグロビン測定系や、抗糖化作用をもつハーブ素材の開発などに従事。
糖化ストレスに関する基礎研究から応用研究まで一貫して取り組む。2011年より現職。老化や生活習慣病の原因となる“糖化ストレス”の解明と対策に力を注ぎ、抗糖化素材や測定法の開発など、糖化研究の最前線を支える、日本を代表する第一人者。「糖化は老化」「糖化ストレス」「抗糖化」という言葉の生みの親。
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