マンションリサーチは1月30日、麻布、赤坂、青山、六本木の通称「3A+R」における、中古マンションの成約坪単価、面積帯別坪単価推移、2006年以降予想成約件数の割合を調査。近年「3A+R」の中でも六本木の人気が抜きんでている現象を分析した。


麻布、赤坂、青山、六本木からなる「3A+R」は、国際的な機能が集積する国内最上位の居住エリア。国内外の富裕層から強い需要があり、マンション価格は長期的に上昇している。2023年中盤までは各エリアが同水準で推移していたが、後半以降は他を圧倒し、六本木の坪単価が急騰。麻布台ヒルズが完成した麻布に対し、目立った大規模開発のない六本木が突出しているのが特徴で、市場構造の変化を示唆している。

3A+Rエリアでは面積が広いほど坪単価が高まる傾向が強く、特に80㎡以上の住戸は2020年の坪600万円前後から、現在は1,400万円前後へと2倍超に急騰した。福嶋氏は、「富裕層が利便性以上に広さや眺望、建物のブランド性を重視するようになったため」と推測している。エリア全体の平均価格は上昇しているが、実際には供給が限られる高グレードな広面積物件が上昇を牽引しており、需要の集中が価格形成の構造を変化させている。

3A+Rエリアでは、2006年築以降かつ80㎡以上の住戸の成約割合が増えている。そのような中、六本木のみが2024年中盤以降に急激な上昇を示しているが、この時期は六本木の坪単価が他エリアと比較して大きく高騰したタイミングと一致しており、両者には強い相関関係があると考えられる。六本木の価格上昇は地価の一様な上昇ではなく、高単価な築浅・広面積物件の取引が他エリアより著しく多かった結果であり、設備や希少性に優れた高額物件の取引集中が、市場全体の平均値を大きく押し上げる要因となっている。

また、六本木は世界的な知名度が高く、外国人投資家がステータスを直感的に理解できるため、投資判断が下されやすい。この認知の高さは再販時の流動性を担保し、投機資金を呼び込む要因となる。
特に円安下では外貨ベースの割安感から、国際市場でブランド力が抜きん出る六本木に資金が集中した。その結果「築浅かつ大型住戸」への投資・実需が重なり、他エリアを上回る坪単価の押し上げが起きていると考えられるという。

福嶋氏は、現在の六本木の価格高騰は居住価値の上昇ではなく、築浅・大型住戸への取引集中による数値の歪みと言えると語っている。都心市場には投機的側面もあり、実需とは異なる力学への注意が必要とのこと。

「本来のエリア評価は、利便性や文化、将来性など多層的な要素で判断すべき。麻布や青山、赤坂も中長期的な居住・資産価値は六本木に劣らない。目先の指標に一喜一憂せず、取引構造を読み解く慎重な視点こそが真の価値判断につながる」と指摘している。
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