資産10兆円超――S&P500連動型ファンドは、もはや"国民的投資先"となりました。一方で足元では、S&P500を超えるパフォーマンスを記録するファンドも存在します。
S&P500連動型を中心に据えつつ、上乗せ効果が期待できるファンドを取り上げました。
○根強い人気のS&P500連動型ファンド

近年はオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の人気が高く、資産運用をオルカンでスタートする方やオルカン一本で資産運用する方もいます。オルカンは全世界の株式に投資するファンドで、更に良好なパフォーマンスを維持しており、資産運用先として優れています。

一方、米国のS&P500連動型のファンドも人気です。オルカンは全世界に投資するファンドですが、S&P500連動型のファンドは米国株特化による運用となります。ただしオルカンも米国株の比率が約6割あり、米国株のパフォーマンスに大きく左右されると言えるでしょう。
○S&P500の特徴について

米国には多くの株価指数があるため、改めてS&P500の特徴を確認してみましょう。S&P500(Standard & Poor's 500 Stock Index)は米国の大手企業約500社の時価総額をもとに算出される株価指数です。約500社と企業数が多いこと、高い時価総額の銘柄が中心であることなどが特徴です。

米国の株価指数で耳にする機会の多いダウ平均は30銘柄の株価を元に算出されており、銘柄数が少なく特定の銘柄の値動きの影響を受けやすい指数です。また成長株中心のナスダック総合指数はナスダック市場に上場する全銘柄が対象であり、景気変動の影響を受けやすい点が特徴です。

S&P500は米国株価指数の中でも比較的安定し、米国の株式市場全体を反映しやすい指数と位置付けられています。

○S&P500を超えるパフォーマンスのファンドをピックアップ

S&P500連動型のファンドは米国の株式市場全体を反映する傾向にあるため、資産運用の柱的存在として活用されるケースが多いです。同ファンドのパフォーマンスは以下となっています(数字は2月9日時点)。

○(NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信

国内REIT指数連動型のETFです。3年・5年のパフォーマンスは今ひとつですが、1年ではS&P500を上回るパフォーマンスとなっています。
○三菱UFJ純金ファンド

国内の金価格との連動を目的とするファンドで、国内金ETFへの投資が中心です。パフォーマンスはいずれもS&P500連動型を超えています。
○三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド

中国国内で事業を展開する、競争力の強い企業に中長期的な視点で投資を行うファンドです。中国経済は停滞のイメージがあるものの、1年のパフォーマンスはS&P500連動型を上回ります。
○HSBC インド・インフラ株式オープン

インドの証券取引所に上場する道路・鉄道・港湾などインド国内のインフラ関連企業に投資するファンド。1年のパフォーマンスは今ひとつですが、5年ではS&P500連動型を上回るパフォーマンスです。
○SBI 欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)

配当利回りに着目し、高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得によるトータルリターンを求め、欧州株式に投資するファンドです。まだ運用期間は短いものの、1年ではS&P500連動型を上回るパフォーマンスです。

○ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月)H無

高い成長が期待される世界のバイオ医薬品関連企業の株式に投資するファンドです。米国株式市場は大手IT銘柄の影響力が高いため、一部資金でバイオ関連に投資する選択肢が考えられます。
○MAXIS トピックス上場投信

日本のTOPIXに連動を目指す上場投資信託で、1年のパフォーマンスはS&P500連動型を上回るパフォーマンスです。国内型のファンドでも一時的ならS&P500を上回るパフォーマンスを出せる、という事例となります。
○意図しない米国株集中投資にご注意を

eMAXIS Slim米国株式の資産額は約10兆円であり、約9兆円のオルカンを上回っています。S&P500連動型のファンドは、資産運用の柱的存在として認知されていると言えるでしょう。

ただしS&P500連動型ファンドとオルカンを組み合わせると、米国株集中投資となります。様々なファンドを組み合わせた結果、意図せず米国に集中投資する形となることもあるので注意が必要です。

S&P500連動型のファンドにプラスの投資をする際、今回の記事を参考にしてはいかがでしょうか。

石井僚一 いしいりょういち 金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社の勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式市場や為替市場に関連する記事の執筆を得意としている。
資産運用記事やインタビュー記事も執筆中。第一種証券外務員資格保有。 この著者の記事一覧はこちら
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