十六銀行などがAIによる住宅ローン審査システムを導入。従来は数日かかっていた審査が、リアルタイム化されつつある状況です。
このテクノロジーの進化が審査にもたらす変化、申込者が取るべき対策を解説します。

住宅ローンのAI審査システムとは?

三菱総合研究所(MRI)は十六銀行に対し、AI審査システムを提供すると発表しました。
○わずか平均0.7秒

AIモデルを導入する取り組みは2026年1月から開始。住宅ローンでは80%の案件審査の自動化が見込める結果となりました。

審査AIシステムの平均応答時間は0.7秒以内を記録し、これまで以上にスピーディーな審査回答が実現すると予測されます。
○審査業務のDXを支援

これまで人間(審査官)が行っていた融資可否の判断について、AIモデルが学習。金融機関のローン審査システムと連携させることで、審査業務の自動化・DXを促進します。

人間の審査を介さず、自動かつリアルタイムでの承認回答が可能になります。このため、申し込み途中で顧客が離脱するリスクの抑制効果も期待されます。
○不動産取引も高速化が進む

これまでの不動産取引では、住宅ローンの事前審査を通しているかどうかが、売主に対する信頼性の証でした。しかし、AI審査の導入により、スマートフォンから数分で審査結果が届く時代になりつつあります。

三菱総合研究所が提供するAIモデルは、人間が行ってきた審査パターンを学習し、80%の案件を自動承認します。


これにより、優良な中古マンションが現れた瞬間に「その場で審査を通し、即座に満額回答の買付を入れる」というスピード勝負も可能です。
人間の目より厳しい? AIが判断する「個人の与信」の新基準と対策

住宅ローン利用者は、”現金買い層”と比べて当然ですが買付までにスピードで劣る傾向があります。このため、どの銀行がAI審査を導入しているか、どのような対策をすべきか把握することは、2026年以降の家探しにおいて必須のリテラシーになると考えられます。

ここからは、具体的な対策方法を解説していきます。
○信用情報のクリーン化

まず最優先に行っておきたいのは、個人の信用情報をきれいにしておくことです。クレジットカードやローンなどの借り入れ・返済状況は、信用情報機関に記録されています。

信用情報に問題がある場合、AIが即座に「否認」する可能性が高くなりますので、以下の項目を確認し、解消しておきましょう。

クレジットカードやローンの「うっかり未払い」
他社借り入れ状況の整理および解約

教育ローンやマイカーローンなど、なるべく完済しておくことをおすすめします。完済は無理でも、できるだけ多く返済して、返済比率を高めておきましょう。
○申し込みデータの正確な入力

AI審査では入力されたデータの不整合を検知し、否決や要再審査と判定する場合があります。勤務先名・勤続年数・年収などを正確に入力するため、源泉徴収票などの書類を手元に用意して入力しましょう。
○スコアリングの向上

スコアリングとは、申込者の属性などの情報を点数にして評価することです。
審査がAIになることで、より「数値」を重視するようになると考えられます。

このため、高いスコアを得られるように情報を「磨く」ことが対策になります。すぐには対応できないものですが、具体的には次のとおりです。

年収アップをする
勤続年数を3年以上にする
正社員あるいは公務員になる

勤続年数は長いほうが評価されるため、転職したばかりで申し込むと不利になります。ただし、同業種・同職種の転職であれば、大きな問題とはならないかもしれません。
○事前診断の活用

みずほ銀行など、一部の銀行ではAIによる事前診断サービスを提供しています。多くの場合は無料で利用できるため、借り入れ可能な額の目安を知りたい場合に利用するとよいでしょう。

公式ホームページから情報を入力すると、数分程度で回答が返ってきます。
他の銀行でもAI審査の導入は進んでいる

十六銀行以外にも、ソニー銀行や三菱UFJ銀行など、住宅ローン審査にAIを導入する銀行は増えています。今後は人による「情状酌量」が通用しにくくなると考えられるため、信用情報や属性情報などがますます重要です。

AI審査で有利になるために、クレジットカードやローンの返済遅延はゼロにし、年収や勤続年数などのスコアを高めていきましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。
多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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