2026年度税制改正では、「災害レッドゾーン」内での住宅新築などが、住宅ローン控除の対象外となる措置が盛り込まれました。これまで「立地の希少性」で評価されていた土地が、制度によって突然「負動産」化するリスクも……。
そこで、「災害レッドゾーン」とは何か、住宅ローンに与える影響や対策について解説します。
崖付近は対象外!? 住宅ローン控除から「排除」されるエリアとは

2026年度の税制改正で、「土砂災害特別警戒区域」に関する措置が盛り込まれました。「災害レッドゾーン」とも呼ばれるこの地域での住宅新築などは、住宅ローン控除の対象外となります。

○土砂災害警戒区域とは

傾斜地の崩壊などが発生した場合、住民の命や身体に危険が生じるおそれがあると認められる区域のことです。具体的には、がけ崩れ・地すべり・土石流が発生した場合のリスクが大きい区域として、都道府県が指定しています。
○警戒区域には2種類ある

土砂災害警戒区域には、「イエロー」と「レッド」の2種類があります。イエローは生命・身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域です。

「レッド」は「特別警戒区域」を指し、イエローよりも危険と判断される地域です。生命・身体に著しい危害が生じるおそれがあることを意味します。
○レッドゾーンは控除対象外になる

2026年以降、気を付けるべきはレッドゾーンです。レッドゾーンに新築される住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となる方針で進められています。

該当するエリアで新築住宅を購入すると、数百万円単位の税金控除を受けられなくなる可能性があります。
一方で、既存住宅の購入および建て替えについては、例外とされる見込みです。
レッドゾーン内の土地を買うことの長期的リスク

住宅ローン控除の対象外となること以外にも、レッドゾーンの土地には次のようなリスクがあります。
○資産価値の下落と売却の難しさ

土砂や津波などの災害リスクが高いとの判断から、地価が安く設定されます。再販するときも価格下落リスクは高いです。

大多数の方は、安全な場所に住みたいと考えます。レッドソーンはハザードマップで明示され、将来的に売りたくても買い手が見つからず、負の遺産となるリスクがあります。
○高額な費用や再建築の制限

もしレッドゾーンに居室のある建物を建てる場合、土砂災害の衝撃に耐えられるような構造にすることが必要です。鉄筋コンクリートなどを用いるため、建築費用が通常より高額になる可能性があります。

将来的な家の建て替え時に、許可が必要となるケース、厳しい条件が課せられるケースも考えられます。最悪の場合、建て替えは事実上できなくなるかもしれません。
「災害レッドゾーン」のリスクに対抗するには

これまで解説してきたリスクへの対策について、簡単にまとめます。
○土砂災害警戒区域を調べる

住宅ローンをこれから組むことを検討している方は、まず必ず「災害レッドゾーン」に指定されていないかを確認しましょう。
各都道府県や市町村が公開している「土砂災害ハザードマップ」や「防災マップ」で確認可能です。
○自治体や不動産会社に確認する

自分で情報を調べるだけでは、見逃してしまうかもしれません。ハザードマップを確認するだけではなく、自治体の担当窓口や不動産会社に確認してもらうことがおすすめです。
今後の動向に注目しよう

住宅ローン控除から対象外とする施策については、現在仕組みが整備されており、最終的な制度はまだ決まっていません。どのような地域が対象外となるか、今後の動向も注目されます。

また、住宅ローン控除以外にも、災害レッドゾーンやイエローゾーンにはさまざまなリスクがあります。できるだけ災害に遭わないように考え、ハード面・ソフト面で対策を考えておきましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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