福間香奈女流五冠のプロ入りを懸けた棋士編入試験は、第2局となる片山史龍四段戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、福間女流五冠得意の中飛車を、安定感ある指し回しで攻略した片山四段が115手で勝利。
○試験官の堂々たる指し回し
棋士編入試験は新四段5人と対局を行い、うち3勝を挙げればフリークラスへの編入が認められるもの。第1局で福間女流五冠は山下数毅四段の力強い指し回しを前に惜しくも敗れました。後手番で迎えた本局で福間女流五冠は趣向を披露。9筋の位を取って玉側の広さを主張したのがそれで、持久戦になればともに力が出せる展開と見ています。
力戦調の後手番中飛車を見た片山四段は、冷静な指し回しでリードを奪います。自玉を左美濃に収めたのち角交換を挑んだのが自陣の堅さを生かす構想。しびれを切らした福間女流五冠が角を打ち込んで打開を図ったとき、割り打ちの要領で飛車金両取りの角打ちが決まりました。飛車を失った後手は二枚角という限られた攻め駒で暴れていくよりありません。
○挑戦者に苦しい一局に
福間女流五冠に苦しい小考が続きます。一段金で自陣への飛車の打ち込みを消してから敵陣に角を打ち込んだのは実戦的な粘り方ですが、ここで片山四段に決め手が出ました。飛車を見捨てて桂を取ったのが格言「終盤は駒の損得より速度」を地で行くスピード感で、一足先に王手をかければ金銀がバラバラに配置されている後手陣はひとたまりもありません。
終局時刻は16時48分、最後は自玉の詰みを認めた福間女流五冠が投了。「居飛車陣の堅さ対振り飛車陣の広さ」という構図になった本局は、振り飛車の攻め急ぎに乗じてリードを奪い、危なげなく着地を決めた片山四段の総合力が光る快勝譜となりました。敗れた福間女流五冠は「角交換してもあまり思わしくなかった。集中して次に挑めたら」と語りました。
生垣寛人四段を試験官に迎えて指される注目の第3局は、3月27日(金)に関西将棋会館で行われます。
水留啓(将棋情報局)
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