「塩分を控えましょう」と言われても何から始めればいいかわからない、という声をよく耳にします。

循環器内科医の後平先生は、「完璧な減塩」ではなく「続けられる小さな工夫」が大切だと強調します。
先生ご自身が普段の食事で実践している具体的な方法について伺いました。

今回のテーマは「心臓を守る食事の整え方」です。
今日から始められる減塩のコツ

後平先生が毎日の食事で最も意識しているのは、減塩と脂質の摂り方です。日本の高血圧や循環器のガイドラインでは、心臓病予防の基本として減塩が強調されており、目安は1日6g未満とされています。

ただし、完璧を目指す必要はありません。先生ご自身も実践しているのは、ラーメンのスープを残す、汁物を1日1杯までにする、加工食品の頻度を減らす、しょうゆはかけるよりつけるといった小さな習慣です。「こうした工夫の積み重ねで、血圧は確実に変わります」と後平先生は語ります。
「脂をとってはいけない」は誤解

脂質についても誤解されがちなポイントがあります。「脂をとってはいけない」のではなく、大切なのは脂の種類を選ぶことです。

揚げ物や菓子類に多い飽和脂肪酸は控えめに。その代わりに、魚や大豆、ナッツ、オリーブ油などの不飽和脂肪酸を選ぶことが推奨されます。これらは動脈硬化を進めにくい脂で、脂質異常症や心臓病の予防につながることが多くの研究で示されています。

現実的で長続きする食事のルールを

食べる時間帯も重要です。夜遅い食事や常に何かを食べている習慣は、体重や血糖を乱しやすくなります。

後平先生が実践しているのは、「夜は軽め」「間食は回数を決める」といったシンプルなルールです。こうした緩やかな意識づけが、現実的で長続きするポイントです。

減塩専用のレシピや特別なメニューを用意する必要はありません。いつもの食事の中で少しだけ工夫する習慣が、数年後の心臓を守ります。

○後平泰信(ごひら やすのぶ)

循環器内科医。徳洲会グループで初期・後期研修を経て循環器内科に従事し、札幌東徳洲会病院では医長、部長を歴任。あわせて睡眠・無呼吸・遠隔医療センター長として、睡眠医療と遠隔医療の診療体制づくりにも携わる。現在は医療法人徳洲会 札幌もいわ徳洲会病院 病院長。専門は循環器内科を軸に、睡眠全般・睡眠時無呼吸症候群、内科診療、スポーツ医学、遠隔医療、地域医療など幅広い領域で臨床と医療連携に取り組む。

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