マンションリサーチは2月20日、同社のデータ事業開発室 不動産データ分析責任者である福嶋真司氏が予測した「首都圏マンション市場の変容と、2026年の住宅ローン金利動向」について発表した。
2025年12月、日銀の政策金利は0.75%まで引き上げられた。
現在、日本は明確なインフレ局面にあり、実質賃金はマイナス圏に沈んでいる。金利が上昇すれば、物価高と所得減に借入コスト増が重なる三重苦の状況になるため、住宅需要は冷え込むはずだが、首都圏の中古マンション価格は一律の下落には至っていない。東京都では右肩上がり、神奈川、埼玉、千葉の三県では横ばいが続く。エリアや価格帯によって影響が二極化している。
東京都では1.5億円を境に明確な変化が生じた。1.5億円以上の高額帯では販売日数の増加や値下げが目立ち、投資マネーや高所得実需層の動きが鈍化している。一方、1.5億円未満のゾーンでは、高額帯から流入した需要により流動性がむしろ高まった。
三県でも同様に、築浅・高価格物件から築古・価格抑制型物件へと需要がシフトしており、金利上昇は需要の消滅ではなく「価格帯の再編」を引き起こしていると考えられるという。
福嶋氏は今後の焦点として、「2026年に実質賃金がプラスに転じるか」を挙げている。所得改善が金利上昇を吸収できれば、市場は価格下落ではなく「物件選別」へ移行する可能性があるが、実需を超えて高騰したエリアや投資色の強い物件は、今後価格調整が顕在化する可能性が高いという。
住宅ローン金利の動向については、種類ごとに異なる動きを見せている。変動金利は2026年1月時点で前年比では上昇しているものの、月次では横ばいで推移した。今後の注目ポイントは、大手行が政策金利の上昇分をいつ転嫁するかであるという。
10年固定金利は国債利回りの上昇を受け、観測対象の全行が引き上げを実施した。多くが2%を超え、上昇トレンドは加速している。
全期間固定金利も3か月連続の上昇となり、3%台に到達した。超長期国債の利回り上昇を背景に、フラット35を含む全機関で一段と厳しい状況が続いている。
結論として福嶋氏は、「金利上昇が直ちに市場全体の崩壊を招くわけではない。需要は可処分所得に適したゾーンへ移動しており、今後は「価格だけが先行した市場」から局所的な調整が始まる」と予測している。
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