米Discordは2月24日(現地時間)、「グローバル年齢保証(Age Assurance)」プロセスの展開を、当初予定していた2026年3月から、2026年後半へ延期すると発表した。共同創設者兼CTO(最高技術責任者)のスタニスラフ・ヴィシュネフスキー氏は公式ブログで、導入の意図や仕組みに関する説明が不十分であったと認め、方針の再整理と透明性の向上を図ると表明した。


グローバル年齢保証は、成人の利用体験を大きく変えずに、未成年に不適切なコンテンツや設定が届きにくい環境を整備する施策である。しかし、2月9日の発表後、一部で「全ユーザーに年齢確認のための顔スキャンや身分証明書のアップロードが義務付けられる」との受け止めが広がった。ヴィシュネフスキー氏によれば、実際には全ユーザーの90%以上が、従来通り追加の年齢確認手続きを行うことなくサービスを利用できる見通しである。

年齢推定に用いる情報は、アカウント作成からの経過期間、支払い手段の登録状況、参加サーバーの傾向、行動パターンなどのアカウント単位のデータである。メッセージ内容や投稿内容を解析することはないとしている。

追加の年齢確認が必要となるのは、主に年齢制限付きコンテンツへのアクセスを希望する場合や、未成年向けの初期安全設定を変更しようとする場合であり、自動判定で成人と確認できないケースが対象となる。また、英国やオーストラリアなど、年齢確認を法令で義務付けている国・地域では、顔による年齢推定や身分証確認など、法令に沿った手法が求められる。

今回の延期については、プロセスの説明不足に加え、外部の本人確認事業者との提携を巡る懸念も背景にあると一部海外メディアが報じている。提携先の一つとされたPersonaに関して、同社の技術基盤や機能を巡り、監視用途に転用され得るのではないかとの指摘が研究者らから出ていた。

Discordは2026年後半のグローバル展開に向け、次の改善策を示した。

確認手段の拡充: 顔スキャンや身分証提示に加え、クレジットカードによる確認など複数の選択肢を整備する。
ベンダーの透明化: 提携する調査会社の名称とデータ取り扱い方針を公式サイトで公開する。

オンデバイス処理の義務化: 顔写真を用いた年齢推定を行う場合、個人データが端末外に送信されない方式を採用する。
Spoiler(ネタバレ)チャンネルの新設:成人向けコンテンツ以外にも、重い話題やネタバレ、政治の話題に年齢制限機能が使われている実態を踏まえ、年齢確認を必要としない新しいチャンネルオプションを構築する。
透明性レポートの強化: 自動判定の運用状況や、確認を求められた利用者数などの統計情報を公表する。
編集部おすすめ