いまの場所にたどり着くまでに、どんな選択肢があったのか――。この連載では、道を切り開き始めた次代のお笑い芸人に、これまで歩んできた人生における決断と、その先に見据える未来について聞いていく。
本稿で話を聞いたのは、お笑いコンビ カゲヤマ。ともに東京都練馬区出身のNSC東京校14期生で、タバやん。は1985年7月15日生まれ、益田康平さんは1985年8月19日生まれ。中学校の同級生で2009年にコンビを結成し、2023年のキングオブコントでは準優勝に輝いている。単独ライブが開催される会場である、YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERにて話を聞いた。
有名企業の内定を蹴って「お笑い」という勝負の道へ
――お笑い芸人を目指したきっかけについて教えて下さい。
タバやん。さん(以下、敬称略):子どもの頃からお笑いが好きで、ずっとお笑い芸人になりたかったんです。小学生の頃はザ・ドリフターズ、そして加トちゃんケンちゃんの番組をよく見ていて、志村けんさんが大好きでした。高校生になってからは『爆笑オンエアバトル』を見ていたし、その頃にM-1グランプリもはじまりました。
益田さん(以下、敬称略):ボクは、お笑い番組はそれほど見ていませんでした。
タバやん。:ボクたちは社会人になっても、中学校のサッカー部の仲間で集まってサッカーをやっていたんですね。益田ともずっと仲が良かったので、お笑い芸人を目指さないか、と声をかけました。すぐには良い返事をもらえなかったので、ことあるごとに「どうかな」「どうかな」って、ずっと誘ってましたね。粘り勝ちです。
益田:サッカーもそうなんですが、ボクとしては勝負の世界に身を置きたいという思いがありました。ただ、タバやん。とお笑いライブを見に行ったときに、芸人たちがランキングされているのを見て「これ上のほうの順位で発表されたら絶対に気持ち良いだろうな、脳汁が出るだろうな」と思った瞬間があって。あとから考えると、あの経験もお笑いの道を選んだ理由のひとつになっているのかも知れません。
――お笑い芸人以外の選択肢も考えましたか?
タバやん。:ボクは工業高校を卒業して、1度は就職したんです。でもお笑い芸人はずっとやりたくて。だから「社会経験を積むために就職してみた」という感じだったのかも知れません。
益田:ボクはずっと「サッカー選手になりたい」と思っていたんです。幼稚園の頃からサッカーボールを蹴っていたし、中学校のチームも東京都でベスト4に入るような強豪でした。そこでタバやん。と出会うんです。まぁ、ボクもタバやん。もスタメンに入れず、ずっとベンチでしたけど(笑)。
高校卒業後は法政大学に入学したんですが、サッカー部は少数精鋭、といった感じで。ひと学年に10人くらいしか入部できないそうで、メンバーは全国大会に出場した人、ユース出身の人、といったエリートばかり。
そのあとで監督から「キミの実力じゃ無理だ」って言われるんですが、その期間でサッカーがめちゃくちゃ上手くなったのは事実です。就活では有名な企業から内定をもらったんですが、タバやん。から誘われて結局NSCに入りました。
――お笑い芸人になることに、ご家族は反対しましたか?
益田:親はめちゃくちゃ反対しました。ただ、広告代理店で働いていた父親が独立した時期とちょうど重なったんですね。「オレも50になって個人事業主になったから、お前も頑張れ」みたいな感じで許されたところはあります。
タバやん。:そうなんだ、それはボクも初めて知りました。ボクがお笑いの道に誘っちゃってこうなったから、うちの母親がメロンを持って益田の家に謝りに行った、というのは知ってます(笑)。
益田:実家に住んでいるので、その後も「いつまで続けるんだ」みたいなことは、ちょいちょい言われてきました。30を超えてろくに稼げず、ずっと日雇いのアルバイトを続けてきたので。ただ実家の空き部屋に同期の芸人が住むようになってからは、親も感覚が麻痺してきたようです。相席スタートの山添寛、ドンデコルテの渡辺銀次を見て「あぁ、うちの息子だけじゃないんだ」って安心したというか(笑)。
タバやん。:うちは「自分の人生なんだから18を過ぎたら好きなことをやれ」という親でした。お笑い芸人という選択に対しても応援してくれています。
――これまで、芸人を辞めたいと思ったことは?
タバやん。:辞めたいと思ったことはないですね。もうずっと部活の延長というか、楽しいことが永遠に続いている感じです。でも35歳くらいだったかな、「楽しいことをやり続けたい」みたいな話題になった際に、益田に「この歳になったら、もう楽しいだけじゃダメなんだよ」と厳しめに言われちゃって。そのときは「そうなんだ、楽しいだけじゃダメな年齢になったんだ」と気付かされました(笑)。
益田:言った記憶はあります(笑)。当時は賞レースで結果が出る前で、「このままで良いのか」みたいな状況だったんだろうと思います。
――迷ったときの選択肢で、大事にしていることは?
タバやん。:ネタで迷ったら益田に相談します。自分のことであれば「楽しいほう」を選択したいんですが、まぁ芸人を続けていると、辛かったこともそのうちネタとして話せるときが来るし…。そう考えると、お笑いって良い職業かも知れないですね。
益田:ボクは、やっぱり直感ですね。あまり人には聞かないです。
タバやん。:益田って、こう見えて頭が切れるんですよ。計算高いと言うか(笑)。「こっちの方が良いんじゃない?」って提案しても、「いや、こっちの方が得だぞ」みたいに言ってくることがよくあって。
――相方の良いところを挙げるとしたら?
タバやん。:益田って、ちょっと上の学年の先輩、お兄さんたちに好かれる性格なんですよ。サッカー部のときからそうでした。相手がずっと年上の大人だと嫌われる性格なんですが(笑)、近しい先輩には好かれる。人に好かれるので「良いな」と思うことがあります。昔から気が合うし、一緒にいて楽しいし、相方になってくれて良かったと思います。
益田:相方の良いところですか、そうですね…
タバやん。:優しい、だろ…
益田:ささやくな(笑)。ささやき女将か(笑)。でも本当のことを話すと、タバやん。のほかにNSCに誘ってくれた人が2人もいるんですよ、ノリかも知れないけど。バイト先の仲間です。でも、イチバン本気だったのがタバやん。でした。
タバやん。:誰? あぁ、バイト先の。全然、勝てますね、安心した(笑)。
――実際にお笑い芸人になってみて、そこは想像していた通りの世界でしたか?
益田:いえ、知らないことばかりでした。お笑い芸人になったら、『エンタの神様』、『爆笑レッドカーペット』など、テレビのネタ番組に出て売れていくのかな、と思ってました。賞レースについても詳しく知らなかったし、そもそもキングオブコントができたのもボクらがNSCに入った頃(2008年)だったし。
タバやん。:思ってた世界とは違いましたね。劇場とかルミネとか、お笑いの営業とか、そんなのはマジで知らなかった。ボクらの頃は情報が何もなかったし、テレビの華やかな側面しか頭にありませんでした。最近の大学お笑いサークルの人とか、情報がある時代に生まれて羨ましいですよね。
賞レースに救われたお笑い人生
――2人にとって、賞レースはどんな位置づけですか?
タバやん。:賞レースで結果が出たおかげで、現在の自分たちがあります。本当に感謝しかないです。2022年のM-1で準決勝に出て、2023年のキングオブコントで準優勝できて。それまで2人ともバイト生活だったので、本当に賞レースに救われました。
益田:純粋に、勝負が楽しい、ということもあります。1回戦でも勝てたらめっちゃ脳汁が出ますし、堪らないです。
タバやん。:キングオブコント決勝で、サルゴリラさんと戦ったときは脳汁がすごかった(笑)。M-1もキングオブコントも、ボクたちは出られる賞レースには必ず参加してきました。
益田:でも簡単には上がれないだろうな、とも思ってました。ロバートさん、ジャルジャルさんたちが出ていた時代を見てきたので。芸歴が10年目になる頃でしょうか、周りの芸人が賞レースで結果を残しはじめたのを見て「ようやくオレたちの世代が売れはじめたか」と思いました。
――賞レースにかけるネタは、すぐに決まるものですか?
タバやん。:キングオブコントの2本目のネタをどうするか、についてはめっちゃ話し合いました。候補は2本あって、準決勝まで少し時間があったので、それまでに仕上がればそっちを持っていく、ダメだったら仕上がっている方を持っていく、という感じで。
益田:まだ1か月あったので、どれだけ形になるか、という状態で。そのネタは劇場で15回くらいかけて仕上げました。正直なところ、いい感じでウケたのは2回くらいしかなかったんですよ。
タバやん。:あのネタは賞レースでしかウケないネタだったから。
益田:一見さんにはウケない、寄席っぽくない内容でした。でも普段はボクらのやるネタに厳しい同期が笑ってくれたので、それで自信をつけました。ダイタクとか、ネルソンズとか、山添とか、和田まんじゅうとか、いつもは鬼みたいなことを言うんです。すぐに「あのネタ、面白くない」って。でもそのネタは、うるさい同期が全員「面白い」って言ってくれたんですよね。
タバやん。:あのとき、もう片方のネタで挑んでいたら、どうなったか? こればかりは分からないんですが、ただニッポンの社長の辻くんは「あっちのネタだったら優勝してました」と言ってくれました(笑)。辻くんは本当に優しいんで、ボクは辻一派です。
益田:向こうの方が後輩だけどな(笑)。
タバやん。:辻くんは「カゲヤマさん、大阪でやってたら天下を獲れましたよ」「大阪の笑いっす」とか言ってくれるんで(笑)。
――普段は、どうやってネタをつくっていますか?
タバやん。:日常生活でこんなことがあった、これ面白くできそうだ、という題材を2人で持ち寄って揉んでいくパターンが多いですね。だから、ネタをひねり出す、という感じではないです。2人でめっちゃ盛り上がった題材がネタに発展する、という感じです。
――YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERでは2月28日に単独ライブ『解放』を開催します。タイトルを「解放」にした理由は?
タバやん。:本当なら、昨年(2025年)のキングオブコントで結果を出して、賞レースからの「解放」、といきたかったんですが、準々決勝進出で止まっちゃいました。そこで、こじつけなんですが「蛹(さなぎ)の状態から殻を破って蝶々になる」という意味の解放としています。ボクたち、蝶々になります。準備も順調です。あとは、ネタを作るだけ(笑)。
益田:ライブのテーマ、流れは出来たので、あとはネタを書かないと(笑)。ネタを書くのが大変なんでしょ、と思うかも知れませんが、でもアイデアを出すまでがひと苦労なので、峠は越えたイメージです。
タバやん。:客席を埋めたいので、あとちょっとの期間ですが頑張ろうと思います。
益田:YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERは、めっちゃくちゃ良い劇場です。椅子も座りやすいですし、新しい綺麗なとこなので、そこでボクらのネタを見てもらえたら。
タバやん。:生は、迫力が違いますよ。ボクらは、皆さんの想像している以上に身体もでかいし、声もでかいんです。ぜひ、生で見に来てください。もし推しにしてくれたら、ボクらはめちゃくちゃ優しくします。こちらは受け入れ態勢が出来ていますので、ハマりに来てもらえたら嬉しいです。
――仲の良さに加えて、お互いをリスペクトする姿勢も感じられたインタビューでした。お忙しいなか、ありがとうございました。
取材:葉山澪
構成/撮影: 近藤謙太郎
カゲヤマ単独ライブ「解放」 ※会場チケット完売
【配信日時】2026年2月28日(土) 配信開始19:30 配信終了予定21:00
※販売は3月7日(土)12:00まで
※見逃し配信期間は3月7日(土)23:59まで
【会場】YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER
【出演者】カゲヤマ
タモンズ(MC)、きっと君はくるさ・カルビ
【料金】配信:一般 2,500円/オンラインサロン 500円
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