●「いや、まてよ。これ大変だぞ」
お笑いトリオ・東京03角田晃広が出演するUber Eatsの新CM。
セリフは、たった一言「え?」だが、その一言に込められたのは、戸惑い、驚き、困惑、そして時代に取り残されたような不安まで、あらゆる感情だった。

芸人として全国を巡り続けながら、俳優としても存在感を放つ角田。その原点にあるのは、東京03のコントで培われた“素の延長線上にある演技”だった。芸人と俳優、その境界を意識しない理由、そして「今が一番いい」と語る現在地とは――。

○最後の最後だけは想定も…

――まさに撮影を終えられたばかりですが、「え?」の一言だけで全ての感情をリアクションするというのはいかがでしたか?

とても難しかったです…!

――でも「え?」のバリエーションもきっとたくさんお持ちなので。

いやいやいや…。一瞬、覚えるセリフが1個だけだっていう意味では、楽かなとも思ったんですけど、同時に「いや、まてよ。これ大変だぞ」みたいな思いがよぎりましたね。

――最初に絵コンテをご覧になった時、どうやってイメージを膨らませたのですか?

これ、あんまりイメージするとよくないんじゃないかなという気がして、なんとなく「え?」のパターンがいっぱいなんだなっていうのだけで撮影に臨みました。

――では、割とふわっと。

そうですね。そうしないと、実際の場所を見て「あれ? なんか想像してたのと違うな」みたいな感じになってしまいそうで…。


――実際の現場はどうでしたか?

最後の最後で一番大きく「え~~~?」ってリアクションするところだけは、ある程度自分のなかで想定してから現場に行ったんですよ。

――あらかじめ、リアクションの大きさを。

そうそう。そうだったんですが、唯一想定したところが違いました(笑)

――どう違いましたか?

監督から「そこはそんな声張らない」「もうちょっと声のトーンを下げて下げて!」って言われてしまって。もう大失敗しました(笑)

――唯一準備したところが…。

はい。だから、あまり想定しすぎずフラットに臨んだ方が賢明だと改めて悟りました。

○リアルにやっぱり「Uber Eats で、いーんじゃない?」

――普段、Uber Eatsはどんな時に利用されていますか?

僕も妻も両方とも忙しいタイミングの時とかですよね。まさに中尾明慶さん・仲里依紗さんご夫婦がやられているCMシリーズの通りですよ。

――なるほど(笑)

リアルにやっぱり「Uber Eats で、いーんじゃない?」って言うんだなと。今回のCMはそのセリフがないですけど。

――Uber Eatsがなかった時代と比較すると、「便利になったな」と感じますよね。


今までの出前って、ピザとかに限られていたじゃないですか。それが何でも家に持って来てくれるっていう意味では、利用する際のハードルも下がりますよね。作ろうと思えば作れそうだけど、やっぱり「Uber Eats で、いーんじゃない?」って。外食するより楽ですしね。

――よく頼むメニューは?

多いのは中華系ですけど、タイ料理も頼んじゃいますね。あとはお寿司かな。沖縄料理を頼むことも結構あるかもしれない。そう考えると結構頼んでますね。

――気になるメニューが豊富すぎるあまり、つい頼みすぎてしまうなんてことも…。

それ毎回やっちゃうんですよね。「ある程度の量はいけるか」みたいなところで選んでいると、ついいっぱい頼んでいます。「やっぱり今日もちょっと多かったね」って。
次こそ前回の反省を生かそうと思うんですけど、メニューを開くとワクワクする気持ちが乗っかってきちゃうから、毎回同じことをやってる気がします。

●コントを原点に「全部同じ感覚」で向き合う芝居
――俳優としてもご活躍されていますが、CMもドラマも映画も東京03のコントも、台本を覚えるという点では共通していますか?

そうですね。でも撮影は監督さんや関係者の皆さんの「オッケーです」で、進んでいくので、不安は少なからず残ります。ただ、ライブはお客さんの反応を見ながらやらせてもらえるので、そこが大きく違いますね。

――ご自身から「もう1回お願いします」と言うことは?

やらないですね(笑)。自分から「もう1回いいですか?」ってやらせてもらったのに変な芝居を出したら、恥ずかしいじゃないですか(笑)

――ご自身の中で、芸人と俳優の違いは?

感覚としては芸人も俳優も一緒ですね。東京03のコントだったら飯塚(悟志)さんが監督ですし、今回のCMでも監督さんがいらっしゃって、演出してくださるので。

――「いつか自分も監督を」という気持ちは?

ないですね。昔は「ここはもっとこうした方がいいんじゃないか」って思って、提案したりもしましたけど、僕のプランは「あれ…? なんか反応がイマイチだな」ってことが多くて、さすがに分かりました。「ああ、自分には向いてないんだな」って(笑)

――ズバリ、ご自身が思う“俳優”としての強みは?

東京03でいまもずっと日本全国を回ってコントをやってるっていうのが、僕の強みですかね。普段の自分の素の部分が乗っかっているものが多いので、それを見ていただいて、またドラマとか映画とかにつながる。僕にとってはとてもやりやすく、非常にいい環境ですね。


○“宇宙人”役の余韻と現在地「今が一番いい」

――UberのCMで杏さんが出演されている「タクシーを、思いのままに スーパーパワー篇」を見るたび、角田さんがドラマ『ホットスポット』(日本テレビ)で演じた宇宙人の高橋さんを思い出すんです。

CMの杏さんと同じようなことを、僕自身も子どもによくやるんですよ。マンションの入り口の自動ドアを開けるときとか、車の窓を開け閉めするときとかに、「やってごらん」って言って子どもにやらせると、機嫌がよくなるんです。

――宇宙人パワーを使って(笑)

ああいうことを子どもに対してやってる人って、実は結構多いんじゃないですかね。

――まさに“ちょっとした能力”ですね(笑)

能力があるのは僕じゃなくて「高橋さん」ですけどね(笑)

――あらためて、これからさらに活動の幅を広げていきたいという思いはありますか?

いや本当にありがたいことに、今が一番いい感じです。

――“今が一番いい”。

そうですね。東京03も3人それぞれの仕事も増えていますし。今が一番バランスがいいですね。

――そのバランスを、この先もずっと。

続いてくれたらうれしいですね。あと……今回のUber EatsのCMも、継続していけるように頑張りたいです(笑)

――しっかりPRも(笑)

大事ですからね(笑)

渡邊玲子 映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。
国内外で活躍する俳優・映画監督・クリエイターのインタビュー記事やレビュー、コラムを中心に、WEB、雑誌、劇場パンフレットなどで執筆するほか、書家として、映画タイトルや商品ロゴの筆文字デザインを手掛けている。イベントMC、ラジオ出演なども。 この著者の記事一覧はこちら
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