「運動しなきゃ」「野菜も食べなきゃ」「お酒も控えなきゃ」——全部やろうとして、結局どれも中途半端になってしまう人も多いのではないでしょうか。
内科医の中路幸之助先生が強調するのは、「がん予防は一つひとつの対策を頑張るより、生活習慣全体のパターンを整えることが大切」という考え方です。
今回のテーマは「がん予防につながる生活習慣の整え方」です。
「組み合わせ」がリスクを下げる
体重管理、運動、食事、飲酒制限——どれか一つでも効果はありますが、中路先生が強調するのは「複数の推奨習慣を組み合わせて守るほど、がん発症やがん死亡のリスクが段階的に低くなる」という点です。何か一つを完璧にこなすより、全体をバランスよく整えることが近道だと先生は話します。
完璧な生活を続けなければ、と思う必要はありません。ただ、30~40代から「よくない習慣を少しずつ減らしていく」だけで、20~30年後のがんリスクをかなり下げられる可能性があると、中路先生は指摘します。
食事・運動・睡眠、それぞれのポイント
まず食事で意識したいのは、野菜・果物・食物繊維を増やし、赤肉・加工肉・塩分・糖分の多い飲料を控えることです。体型はBMIと腹囲を「正常~ややスリム」に保てる食事量を心がけることが推奨されています。週に数回、意識して野菜を多めにする。そんな小さな変化から始めてみるだけでも十分です。
運動は週2.5時間~5時間の中等度の有酸素運動が目安ですが、「そんなに時間が取れない」と思う方も多いかもしれません。しかし中路先生によると、週2.5時間程度の運動でも、がん死亡を約1割強減らせるとする研究結果があるそうです。これは、毎日30~40分のウォーキングでも十分届く数字。
そして睡眠も大切です。1日6~8時間を安定して確保すること。就寝前のスマホやテレビは控え、体のリズムを乱さない生活習慣を心がけることも、がん予防につながると先生は言います。
こうした小さな変化を組み合わせていく。その積み重ねが、将来のがんリスクを下げることにつながります。
○中路 幸之助(なかじ こうのすけ)
1991年、兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学、獨協医科大学での勤務を経て、1998年に医療法人協和会に入職。2003年より現在まで、医療法人愛晋会 中江病院 内視鏡治療センターにて臨床に従事。専門はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動および論文執筆にも積極的に取り組んでいる。
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