Appleは3月4日(米国時間)、ノートブック型Macの新製品「MacBook Neo」を発表した。2022年に登場したMac Studio以来のMacの新ブランド製品である。
Appleのオンラインストアではすでに予約受付が開始されており、3月11日に販売を開始する。学生・教職員向けには84,800円(税込)からの学割価格も用意されている。
○低コストでもMacらしさは維持
Apple製品の基準となる米国でのMacBook Neoの価格は599ドルから。現在のApple製品のラインナップにおいてiPad Air(11インチ)やMac miniと同価格であり(日本ではわずかに高い)、ノート型Macとしては過去最も低い価格となる。
価格を抑えたPCでは、必要最低限のスペックのみを採用し、成形しやすいプラスチック素材の筐体が使われるなど、耐久性や使用体験、高級感が犠牲になる場合がある。
AppleはMacBook Neoでも筐体にアルミニウムを使用し、洗練された外観と堅牢性を実現している。カラーバリエーションは、ブラッシュ、インディゴ、シルバー、シトラスの4色。かつての「iBook」を彷彿とさせる遊び心のあるカラフルな展開となっている。筐体カラーはMagic Keyboardにも反映され、新しい壁紙デザインにも取り入れられている。
従来のMacBookシリーズではMac向けに設計された「Mシリーズ」チップが使われてきたが、iPhoneで実績のあるAシリーズチップをMacに導入することでコスト削減を図った。
A18 ProはiPhone 16 Pro(2024年)に搭載されたチップで、第2世代3nmプロセスで製造される。構成は2つの高性能コアと4つの高効率コアからなる6コアCPU、5コアGPU、16コアNeural Engineである。
Macでの処理性能についてAppleは、Intel Core Ultra 5を搭載した売れ筋PC(Intel Graphics、8GB RAM、256GB SSD、Windows 11 Home)との比較で、日常的なタスクは最大50%、写真編集などの作業は最大2倍、デバイス上でのAIワークロードは最大3倍高速になるとしている。
○コストダウンとスペックのトレードオフ
価格を抑えるため、いくつかのスペックについてはMacBookシリーズの上位製品と差別化されている。
MacBook Neoはストレージ容量が異なる256GB SSDモデルと512GB SSDモデルの2モデル展開で、それら以外のストレージオプションは用意されていない。RAMは8GBである。Apple Intelligenceに対応するが、RAM増設のオプションはない。メモリ帯域幅は60GB/sである。
ディスプレイは、13インチ、解像度2408 x 1506ピクセル(219ppi)のLiquid Retinaディスプレイを搭載し、500ニト輝度である。MacBook AirやMacBook Proに見られる画面上部の切り欠き(ノッチ)はなく、 ベゼル部分に1080p FaceTime HDカメラが配置されている。
ポート類は、USB 3を1つ、USB 2を1つ、3.5mmヘッドフォンジャックを備える。最大4Kネイティブ解像度・60Hzの外部ディスプレイ1台を接続できる。
無線機能はWi-Fi 6E(802.11ax)とBluetooth 6をサポートする。空間オーディオに対応するデュアルスピーカーサウンドシステム、デュアルマイクアレイを搭載。Magic Keyboardは、512GBモデルのみTouch ID搭載である。
バッテリーは36.5Whリチウムイオンバッテリーを内臓し、バッテリー駆動時間はビデオストリーミング時で最大16時間、ワイヤレスインターネット時で最大11時間となっている。
本体サイズは29.75 x 20.64 x 1.27cmで、重量1.23kgである。
○海外プレスイベントでのハンズオンの反応は?
Appleは3月4日に米ニューヨークなどでプレスイベントを開催した。MacBook Neoなどのハンズオンに参加したジャーナリストの反応をいくつか紹介する。
Six Colorsのジェイソン・スネル氏は「妥協がないわけではないが、妥協は驚くほど最小限」とし、廉価モデルでありながら「正真正銘のフル機能Macであること」を評価している。iPhone 16 Proのベンチマークの結果を踏まえ、「A18 CPUコアは非常に高速であり、MacBook Neoの評価を大きく押し上げる可能性がある」と述べている。また、カラーバリエーションについて、落ち着いた色合いの他のApple製品と異なり、鮮やかな色合いが印象的だとしている。
Macworldのマイケル・サイモン氏は、MacBook Airと同等の高級感があるとし、事前情報なしで価格を推測すれば「少なくとも799ドル、場合によっては999ドルと予想しただろう」とコメントしている。
MacRumorsのダン・バーベラ氏によると、MacBook Neoが搭載するMulti-Touchトラックパッドは感圧タッチではなく物理的に沈み込むクリック式である。しかし、パッド上のどこでもクリックでき、操作感は「(感圧タッチトラックパッドと)変わらない」としている。同氏は、スピーカーが本体のサイドに配置された独特な設計に興味を持ったが、騒がしい会場では空間オーディオなど音質の詳細な確認は難しかったとしている。第一印象からの予想として、「見た目が素晴らしく、使い心地も最高で、Appleは大量に売り上げそうだ」としている。
The Vergeでアントニオ・G・ディ・ベネデット氏も、物理クリック式でありながら端までクリックできるトラックパッドの設計に注目している。外観についてはMacBook Airと同程度の重量ながら、やや小型の筐体のため密度が高く感じられ、金属の板のような剛性感があると表現している。総評として、上位製品に比べて制限はあるとしつつ、「Neoは興味深いトレードオフの集合体だ」と評価した。











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