日立製作所は3月5日、鉄道システム事業を担う日立レールが、イタリア・トリノ地下鉄2号線のレバウデンゴ-ポリテクニコ区間において、車両および信号システムの設計・供給を行うと発表した。インフラ・トー社向けのプロジェクトで、契約総額は約4億8160万ユーロ(約888億円)。
2033年までの開業を予定している。

契約内訳は、レバウデンゴ-ポルタ・ヌオーヴァ区間の基本契約が3億8850万ユーロ(約716億円)、将来的に行使される可能性のあるポルタ・ヌオーヴァ-ポリクリニコ区間のオプション契約が9310万ユーロ(約172億円)。最終的にトリノ地下鉄2号線は全長約28km、全31駅となり、すべての車両は完全な「メイド・イン・イタリア」となる予定。

各編成は、車いす利用者向けスペース2カ所、自転車スペース4カ所を備え、立席乗客336名、着席乗客68名、最大404名の輸送が可能。車両は高い輸送力、あらゆる人の移動のしやすさ、快適性を確保するとともに、路線の先進的なデジタル信号システムと完全に統合される設計となる。

新しい地下鉄には、GoA4(自動化レベル4)に対応した最新世代のCBTC信号システムが導入される。これは現在実用化されている中で最高水準の自動化技術であり、列車の発進・停止・ドア操作を含む完全無人運転を可能にする。この技術により、高いサービス信頼性と輸送能力が実現されるという。

また、本路線を走行する列車には、日立レールの高度なデジタル資産管理ソリューション「HMAX for Rail」が搭載される。HMAXは車両および路線データをリアルタイムで収集・分析し、システムの監視および迅速な対応を可能にする。現在2000編成以上の列車に導入されており、先進的なセンサー技術とAIおよびエッジコンピューティングを組み合わせることで、鉄道パフォーマンスの最大化、資産寿命の延長、コスト最適化を実現するとしている。

日立レールのグローバルCOOであるルカ・ダキーラ氏は「トリノ地下鉄2号線は、当社が新型トラムをすでに納入しているトリノ市の公共交通ネットワークをさらに強化し、都市圏内の接続性を向上させるとともに、自家用車から公共交通機関への移行を促進する。
完全自動化、デジタル化、エネルギー効率に優れたソリューションを通じて、低排出型モビリティへの具体的な転換を支援する」とコメントしている。

インフラ・トー社CEOのベルナルディーノ・キアイア教授は「トリノ地下鉄2号線の車両および信号システムに関する契約の締結は、トリノ市の新たな地下鉄開発における重要な節目だ。日立レールとの協創により、国際的な最先端基準に沿った、先進的で完全自動化された高度な技術インフラをトリノ市が備えることが可能となる」と述べている。
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