マンションリサーチは2月27日、「データで見る大阪府マンションマーケットの実態」について発表した。

○大阪市場は「住む場所」から「資産として運用する場所」へ

大阪の不動産市場が、現在どのようなフェーズにあるかについて、タワーマンション専門家の芝崎健一氏と、マンションリサーチ・福嶋総研の福嶋真司氏が、「データ」と「現場の実感」の両面から分析した。


大阪のマンション市場は、従来の需給バランスによる市場から、投資マネーが主導する構造へと転換を迎えている。マンションリサーチと福嶋総研による分析では、大阪の不動産市場が東京に近い活況を呈している事実が浮き彫りとなった。

注目する点としては、売りに出された物件が短期間で消化される状態が続いていること。これは、築浅だけでなく、築古帯を含む全築年レンジで確認されており、「大阪市というマーケット全体の将来価値」に対する期待が高まっている可能性を示している。

特に外国人富裕層による取引件数は2024年以降、例年の約3倍へと急増。東京都における同様の指標が約1.7倍であることと比較すると、増加率という観点では大阪市の方が投資先としての相対的な魅力が高まっていることがわかる。背景には、円安による割安感、東京と比較した価格水準の低さ、IRや万博などを契機とした都市イメージの向上があると考えられる。

新築マンション市場における短期転売比率の上昇している。2024年、2025年は短期転売の割合が極めて高く、東京都と類似した構造が確認されており、実需だけでなく、値上がり益を狙う資金が流入していることを意味している。富裕層ニーズの高い広面積物件が価格上昇を先導する構図も、東京と同様だった。

大阪市の不動産市場は、在庫回転率の上昇、外国人需要の急増、新築の短期転売活発化、広面積帯の価格上昇という複数の指標が同時に進行している。大阪市場は「住む場所」から「資産として運用する場所」へと構造が変わりつつある。


○2026年本格稼働「グラングリーン大阪」が市場に与える影響は

中之島や梅田周辺のハイグレード物件では、100㎡超のラグジュアリー住戸が独走状態で、かつて投資効率を優先して供給された50㎡未満の住戸は、価格調整や販売期間の長期化が見られる。

また、2026年3月に本格稼働するグラングリーン大阪も、周辺相場を大きく押し上げる強力な契機となると指摘する。高額物件の成約はエリア全体の地価基準を引き上げるため、同じ北区内や徒歩圏エリアのタワーマンションにも価格波及が起きやすくなる。

築年数が経過した物件においても、売却時には内装のアップデートを施し、写真・内覧時に完成映えする状態へ仕上げる「完成度」が成約の是非を分ける要因となる。特にグローバル富裕層は購入後すぐに住める状態を前提とするため、立地だけでなく、商品としての磨き込みがリターンを決定づける鍵であるという。
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