Googleは3月12日(現地時間)、ARM64 Linux向け「Google Chrome」を2026年第2四半期にリリースすると発表した。同社は2020年にApple Silicon搭載Mac向け、2024年にWindows on Arm向けChromeの提供を開始しており、今回の対応によって主要なOSプラットフォームにおけるArm版Chromeが出そろう形となる。


これまでLinux向けChromeはx86_64 版しか公式提供されておらず、ARM64 Linux環境ではオープンソース版の「Chromium」を代替的に使うことになり、Googleの各種サービスや機能をフル活用しにくかった。今回のネイティブ版提供により、ARM64 Linuxでも他プラットフォームと同等のChrome体験が利用可能になる。

背景には、Linuxデスクトップの利用拡大に加え、Arm系SoCを採用する開発機や省電力重視の小型PCの広がりがある。Webトラフィック解析のStatcounterによれば、デスクトップOSに占めるLinuxのシェアは近年緩やかな上昇傾向にある。2020年ごろは1%台半ばだったが、2026年1月には世界全体で4.01%に達した。

ARM64 Linuxデバイスの選択肢やニーズが高まる一方で、主要アプリやサービスの正式対応は後手に回っていたため、Chromeのネイティブ版の登場の意義は大きい。ARM64 Linuxをより本格的なデスクトップ環境として押し上げる要因となり得る。

ARM64 Linux版Chromeでは、Googleアカウントを通じてブックマーク、閲覧履歴、開いているタブをデバイス間で同期できるほか、Chrome Web Storeの拡張機能、ワンクリック翻訳も提供される。セキュリティ面においても、「セーフブラウジング保護強化機能」、「Googleパスワードマネージャー」や「Google Pay」との統合も提供される。

GoogleはARM64 Linux版ChromeでNVIDIAと連携し、NVIDIAの小型AIスーパーコンピューティングデバイス「DGX Spark」で、ユーザーはNVIDIAのソフトウェアパッケージ管理サービスを通じてChromeを容易にインストールできるようになる。他のLinuxディストリビューション向けには、公式サイトから入手できる予定である。
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