ステーキ店を運営するあさくまは、2026年1月期が大幅増益となりました。同業のブロンコビリーの業績も好調であり、ステーキ銘柄はインフレ恩恵銘柄の側面があるようです。
両社の直近の業績に加え、一時期のブームが去った「いきなりステーキ」を運営するペッパーフードサービスの決算もあわせて比較しました。
○あさくまの2026年1月期決算が大幅増益で着地

「ステーキのあさくま」を東海・関東で展開するあさくま<7678>が2026年1月期決算を発表し、大幅増益が明らかになりました。

2026年1月期
売上高100.45億円(前期比20.3%増)
営業利益5.19億円(同188.9%増)
経常利益5.26億円(同185.1%増)
当期純利益3.25億円(同42.8%減)

減損の計上により当期純利益は減益となりましたが、営業利益・経常利益は前期比2倍近い数字です。また売上高も100億円を突破しました。

○あさくまは業績堅調だがブロンコビリーの背中は遠い

「ステーキのあさくま」といえば東海地域では古くから知られたステーキ店です。ただし経営的には紆余曲折あり、中古厨房機器を取り扱うテンポスHD<2751>が子会社化して、現在は同社の上場子会社となっています。

また、東海地域発祥のステーキ店といえばブロンコビリー<3091>も忘れることはできません。ブロンコビリーも株式を上場しており、直近の2025年12月決算は以下となっています。

2025年12月期
売上高302.19億円(前期比13.5%増)
営業利益29.30億円(同15.8%増)
経常利益30.25億円(同16.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益19.69億円(同14.8%増)

東海地域発祥のステーキ店のあさくまとブロンコビリーですが、業績的にはブロンコビリーが売上・利益ともに大きく上回る状態です。なお、あさくまは直営74店+FC4店の合計78店舗、ブロンコビリーは161店舗です※。

両社ともに業績は好調ですが、ブロンコビリーの営業利益率は約10%であり、利益率が低いと言われる外食業界において、その利益率の高さは特徴的と言えるでしょう。インフレが進む前から一食あたりの価格が高いステーキですが、投資家目線ではステーキはインフレと相性がよいのかもしれません。


※2026年3月18日時点

○一世を風靡した「いきなりステーキ」の現在地

あさくま、ブロンコビリーとステーキ店の決算を見たので、コロナ禍前に一世を風靡した「いきなりステーキ」を運営するペッパーフードサービス<3053>の業績も見てみましょう。

2025年12月期
売上高145.53億円(前期比4.0%増)
営業利益0.42億円(同44.8%減)
経常利益0.44億円(同56.8%減)
当期純損失1.14億円(前年同期は0.28億円の利益)

増収ながら、経常利益までは若干の黒字という状態であり、また最終利益は赤字に転落しています。一世を風靡したかつての姿は、少なくとも現在の決算からはうかがえません。同社は「いきなりステーキ」バブルの崩壊後、事業の切り離しや店舗閉鎖などの撤退戦を行った後の状態です。

なお、2025年度末の店舗数は192店で、あさくまはもとより、ブロンコビリーも上回っています。同社の売上高はあさくまを上回っていますが、あさくまは2026年1月に大幅増益で、利益面ではあさくまとの逆転を許しています。

上場ステーキ会社のあさくま、ブロンコビリー、ペッパーフードサービスの3社比較では、ブロンコビリーの業績が頭一つ抜けている状態です。
○インフレと相性のよいステーキ?あさくまの快進撃は続くか

2026年1月のあさくまの増益決算は、あさくまがかつての輝きを取り戻す一つのきっかけとなり得ます。堅調な業績を背景に、あさくまは2月に21年ぶりの大阪に出店を果たしました。

ブロンコビリーの業績も堅調であり、ピークアウトしたいきなりステーキの苦戦はあるものの、ステーキ銘柄は意外にもインフレ恩恵銘柄の面があるとも言えます。インフレを背景にあさくまの快進撃は続くのでしょうか?今後のあさくまを始め、ステーキ銘柄の業績の行方が注目されます。

石井僚一 いしいりょういち 金融・投資ライター。
大手証券グループ投資会社の勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式市場や為替市場に関連する記事の執筆を得意としている。資産運用記事やインタビュー記事も執筆中。第一種証券外務員資格保有。 この著者の記事一覧はこちら
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