「AGA治療は一度始めたら一生やめられない?」この噂について22歳から69歳までのマイナビニュース会員410名に聞いたところ、実に6割以上の方が「信じない」と回答しました。

回答者の声を見ると、「治療を続ければ完治するのでは」と噂を否定する方がいる一方、「一度中断し、再開したら再び毛が生え始めた」という実体験をもとに、やめたら元に戻ると考える方もいました。


では実際のところ、この噂に科学的な根拠はあるのでしょうか。AGA治療を専門とする金仁星先生にお話を伺ったところ、「AGA治療は一度始めたら一生やめられない」というのは「概ね正しい」という答えが返ってきました。
治療をやめると元の状態に戻っていく

なぜ、AGAの治療は長く継続する必要があるのでしょうか。

金先生によると、AGAは進行性の疾患であり、現在の治療薬では根本的な治癒は難しいとのこと。ミノキシジルやフィナステリドといった薬剤は、AGAを完治させる薬剤ではなく、進行を抑制・改善するものです。

つまり、治療を中止すると、通常6~12ヶ月かけて治療前の状態、あるいは治療しなかった場合に到達していたであろう状態まで脱毛が進行してしまうと、先生は話します。
中断や減薬が可能なケースもある

ただし、金先生はAGA治療薬の中断や減薬が可能なケースもあると話します。十分な改善が得られた後、用量を減らしたり内服頻度を減らすことを試みることは可能だそうです。ただし、「毛量が減ってしまうリスクはあるため、慎重な経過観察が必要」と金先生は注意を促します。

また、加齢とともに薄毛を受容する場合や副作用の懸念がある場合は、本人の希望に基づいて中止を選択することも可能です。
慢性疾患として長期的に管理していく

AGAを高血圧や糖尿病のような慢性疾患として捉えることが大切だと、金先生は話します。長期的な治療計画を持つこと、その姿勢が重要です。


金先生は、定期的な診察で効果と副作用をモニタリングしながら、ライフステージや本人の希望に応じて治療内容を調整していくのが現実的なアプローチだと考えています。

AGA治療は長期戦ですが、一生同じ治療を続けなければならないわけではありません。医師と相談しながら、自分に合った治療を選んでいく。その積み重ねが、無理なく続けられる治療につながります。

○金 仁星(きむ いんそん)

大阪大学医学部卒業後、地元の病院で臨床研修修了。その後、AGAや美容などの多数のクリニックでの勤務。会社を設立し、クリニック向けのコンサルティングや医療記事の執筆・監修を行っている。

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