高級腕時計の中には、製造本数や販売地域、販売時期が限られている「レアな」時計がたびたび登場します。本連載では、数々の腕時計を見てきたプロフェッショナルが厳選する、レアな腕時計を写真とともにお届けします。


今回は、鑑定士歴10年、8,000点以上の査定実績を持つKOMEHYO SHINJUKUの萩原大介さんに「カルティエ タンクバスキュラント YG・150th LIMITED Ref.W1526251」を紹介してもらいました。

カルティエ タンクバスキュラント YG・150th LIMITED Ref.W1526251

レア度:★★★★☆

どんな腕時計?

1932年に誕生した名作「タンクバスキュラント」。1990年代後半から2006年にかけて復刻もされましたが、カルティエのコレクションにおいても、とりわけ流通量の少ないモデルとして知られています。中でも「YG・150th LIMITED Ref.W1526251」は、2000年に世界で365本だけ作られた貴重なミレニアム記念モデルです。

特徴は、モデル名にもなっているバスキュラント(basculant:フランス語で「装置や機会が上下に動く、傾く」という意味)で、アタッチメントを軸に180度反転できるユニークな機構が採用されています。また、シルバーダイヤルにローマンインデックスとブルースチール針を配し、ムーブメントには手巻きキャリバーを搭載するなど、デザイン性だけではなく性能においても間違いのない1本です。
スタッフに聞いた、この時計がレアな理由

バスキュラント機構は、もともとポロ競技に参加する際などに、ひっくり返して衝撃から文字盤を守る目的で作られた、本当によく考えられた面白い機構です。さらにこの「YG・150th LIMITED Ref.W1526251」は、ひっくり返すと文字盤の裏側に「1999,2000,2001」と3つの年号が刻印されていて、ミレニアム記念モデルならではの特別感が感じられます。

「タンクバスキュラント」も以前はあまり注目されていませんでしたが、ヴィンテージカルティエに端を発する近年のカルティエ人気の高まりもあって、探している人が多くなりました。需要の高まりによって、相場も上昇していますが、それでも店頭に並べばすぐに売れてしまう状況です。次にいつ出会えるか分からない品のため、探されている方はお店で見かけたタイミングが購入のチャンスかと思います。

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。
編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら

萩原大介 はぎわらだいすけ KOMEHYO SHINJUKU シニアチーフ。 鑑定士歴10年、8,000点以上の査定実績を持ち、ファッション観点でのトレンド把握を得意とする。徹底して顧客に寄り添う姿勢を持ち、リピーターからの信頼も厚い。趣味は休日の洋服屋巡り。
KOMEHYO:https://komehyo.jp/ この監修者の記事一覧はこちら
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