築古マンションが増加する中、管理体制の良否が資産価値を決定づける時代になりつつあります。修繕積立金が不足し、多額の一時金の徴収で困窮するケースも。
2026年以降、中古マンションを買う際に必ずチェックすべき「管理計画認定」の有無と、修繕積立金不足による「一時金100万円」のリスクを回避する方法を解説します。

”管理不全”の築古マンションに要注意

都市部を中心に新築マンションの高騰が続くなか、中古マンションが大きく注目されています。価格面や、住宅ローン控除を受けることもでき、魅力的に感じる方も多いでしょう。

一方、管理状態が不適切なために、物件の流動性が低下し、売却が困難になるといった予想外の苦労を購入後に強いられることももあります。管理状態がよくないと判断されると、売却しようとしても希望者が現れなくなるケースがあるのです。

とくにネットでの口コミ・レビューで悪評が広まると、致命的になることも。相場より安い価格での売却を迫られる可能性があります。
○管理不全の背景に、マンション管理組合の形骸化

マンションの管理組合は必ず作られるように法律で決まっていますが、実態は機能不全となっているケースが散見されます。

総戸数の少ない小規模物件や分譲開始直後などは運営体制が整わない傾向があり、建て替えを控えた築古の物件は住民間の合意形成が困難になっています。

近年は所有者不明の部屋も増えており、意思決定が進まないリスクも高まりつつあります。

さらに管理組合が存在するものの、運営が形骸化している場合も。日常のメンテナンスがおろそかになるため、将来的に大きな修繕工事が必要になります。


たとえば外壁の塗装のはがれ、天井の水漏れなど、不具合をすぐに修繕しないと問題は徐々に拡大。結果的に大規模修繕が必要になったときの費用は莫大なものになります。
○「修繕積立一時金100万円」のリスク

修繕積立一時金とは、修繕積立金だけでは修繕費用が不足しているときに「臨時で徴収される修繕費」のことです。毎月ではなく、大規模修繕のタイミングや数年単位で定期的に集金されます。

修繕一時金がいくらになるかは管理組合によって異なりますが、100万円以上となった例も報告されています。予想もしていなかった多額の一時金をいきなり請求され、困窮してしまうかもしれません。
マンション管理計画認定制度をチェック

2022年4月から始まったマンション管理計画認定計画制度とは、管理組合が作成した管理計画が一定の基準をクリアすると、地方自治体が認定する制度です。

これから中古マンションの購入を検討する方は、物件がこの制度の認定を受けているかをチェックしましょう。
○制度が生まれた背景

マンションの管理状況はなかなか外から見えづらく、購入希望者が判断できないこともあります。管理状況を適切に保ち、第三者から「見える化」することがこの制度の目的です。

マンション側にもメリットがあり、認定を受けると市場評価が上がり、固定資産税が軽減されます。フラット35の金利引き下げや、フラット50の利用も可能となります。

○認定を受けるための条件

認定を受けるための基準は数多くありますが、代表的なものは次のとおりです。

マンション管理組合の運営に関して、基本的な体制が整えられており、管理規約を定めていることが必要です。また、修繕積立金を適正に積み立てていること、長期修繕計画も立て、一時金の徴収が必要のないよう進めていることも求められます。
管理不全のマンションを回避するためのポイント

認定基準以外のチェックに加え、管理不全の物件をつかまないためのポイントを紹介します。
○現場の状況や掲示板をチェックする

管理不全のマンションは、共用部に問題のあるケースが多いです。ゴミ置き場が荒れている、廊下の電灯が切れている、外壁のひび割れやはがれがあるなどの場合は要注意と言えます。

また、掲示板の掲示物が最新のものかもチェックしましょう。数年前のままだったりすると、管理が行き届いていない可能性が高いです。
○総会議事録を閲覧する

直近の過去数年分の総会議事録を閲覧すると、議論が活発に行われているか、修繕が計画通りに進んでいるかがわかります。修繕積立金が計画通りにつみたてられているかも確認しましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。
ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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