個人向け国債と定期預金は、どちらも元本割れすることなく安心してお金を預けられるメリットがあります。では、同じ100万円を預けた場合、受け取れる利子にはどのくらい差が出るのでしょうか。


本稿では、2026年4月募集分の個人向け国債の金利と、2026年4月時点で公表されている定期預金の金利を比較し、受け取れる利子の違いをシミュレーションしました。

個人向け国債、定期預金の共通点と違い

個人向け国債と定期預金は、どちらも元本割れせず、安全性を重視したい人に向いている商品です。

個人向け国債は国が発行する債券で、「変動10年(変動金利型10年満期)」「固定5年(固定金利型5年満期)」「固定3年(固定金利型3年満期)」の3つのタイプがあります。変動10年の金利は半年ごとに見直され、固定5年と固定3年の金利は満期まで固定されて変わりません。なお、いずれのタイプも年率0.05%(税引前)の最低金利が保証されています。

一方、定期預金は銀行に一定期間お金を預ける商品で、預入時の金利が満期まで適用されるのが一般的です。

利子の受け取り方にも違いがあり、個人向け国債は半年に一度、定期預金は満期時にまとめて受け取ります。ただし、個人向け国債は「単利(元本のみに利子がつく)」である一方、定期預金では3年以上の長期預金になると、利子を元本に組み入れて運用する「複利」を選べる場合が多くあります。

このように、個人向け国債と定期預金はどちらも安全性は高い一方で、発行元や金利の仕組み、利子の受け取り方などに違いがあります。
個人向け国債と定期預金の利子をシミュレーション

では、個人向け国債と定期預金では、受け取れる利子にどのくらい違いがあるのでしょうか。ここでは、2026年4月募集分の個人向け国債(3タイプ)と、同時点で公表されている定期預金の中から、特に金利の高い2行を取り上げました。今回は、それぞれに100万円を預けた場合の利子を比較します(受取利子の合計は全て税抜前、イオン銀行「定期預金利息シミュレーション」にて計算)。


<個人向け国債(2026年4月募集分)>

・変動10年

・固定5年

・固定3年

<定期預金>

・auじぶん銀行(5年もの)

・豊川信用金庫 インターネット支店(3年もの)

個人向け国債「変動10年」「固定5年」「固定3年」と、「auじぶん銀行(5年もの)」「豊川信用金庫 インターネット支店(3年もの)」にそれぞれ100万円預けた時の受取利子を比較しました。

利子を算出すると、「変動10年」は15万5,000円、「固定5年」は8万9,500円、「固定3年」は4万5,300円、「auじぶん銀行(5年もの)」は6万5,000円、「豊川信用金庫 インターネット支店(3年もの)」は4万3,499円となりました。

なお、条件をそろえて比較するため、定期預金の利子も個人向け国債と同じく単利で算出しています。

まず、満期が同じ個人向け国債「固定5年」と「auじぶん銀行(5年もの)」を比べてみると、金利には0.5%ほどの差があります。そのため、受け取れる利子の合計額も、個人向け国債のほうが約2万5,000円も多いことがわかります。

次に、個人向け国債「固定3年」と「豊川信用金庫 インターネット支店(3年もの)」を見比べると、金利に大きな差はありません。そのため、受け取れる利子の合計額も、個人向け国債のほうが1,800円ほど多くなるにとどまっています。

ちなみに、「豊川信用金庫 インターネット支店(3年もの)」の金利は、2026年4月30日(月)までに預けた、新規口座開設者に適用されます。また、個人向け国債の「変動10年」は半年ごとに金利が変わるため、将来の利子総額を正確に計算することはできません。ここでは、発表金利の1.55%が、この10年間ずっと同じ水準で続くと仮定して、受け取れる利子額のイメージを示しています。
自分に合う方法を選び、上手に活用しよう

個人向け国債は、定期預金と比べて金利が高く設定されていることが多いため、少しでも高い金利で運用したい人に向いているでしょう。一方、定期預金には6ヶ月や1年で満期を迎えるものもあることから、短期で運用したい人や換金のしやすさを重視したい人に向いています。


また、定期預金は、長期預金では複利を選択できるため、複利効果によって有利にお金を増やしたい人にもおすすめです。個人向け国債と定期預金それぞれのメリットを把握し、自分に合う方法を選んで上手に活用していきましょう。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
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