前回のコラムでは、表面利回りの罠と出口戦略の重要性についてお伝えしました。今回は、具体的に「どこを買うべきか」といったエリア選定の本質に迫ります。


不動産投資と聞くと、「リニア中央新幹線が開通するエリア」や「大規模再開発が予定されている湾岸エリア」など、将来の値上がり(キャピタルゲイン)を期待したくなるものです。

しかし、こうした情報はすでに価格に織り込まれており、プロの投資家との競合も激しく、会社員が参入するには「高値掴み」のリスクが非常に高いのが現実です。

私が推奨するのは、派手な値上がりを追うのではなく、着実なインカムゲイン(家賃収入)を積み上げる「地方×安定需要」戦略です。
○プロ視点ではなくユーザー目線を徹底する

エリア選定において最も大切なのは、統計データ以上に「自分が借りるならここに住みたいか」という徹底したユーザー目線です。

たとえば、有名な再開発がなくても、以下のような条件を備えた場所は常に一定の需要があります。

近隣に定員数が多い大学や専門学校がある
大手企業の工場やロードサイド店舗が集積している
徒歩圏内にスーパーやドラッグストアがあり、生活動線が完結している

これらは一見地味ですが、景気変動に強く、空室リスクを最小限に抑えてくれます。
○ターゲットを絞り、定着率を高める

次に重要なのが、ターゲットを明確にすることです。 私は、単身者向けなら「25平米以上」、ファミリー向けなら「40平米以上」という基準を設けています。

なぜなら、あまりに狭い部屋は入居期間が短くなりがちですが、少し広めに余裕を持たせることで「長く住み続けたい」と思ってもらえるからです。

入居者の入れ替わりは、原状回復費用などのコストを発生させる最大の敵ともいえます。「定着率」こそが、安定収益の源泉となります。
○会社員にこそ地方という選択肢を

都心部で物件を探そうとすれば、最低でも数千万円、数億円という資金が必要になります。
しかし、地方であれば自己資金100万~200万円程度からスタートできる物件がゴロゴロしています。

まずは地方で3~4部屋を所有し、そこで得たキャッシュフローを次の物件の頭金に回す。この着実なステップアップこそが、会社員が資産5,000万円、1億円の壁を突破するための最短ルートです。

次回は、なぜ私が数ある投資の中で不動産を選んだのか、「株式投資とは異なる安定した収益性」について深掘りします。

島田雄左 株式会社スタイル・エッジ代表取締役社長。1988年、福岡県生まれ。24歳で司法書士事務所を開業。国内トップ規模の士業グループに成長させる。その後、自身の経営経験を元に、株式会社スタイル・エッジ代表取締役に就任。共創型ビジネスモデルとして士業や医業のコンサルティングを行っている。YouTubeやXで法律、仕事、マネーリテラシーなどさまざまな情報を配信中。著書に『士業経営』『人生で損しないお金の授業』(共に税務経理協会)がある。
公式サイト:https://styleedge.co.jp/、X:@shimadayusuke66 この著者の記事一覧はこちら
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