米Metaは7月24日(現地時間)、Facebookアプリを開くと全画面動画が最初に表示される新たな利用体験のテストを、2026年後半に開始すると発表した。従来のフィードを起点とする構成に加え、没入型動画(immersive video)をアプリの入口に据える試みである。
まず米国外でテストし、2027年には米国への展開も検討する。

動画優先の体験は、Facebook Marketplaceの開始10周年に合わせた投稿「Connecting Real People on Facebook」の中で明らかにされた。Facebookは、Marketplaceで頻繁に商品を販売するユーザー向けに新アプリ「Seller」を提供する。現在開発中の同アプリは、AIを活用した出品情報の自動生成、購入希望者とのやり取りを一元管理する受信箱、在庫管理、販売実績の可視化機能などを備える。

Facebookは、引き続き「人同士のつながり」を重視する一方、エンターテイメントを目的に利用するユーザーや、クリエイターと交流するユーザーに向けた体験の刷新にも乗り出す。その一環となるのが没入型動画優先の体験である。

テストの対象となるのは、Facebook上で動画を多く視聴すると同社が判断した一部のユーザーである。対象者がアプリを起動すると、フィードではなく全画面動画が直ちに表示される。テストは動画の利用が活発な米国外の国で始める予定だが、具体的な対象国や参加人数は明らかにしていない。

従来型の「Classic Feed」はアプリ内の2番目のタブとして残り、1回の操作で開けるという。また、動画中心の画面を望まないユーザーは従来のフィード優先の体験へ戻すこともできる。まずはテストを通じてユーザーの反応を確認する。


Metaは、ユーザーが没入感の高い視覚的な体験や、動画を重視した体験を求めていると説明する。動画上では会話やコミュニティーが生まれ、商取引も始まっているという。動画優先の体験には、動画を連続して視聴する過程でクリエイターやコミュニティー、商品との接点を増やす狙いがあるとみられる。

アプリの起動直後から全画面動画を表示する構成は、TikTokやInstagramリールなどの動画サービスに近い。Facebookは世界で最も人気のあるソーシャルプラットフォームだが、YouTubeやTikTokに差を縮められている。The Vergeは今回の取り組みについて、競合サービスへの利用者流出を抑えるため、Facebook自体を動画中心のサービスへ近づける動きと指摘している。
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