ベトナム・ハノイからスタートした「今年の初海外は『ベトナム&カンボジア』がおすすめ! フォトジェニックな“線香村”も注目」に続き、ご紹介するのはカンボジア「シェムリアップ」の旅です。
シェムリアップは400年以上も放置され、ジャングルの中に埋もれていたクメール王朝の首都・アンコールがあった場所。
日本からは乗継便のみ。ハノイからベトナム航空でシェムリアップへ

カンボジア「シェムリアップ」へはハノイからベトナム航空で約1時間40分。ハノイの「ノイバイ国際空港」はベトナム航空の主要空港です。飛行機だけではなくトーイングカーなども「VNブルー」でかわいい! ちなみにカンボジア入国には観光客もビザが必須です。Webで申請ができ、料金は$36(アメリカドル)。パスポートの残存期間が入国時6カ月以上と、パスポート余白が複数ページあることも入国条件です。Web申請後はビザがPDFで送られてくるので2枚印刷し、入国審査時に1枚を提出する流れとなっています。

搭乗まで時間がある時はハノイ・ノイバイ国際空港のラウンジでゆっくりと。ビジネスクラス搭乗者などは「ロータスラウンジ」が利用可能で、ベトナム料理やドリンクなどを楽しめます。私はフォーが大好きなので、ラウンジでも食べられるのがとてもうれしかったです。

さらに「マッサージチェア」が使えるのも、マッサージ文化が根付くベトナムならでは。
ほほえみを浮かべる観音様が神々しい……「アンコール・トム」

シェムリアップでは何はともあれ、アンコールワット遺跡群を見学するために「アンコールパス」をゲットしましょう。アンコールワット、アンコール・トム、タ・プロームなどの遺跡を見学できる共通チケットです。価格は1日券$37、3日券$62。顔写真付きで、各遺跡に入場する時に提示します。神聖な場所では肌が露出している服装が禁止されているので、タンクトップやショートパンツは控えましょう。肩が出ない半袖は問題ありません!

観光スケジュールは「まずはアンコールワットへ!」と思うところですが、午前中は「アンコール・トム」に行くのが一押し。なぜならアンコールワットの最も美しい写真を撮れる場所が午前中に行くと逆光になってしまうからです。アンコール・トムへの入場口は色々とありますが、「南大門」から入るのが定番ルート。穏やかなほほえみを浮かべる観音様が出迎えてくれ、門をくぐるだけで心が洗われる気がします……。

アンコール・トムは「大きな都」という意味で、王宮を中心に栄えたかつてのクメール王朝の都。一辺が3kmの城壁に囲まれており、見どころが各地に点在しています。中でも見逃せないのが12世紀末頃に建立された「バイヨン寺院」。
ガジュマルの木×寺院が織りなす絶景。「タ・プローム」

「これはすごい……!」と誰もが驚く、アンコールワット遺跡群の一つが「タ・プローム」。12世紀末に建立された寺院ですが、クメール王朝が衰退して都がアンコールから移ったあとは、完全に放置されてジャングルに埋もれてしまった歴史があります。

そんな忘れられた寺を19世紀に見つけたのが、フランスの探検家。その時すでに寺院の建造物をガジュマルの木が侵食していたそうですが、芸術的なその景観を見て、木を切ることなくそのまま保存したため、現在もその様子を見ることができます。生命力を感じるガジュマルの木と寺院のコラボレーションは、シェムリアップでしか見られない光景……! 映画『トゥームレイダー』のロケ地としても有名です。
聖池にリフレクションする光景が美しすぎる「アンコールワット」

午後になったら、いよいよ「アンコールワット」を見学。アンコールワットは12世紀にクメール王国の王様・スーリヤヴァルマン2世が自らを埋葬するためのお墓として建てたヒンドゥー寺院。全体の面積は約200ha(東京ドーム約40個分)もの広さで、最も人気のフォトスポットが聖池からの景色です。

聖池からの写真を撮影したら、いよいよ中へ。はるか昔に刻まれたレリーフを見ながら、3つの回廊を進んでいきます。特に見応えのあるレリーフが第一回廊東側にある、「乳海攪拌」。ヒンドゥー教天地創造の物語で、神と悪鬼が大蛇で綱引きをしています。レリーフはとても大きく、その長さは約50m!
そしてアンコールワットで最も高い「第三回廊」に行こうとしたら、なんとこの日はたまたま「仏教の日」で入場できず……! 仏教の日は月に数回あるので、事前にチェックするのがおすすめですよ。
カンボジアならではのグルメ。クメール料理に舌鼓

観光の合間には、カンボジアグルメに舌鼓。「Ptes Borann Restaurant」はカンボジアで広く食べられている「クメール料理」を味わえる、タ・プローム近くのレストランです。特に「アモック($8.50)」は、カンボジアに来たら食べたい料理! グリーンカレーのようなココナッツベースですが、辛味はないのでとても食べやすかったです。合わせるのはカンボジアの主食である「お米」。スパイスの芳醇な香りが印象的で、ごはんが進みました!
・Ptes Borann Restaurant
住所:Kravan Village Sangkat Nokor Thom Siem Reap

カンボジアはフランス保護領だったこともあり、「フランス料理」もカンボジア旅行で食べたいグルメです。「Sokkhak River Restaurant」はフランス料理の技法にクメール料理を組み合わせたモダンな料理を味わえるレストラン。
・Sokkhak River Restaurant
住所:Mondul 1 Village, Svay Dangkum Commune, Pokambor Ave, Krong Siem Reap

カンボジアの伝統舞踊を見ながら食事をするのも、シェムリアップ旅行の定番。「Crystal Angkor Restaurant」ではクメール料理を味わいながら、5つのショーを見ることができます(Khmer Cuisine Set $27)。注目は天女を意味する「アプサラ」ダンス。女性たちがしなやかな指先と身振りで踊り、宇宙と地球を漂う天女を表現しています。「あそこまで曲がるのか……!」と手首や指先の表現にもびっくり。料理はカンボジアで有名な「カンポット・ペッパー(胡椒)」をあしらったシーフードソテーがおいしかったです。
・Crystal Angkor Restaurant
住所:Roud 30, Krong Siem Reap
広大なリゾートでゆるりと。「Angkor Palace Resort & Spa」

シェムリアップの滞在の拠点は「Angkor Palace Resort & Spa」。プールを中心に11haもの広大な敷地を持つリゾートです。ロビーはカンボジアらしい調度品で彩られ、太陽の光が差し込むすてきな空間でした。

客室はカンボジアで親しまれているチーク材の床が特徴的です。

朝食はプールサイドのテラスで味わうのが一押し。ライスヌードル、おかゆ、サラダ、パンなど自分の好きなものを味わえるビュッフェスタイルです。南国フルーツもおいしく、カットしてもらったドラゴンフルーツとマンゴーが絶品でした……!
・Angkor Palace Resort & Spa
住所:No. 555 Kruos, Svay Dangkum Siem Reap
日本では決して見られない、素晴らしい絶景を堪能したカンボジア・シェムリアップ観光。特に巨大なガジュマルの木にのみこまれているような寺院「タ・プローム」はとても神秘的で、アンコールワットとともにぜひみなさんに行って欲しい場所です。タ・プロームを見つけたフランスの探検家さん、木を切らずにいてくれてありがとう……。続く最後の記事では、念願の「アンコールワットで朝日鑑賞」をレポートします!
※$1=153.16円(2024年12月13日現在)
(撮影・取材・文:小浜みゆ)