駅の自動改札でICカードをタッチして通る人々や、コンビニでの買い物のときに、レジでスマホを端末にピッとしてお金を払っている場面はよく見かけると思います。
この、「ピッとタッチしてICカードやスマホから情報を読み取る」というのがNFCのことなんです。
この記事では、そんなiPhoneのNFCについて機能や使い方を解説していきます!
iPhone「NFC」とは?
冒頭で紹介したように、NFCとは簡単に言うと「ピッとして情報を読み取ったりお金を支払うこと」です。
まずは、NFCの基本情報とiPhoneでNFCが使える機種について見ていきましょう。
カード埋め込みのICチップを読み取る技術のこと
NFCとは、「Near Field Communication」のそれぞれの単語の頭文字をとって省略したものです。
直訳すると「Near:近い」「Field:場所」「Communication:伝達」となり、「近づけるだけで情報読み取りをする技術」という意味になります。
NFC規格には「FeliCa」「Type-A」「Type-B」がある
NFCは、主に「FeliCa」「Type-A」「Type-B」の3種類が普及しています。
歴史を簡単にさかのぼると、まずSONYのFeliCaとオランダのType-Aが同時に開発が進み、その後さらにセキュリティ能力の高いType-Bがアメリカで開発されることとなりました。
端末にカードをかざすという点は同じですが、開発された国や利用シーン等が違うので、まとめて紹介します。
FeliCa
FeliCaとは、SONYが開発した触れなくても決済ができるICカードの技術のことです。
30年以上も前から開発が開始され、現在は日本の非接触型ICカード技術の中心となっています。
FeliCaは電子マネー決済の「楽天Edy」や「QuiCPay」、SuicaやiPhone7以降のiPhoneなど。
ほかにも自動販売機でスマホやICカード決済をするときにもFeliCaの技術が使われています。
正式名称はFeliCaですが、この後紹介する「Type-A」「Type-B」に合わせて「Type-F」と呼ばれることもあります。
TypeA
Type-Aは、オランダのNXPセミコンダクターズで開発されました。世界中で多く利用されています。
その秘訣は比較的安く使えること。
日本で使われているケースは、Taspoと呼ばれるたばこ購入時に自動販売機で年齢確認をするためのサービス程度と非常に少なめです。
その理由として、日本でNFCの主流となっているFeliCaとほぼ同時期に同じような機能として出始めたのがType-Aだったからです。
そのため、日本ではFeliCaが中心に取り入れられることとなりました。
日本ではあまり見ないType-Aですが、海外ではType-Aの方が多く利用されている場合もあるので、海外旅行などで使いたい場合はType-Aにも対応していると安心です。
TypeB
アメリカのモートローラーが開発を主導しているのがType-Bです。
処理速度が遅くてコストが高いデメリットがあるものの高いセキュリティレベルを誇るので、日本国内でも多く利用されています。
特にマイナンバーカードや住民基本台帳カード、運転免許証、パスポートなどのセキュリティが厳重であるべき場所を中心に利用されており、FeliCaとの使い分けがされています。
注意!iPhone 6以前・iPhone SE(第一世代)では設定ができない
iPhoneの場合、機器の中にICチップ(NFCタグ)が入っているので、その部分を読み取り用の端末にかざすことでNFCの読み取りが可能です。
iPhoneの場合は端末裏のカメラの横ぐらいの場所にICチップが入っているので、そこを読み取り端末にかざすようにしてください。
ただし、iPhone 6からNFCチップを内蔵しての製造がはじまりましたが、iPhone 6にはType-AとType-Bのみしか対応していませんでした。
その後、日本で主流となっているFeliCaに対応できるようになったのがiPhone 7からです。
iPhone 6やiPhone SE(第一世代)では設定ができないので注意が必要です。
【iPhone】NFCの設定方法《Touch ID端末》
NFCの機能を使うときに、TouchIDからFaceIDでの認証が必要な場面が多いです。
そのため、まずはTouchIDの設定方法からチェックしていきましょう。
手順①設定から「Touch IDとパスコード」を選択
Touch IDを設定するときは、まずホーム画面から設定アプリを開きます。

続いて、「Toudh IDとパスコード」をタップしてください。

これでTouch IDとパスコードの設定画面に移動しました。
手順②指紋認証をしてTouch IDを有効化する
指紋認証する画面に移動する前にパスコードの入力を求められます。

6桁のパスコードを正しく入力すると、下の画面に移動します。ここで画面中央の「指紋を追加」を選択してください。

すると指紋を登録する画面になるので、画面の指示通りにホームボタンをタッチしましょう。
手順は以下の通りです。
POINT
【iPhone】NFCの設定方法《Face ID端末》
iPhone X以降の機種には、Touch IDではなくFace IDという機能が搭載されました。
これはその名の通り指紋ではなく顔で認証することです。
設定手順はTouch IDとほぼ同じです。
手順①設定から「Face IDとパスコード」を選択
ホーム画面の中から「設定」アプリを開きましょう。

続いて「Face IDとパスコード」をタップしてください。
手順②顔認証をしてFace IDを有効化する
Face IDとパスコードを開いてから6桁のパスコードを入力すると、Face IDの設定画面が表示されます。
そのあとの手順は以下の通りです。
POINT
【iPhone】NFC設定でできること・利用方法
NFC設定は便利そうですが、具体的にどのようなことができるのでしょうか?
その使い方を見ていきましょう。
Apple Pay
まずはApple Payでのお支払いについてです。
Walletアプリを起動し、登録されているクレカを使って支払いができます。
Walletアプリを開いて支払いをしたいクレジットカードを選びましょう。

この状態で指紋認証または顔認証をします。

自動的に指紋認証が始まりました。

指紋認証の画面が「リーダーにかざしてください」のメッセージに変わります。

後は支払い用の端末にiPhoneをかざせば決済完了です。
NFCの機能を使えば、日本のクレジットカードで海外での決済ができるのが便利です。
iPhone一つをもって海外旅行なんてこともできてしまいます。
ただ、海外に比べて日本ではまだ「コンタクトレス決済」が主流じゃなく、支払いの時に「コンタクトレス決済で」と伝えても店員さんに伝わらないことも。
そんなときは、「クレジットカード決済でお願いします」と伝えてリーダー端末を出してもらいましょう。
あとはここまで紹介した手順で、指紋または顔認証をしてiPhoneをかざせば決済完了です。
Suica・PASMO
Walletアプリには、SuicaやPASMOも登録できます。
登録しておけばNFCでの決済ができますよ。
ApplePayの場合はWalletアプリを起動してその都度指紋・顔認証をする必要がありました。
しかし、SuicaやPASMOの場合はスリープ状態でも利用できます。
そのため、改札を通るときやお支払いをするときは、iPhoneを取り出してそのままピッとすればOKです。
Bluetooth機器の接続
Bluetooth機器の接続って、いちいちパスワードの入力が必要で面倒ですよね。
しかし、NFCが搭載されているであればかざすだけでペアリングができます。
毎回パスワードを入れなくていいのがとても便利です。
せっかくNFCの設定をしたのであれば、対応機器を選んで便利に取り入れたいところです。
【iPhone】NFCの設定方法《App Clip・NFCタグについて》
iOS14から搭載された新機能の1つに「App Clip」があります。
最近は各店舗のサービスを使うためにアプリをダウンロードするように促されることもあり、どんどんアプリがたまってしまうお悩みがありませんか?
App Clipの機能はそんなお悩みを解消してくれる便利機能なんです。
アプリ情報などを登録しておいて簡単に起動できる機能
App Clipの最大の特徴は、アプリをフルダウンロードしなくてもサービスが利用できる点です。
例えば駐車料金の支払いをしたいとき、今までは駐車場サービスの提携アプリをダウンロードして、それを使って支払いをしなければいけなかったはずです。
駐車場をよく利用する方ほど、その時によって使う場所は違いますよね。
そのため、駐車場に関するアプリだけでも大量に持っていなければいけない、なんてこともありました。
しかし、App Clipの場合はiPhoneでApp Clipカードを読み取ることで、本来アプリをダウンロードしなければ使えないサービスの利用が可能になります。
iPhone XS以降は近づけるだけで読み取ってくれる
まだまだApp Clipカードは普及していませんが、これから各店舗にApp Clipカードが置かれるようになればアプリをダウンロードしなくてもカードを読み取るだけでOKなので、便利になること間違いなしです。
本来はタグリーダーを使ってApp Clipカードを読み取らなければいけませんが、iPhoneⅩS以降は端末を近づけるだけで自動的に読み取ってくれるのでさらに便利になっています。
iPhone7 PlusからiPhone Xは「NFCタグリーダー」が必要
iPhone XS以降は端末を近づけるだけでOKですが、iPhone 7PlusからiPhone Xで使う場合は、NFCタグリーダーを使ってApp Clipカードを読み取らなければいけません。
その場合は、コードスキャナーで読み取りをすればOKです。
まずは検索窓で「AppClip」や「コードスキャナー」で検索してみましょう。画面をスクロールすると「コードスキャナー」を呼ばれる読み取り用のアプリが表示されました。
タップして開くと下の画像のように「スキャンするコードを見つけてください」のメッセージと枠が表示されました。この枠内にApp Clipカードを読み取らせましょう。
使う場所が暗い場合は、画面の下にある懐中電灯のようなマークをタップすると自動的にライトが起動します。
iPhoneのNFCは設定方法がわかれば怖くない!
タッチするだけで情報を読み取ったり支払いが完了したり、とても便利なNFC機能はiPhone 7以降の端末であれば利用ができます。
使い方はTouch IDやFace IDをあらかじめ設定しておけば、支払い時はWalletアプリから支払いするクレジットカードを開いて指紋または顔認証をしてから端末にタッチするだけでOK。
ぜひiPhoneのNFC設定方法をマスターして、日々の暮らしをより快適にしましょう!