「生理中眠くて眠くて家事や仕事が手につかない……」このような状態にお悩みの方も多いのではないでしょうか。これは女性の生理周期と深く関係しています。

生理はこの先も続くことですし、できればうまく付き合っていきたいもの。そこで今回は、生理中の眠気の原因や、おすすめの眠気対策について詳しく紹介していきます。

生理中はなぜ眠くなるの?

生理中の眠気には、生理前から増える女性ホルモンのプロゲステロンが関係していると言われています。プロゲステロンには体温を上げる作用がある反面、最低体温と最高体温のどちらも上げてしまうので、睡眠と覚醒のメリハリがなくなって夜の眠りが浅くなり日中眠くなるのです。それでは、生理中の眠気をすっきりさせる対処法を4つ紹介します。

(1)カフェインを含む飲み物を飲む

カフェインが眠気に効くというのは有名な話。カフェインが含まれるコーヒーや緑茶を飲むことで、カフェインが体内に吸収され、通常30分~2時間で覚醒効果が得られます。また、カフェインは高カカオ配合のチョコレートにも含まれているので、ちょっとつまむのもいいかもしれません。

(2)15分程度の仮眠をとる

時間に余裕のある方はガマンせずに15分程仮眠をとってリフレッシュしてみてはいかがでしょうか? ここで寝すぎるのはよくありませんが、短時間であればその後の家事や仕事などの効率がグッとあがります。

(3)軽くからだを動かす

仕事中など、眠くなっても寝られない状況のときは、伸びや軽いストレッチをしてみてください。ストレッチは恥ずかしい……という方はコピーを取りに行く、書類を届けに行くなど職場でできそうな動きでからだを動かすのがおすすめです。

(4)朝起きたら太陽の光を浴びる

前述の通り、生理中の眠気の原因として体内時計の狂いがありますが、体内時計の調節に関わっているホルモンがメラトニンです。メラトニンには催眠作用があり、光を浴びることで分泌が抑えられます。

朝起きたら太陽の光を浴びてメラトニンの分泌を抑えましょう。また、夜は明るい照明やスマホを見続けるなど、光の刺激をなるべく控えることでメラトニンの分泌を促し、体内時計をリセットさせるのも効果的です。

眠気には漢方もおすすめ

生理中、夜の眠りの質をよくすることができれば、日中の眠気を軽減させられると考えられます。そこで、生理中の眠気に悩む方におすすめなのが漢方です。

漢方の中には「血行をよくする」「自律神経バランスを整える」など全身を整えることで自然な眠りへと導くものもあり、自然由来の治療薬として使われています。西洋薬と違い依存性がないのも特徴。中でも生理中の眠気におすすめの漢方薬が下記2種です。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)…冷えのぼせがあり、月経痛や月経に伴うイライラ、動悸、不眠などがある方におすすめの漢方薬です。血行を改善して自律神経を整えます。

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)…虚弱な体質で神経がたかぶりやすい方におすすめの漢方薬です。からだの熱をさまして気の上昇を抑えることで、興奮を鎮めて眠りの質を高めます。

漢方薬を選ぶときに大事なのは、自分の体質や状態に合っていること。

合わない漢方薬では、効果が得られないだけでなく、副作用が起きることもあります。なお、どの漢方薬を選べばいいのか分からない方は最近増えてきたAIを活用して自分に合う漢方を選ぶことができるオンラインサービスがおすすめです。

生理中の眠気は多くの女性が悩んでいることの1つ。眠くなってしまったらカフェインを摂る、仮眠をとる、からだを動かすなどできることをしたり、太陽光を浴びる、漢方の力を借りるなどして夜の睡眠を質の良いものにしたりして、悩みの種を減らしてみてくださいね。<text:医師 木村 眞樹子>

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