2019年11月にオープンした【JR東日本ホテルメッツ 東京ベイ新木場】は、ビジネス利用も多い宿泊特化型ホテルですが、日本建築家協会優秀建築選に選ばれたユニークな建物も見どころのホテル。そのうえ、東京ディズニーリゾート(R)に最寄りの舞浜駅まで6分、東京駅からもわずか9分。
木を意識させるユニークな建物
新木場という地名は、江戸時代から海路で運び込まれた丸太を浮かべ、貯木場として栄えたことに由来します。新木場駅の駅前ロータリーに面したホテルは、材木会社の土地に立っていることもあって、コンクリートはもちろん、木材を効果的に使ったデザインで、30軒ほどある他のメッツとは異なる個性的なホテルです。
▲デコボコとした外観にビックリ

▲客室には出窓があって、表面のコンクリートも素材を変えているため、色もちがって見えます
窓はS、M、Lの3サイズ。ミニマムな客室は、出窓部分をデスクに利用するなど、家具の一部として作られていて、スペースの有効活用をしています。

▲1階のエントランスから2階のロビーへはエレベーターがありますが、階段を使うと「このホテル、ただモノではないゾ」と感じる面白い発見に出会えます
階段は小石を混ぜたコンクリートの素地をそのまま残します。通常ホテルや商業ビルなどは、化粧タイルなどで隠しますが、あえて素材感を見せるインダストリアルデザインを採用。しかも踏み面の先端には削ったようなギザギザを残すなど、意外性たっぷりの造りです。

▲コンクリートを意識させる階段を上ると、今度は木材を意識させる2階のフロントへ
フロントロビーは水や耐久性に優れたチーク材を使用。年数を重ねると、徐々に雰囲気が増す木材です。

▲フロント背後の壁には木の棚が
木製の棚は大きさが3種類。これはコンクリートの出窓に合わせたデザインで、外観はコンクリート、内装は木材で同じ形を作り、材木の街新木場ならではの“木を意識させる”部分です。

▲フロント前の天井も、木の色合いが目を惹くチーク材を使用

▲ロビーでは24時間コーヒーサービス
一方、フロント向かいの壁に近づいてよく見ると、表面に細かく木目が引かれていて、コンクリートで木造のように形作り、外から内へ、コンクリートから木材へとつながる境界の、木とコンクリートが融合した部分を象徴しています。

▲チェックイン&アウトは、機械でスピーディーに
セルフチェックイン機を導入。スタッフに尋ねたい場合は、リモートで非接触の接客対応を行なえます。クレジットカードの他に、交通系ICでの支払いも可能です。

▲フロントの前にあるアメニティバーから必要なものをチョイス。特にホテルメッツは入浴剤の種類が豊富で、好きな香りを選んでバスタイムを楽しめます

▲エレベーター内の表示板には、色がちがう3種類の木材を使います

▲各階エレベーターホールにある案内表示も木材を使用。出窓と同じデザインを木枠で作り、親しみのあるウッディな雰囲気です
ゆとりのある「プレミアムツイン」
客室はユニバーサル対応客室を含む6タイプ188室を用意。どの部屋もスペースを有効活用できる壁面収納になっていて、樹木にちなんでカーペットには落ち葉のデザインを採用しています。
ここではアイランドタイプの洗面台を備えた「プレミアムツイン」を紹介。ベッドルームと洗面ゾーンはカーテンで仕切れます。

▲「プレミアムツイン ベンチ」
25.2平米とゆったりした客室で、洗面台の鏡も木枠。大人は2名、未就学児童の添い寝を含めると最大4名まで宿泊できます。事前に連絡をすれば、子供用のタオルやアメニティもサービスで用意してもらえます。

▲出窓がベンチタイプの客室
MサイズとLサイズの出窓はベンチとして利用できて、座って景色を眺められる楽しいスペースです。

▲ここにも繰り返される木枠型のデザイン。壁面収納になっていてスペースを有効活用できる間取りです

▲客室によって、窓からの景色は都心側(写真)と千葉県側の2タイプ
高層階では客室によって富士山や東京タワーが見られます。5キロほど離れた都心の高層ビル群は、夜景がとても素敵でした。

▲「プレミアムルーム」のみ水回りが独立していて、洗い場のあるバスルームと広々したバスタブを備えます
ミニマムな「スーペリアダブル」はスペースを有効利用
最もコンパクトな16平米の「スーペリアダブル」も壁面収納を採用して、圧迫感をそれほど感じないサイズ感。ベッド幅も160cmあり、2名利用でもゆったり使えます。

▲キャリーバッグなどはベッド下にも収納できます

▲コンパクトな客室ですが、窓にも工夫が
3サイズある出窓のうち一番小さなSサイズの窓は、それ自体がデスクになっていて、上にダウンライトをマウント。景色を眺めながらデスクワークができます。

▲こちらの眺望は千葉県側。葛西臨海公園の観覧車が見えました

▲スーペリアタイプのバスルーム
こんなサービスと注目点も!
ちょっとした景色を楽しめるホテルメッツ新木場。使い勝手のいいナイトウェアやコインランドリーのほか、1階にあるデイリーヤマザキにはおすすめのパンを売っています。

▲ナイトウエアは宿泊特化型のホテルでは珍しく、上下セパレートタイプ。肌触りの柔らかなガーゼ生地です

▲ランドリーの使用状況をテレビ画面で確認できます

▲10階の廊下の窓からはスカイツリーがよく見えました

▲1階の「デイリーヤマザキ新木場駅南店」で売るご当地パン。
焼き立てパンを出す“デイリーホット”を備えたデイリーヤマザキでは、「贅沢な小倉あんぱん」を販売。そのお店限定の地名が焼印され、中にたっぷりのホイップクリームとあんこが入って、味も絶品。こちらでは「新木場」の焼き印が入ります。じつは人気のご当地パンなんです。

▲出窓ベンチからは、夕日に包まれた都心の景色につい見とれてしまいました
木材が効果的に使われた、ちょっとユニークな【JR東日本ホテルメッツ 東京ベイ新木場】。1階にあるレストラン「tomoru茶屋」の夕食やモーニングビュッフェ、それにランチも美味しくて、お昼時は女性客で満席。ビジネスはもちろん、ディズニーリゾートやお台場観光のほか、ちょっと建築に興味ある人もぜひ一度泊まってみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:JR東日本ホテルメッツ 東京ベイ新木場 https://www.hotelmets.jp/shinkiba/>