2023年12月にオープンした【メルキュール東京日比谷】は、フランス・パリを拠点にする世界最大級のホスピタリティグループ、アコーのブティックホテル。演劇の舞台やステージアートを採り入れた館内は、エレガントでノスタルジック。
1930年代の華やかさを再現する館内
館内のデザインコンセプトは「劇場の舞台美術」。帝国劇場が置かれた日比谷には、1930年代になると日劇や日比谷映画劇場などが誕生して “演劇、映画の街” と呼ばれるようになりました。館内の装飾は、華やかな舞台衣装やバックステージ、撮影機材などからインスピレーションを得て、当時流行したアールデコ様式を採り入れた都会的なデザインです。
▲照明のついた「ひさし」はアメリカの映画館や劇場の入口を思わせます
ホテルがあるのはJR新橋駅や都営三田線の内幸町駅から徒歩3分。銀座でのショッピングや観光、観劇、ビジネスなどに便利です。
▲ロビーには劇場のカーテンを思わせる装飾がほどこされ上質なソファや椅子を配置します
▲色が変わる不思議なオリジナルカクテル
バーを備えたレストラン「La Scène(ラ・セヌ)」ではオリジナルカクテルを用意。ジンとはちみつ、レモンソーダなどを混ぜたシロップを加えると、色が変化するフォトジェニックなドリンクです。
ハイセンスなエクゼクティブ・ラウンジ
プリビレッジタイプとスイートの客室には3階にあるエクゼクティブ・ラウンジのアクセス権がついています。窓の外を走り抜けていく新幹線や首都高を眺めながら、ドリンクやフードを自由に楽しめます。
▲3階エクゼクティブ・ラウンジの入口
入口には6体のオブジェが飾られ、マリリン・モンローやオードリー・ヘプバーン、映画の名シーンなどを思わせます。
▲マリリン・モンローかも。と、想像しながら見ると楽しいです
▲アールデコ様式を採り入れたエクゼクティブ・ラウンジ
柔らかな曲線を描いた椅子や天井のモールディング、硬質な金属の使い方など、1930年代のアールデコ様式を採用。おつまみやスイーツは17時30分から19時時30分まで、アルコールは15時から19時30分まで提供され、ディナーの前に軽く飲むアペロタイムを楽しめます。
▲アートや小物、照明など、凝ったデザインが施されています
1930年代のニューヨークやシカゴ界隈の高級クラブに訪れたようなエクゼクティブ・ラウンジは、まさにホテルステイの醍醐味です。ぜひその雰囲気を味わってみてください。
客室「プリビレッジ・スイート」
客室タイプは、スイート、プリビレッジ、スーペリアの全178室で、プリビレッジとスーペリアはツインとキングのベッドを用意。舞台衣装のパターンや舞台照明などをモチーフにしたアールデコ調のクラシックな雰囲気です。東側の客室は新橋や銀座周辺、西側の客室は日比谷公園周辺の眺望を見られます。
▲客室階の廊下
エレベーターホールや客室エリアの廊下は、映画館を思わせるちょっと暗めで暖色の柔らかな光が投げかけられています。フロア表示の細くエレガントな書体もアールデコの時代に流行ったデザインです。注目はルームナンバーの表示灯。フィルムを思わせる円筒になっていて、映画や舞台が隆盛を極めた古き良き時代を彷彿とさせます。
▲12階にある「スイートルーム」
2部屋用意されたスイートルームは44平米で、寝室とリビングに分かれています。この部屋のみの特別な装飾も必見。照明は映画機材を思わせるデザイン、窓のカーテンは舞台の幕を思わせる上飾りのついたバランスカーテンを採用。フローリングの床や完全セパレートのバスルームもスイートルームだけのしつらえです。
▲アールデコの中に日本の伝統装飾を融合
寝室の壁に並ぶ21個の丸いアートは、歌舞伎や能などで使われる着物の紋様や舞台で使われるアクセサリーがモチーフです。
▲舞台衣装を刺繍で描いています
▲バス・トイレ・洗面はセパレートタイプ
縦長の青いタイルが上質な雰囲気を醸します。スイートルームの洗面には女優ミラー(ライティングミラー)を用意。スツールが置かれ、腰かけて利用できるのも高ポイント。ガラス張りのバスルームには、ハンドシャワーに加えレインシャワーも備えます。
▲バスアメニティはイギリスの「エレメンタルハーボロジー」
シャンプー類は、アロマセラピーを融合させた「エレメンタルハーボロジー」で、しっとりとした洗い上がり。歯ブラシは木製で、脱プラスチックに配慮するアイテムをそろえます。
雰囲気のある「スーペリアルーム」
4階から10階にある22平米のスーペリアルームは、キングとツインの2タイプ。窓際にはラグジュアリーチェアが置かれ、アールデコ調にデザインされた家具や照明を備えます。
▲スーペリアキング
▲桜や幾何学模様が描かれたカーペット
▲スーペリアのバスルーム
緑色のタイルの壁や専用デザインのカーテンなど、客室と統一性のあるデザインです。
フレンチスタイルの朝食は食べる価値あり
朝食はメインの料理をチョイスして、他は自由にいただけるハーフビュッフェスタイル。フランス料理の技法と国産食材を使った朝食は、食べる価値ありの美味しさ。いつもの朝とは違う、優雅なひと時を楽しめます。
▲フランス語で舞台の “シーン(場面)” を意味するレストラン「La Scène / ラ・セヌ」
地下1階のレストランは天井付近から自然光も採り入れます。日比谷野外音楽堂からヒントを得た個室も用意。植物が飾られた店内は、さながら『真夏の夜の夢』。映画監督が座るディレクターズチェア風の椅子も置かれます。
▲レストランも舞台美術をオマージュ
時期に合わせて旬の野菜が並びます。サラダのトッピングには、フライドオニオンやパルメザンチーズなどが用意され、自家製のドレッシングもすべて味見をしたい美味しさです。
▲サラダは契約農家から届くフレッシュな東京野菜を使用
ザクっとカットされた3種類のチーズが並ぶのはうれしい限り。ハードタイプのグリュイエールチーズと、クリームチーズの王様カマンベールチーズ、そして朝からロックフォール(ブルーチーズ)をいただけるのも幸せの極みです。
▲個性の異なるチーズを3種類
▲ヨーグルトとマンゴーヨーグルト、ナッツやドライフルーツが並びます
▲稀少な蜂蜜も!
見落としてはいけないのが、皇居周辺で採取された藤原養蜂場の「皇居周辺蜜」。色や香り味わいに深みがある逸品です。
▲フランスの国家最優秀職人(MOF)監修のパンを採用。ホテルの焼き立てが並びます。
デザートもホテルメイド。この日はキャロットケーキやプディング、バナナブレッドなどがありました。
▲デザートもいい味ぞろい
選べるメインディッシュも多彩です。フライドエッグ、オムレツ、スクランブルエッグ、ボイルドエッグ、ホワイトオムレツ、エッグベネティクト、ワッフル、フレンチトースト、ベーグルの照り焼きチキン風味、東京野菜を使った料理など、種類豊富な中から1品選べます。
▲選べるメインディッシュ
心して味わっておきたいのが、東京野菜で作られた季節のスープ。この日は蕪の風味が引き立つ優しい味つけ。時期によって素材が変わるので、何度でも食べに来たくなる朝食です。
▲蕪のスープは感動的な美味しさ
西村美樹総料理長に教えていただいたおすすめは、バゲットにロックフォールを乗せて、蜂蜜をかける組み合わせ。ロックフォールの塩味と刺激的な酸味に、蜂蜜の深い甘みが加わる贅沢な味。サクサクのクロワッサンもおすすめです。
▲蜂蜜とチーズが大活躍
日比谷の歴史に触れられる個性豊かな客室やラウンジ。そして驚くほど美味しいフレンチスタイルの朝食。
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