東京・蔵前でクラフトジンを作る【エシカル・スピリッツ】。今回は、新しくリリースされた「LAST ELYSIUM(ラスト エリジウム)」の試飲・試食会にうかがいました。

複雑で、香り豊かなジンの味はもちろん、ジンの美味しさを引き出す料理も素晴らしい内容。味のイノベーションに満ちた体験でした。

メイドイン東京のクラフトジン

2019年に創業したクラフトジンのメーカー「エシカル・スピリッツ」は、環境や社会問題の解決に貢献する “エシカル” な企業活動をおこなう世界初の再生型蒸留所です。廃棄されるはずだった酒粕やカカオのカラ、飲み頃を終えたビールや農家の余剰生産品などのサステナブルな材料で、美味しいクラフトジンを作ります。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新...の画像はこちら >>

▲東京リバーサイド蒸溜所

2021年に稼働を開始したエシカル・スピリッツの「東京リバーサイド蒸溜所」は、都営地下鉄の蔵前駅から徒歩5分。1階にはオフィシャルストアを構えます。2024年には、それまでコーポレートカラーだったエシカルブルーを手放し、捨てられるはずだった素材 “hidden gem(隠れた宝物)” を引き立たせる器のような存在を目指して、シンプルなグレーを採用しました。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲店頭でジンのフレーバーを試すことができます

店頭では、フレーバーが異なる14種類のジンを用意。定番商品のほか、英国「IWSC 2023」でブロンズ賞を受賞した「KYOTO PEPPER ETHIQUE」や、余剰ビールを蒸留したジン、さらに「みょうが」や「お茶の葉っぱ」を使った和テイストのジンなどがアトマイザーに入れられ、フレーバーを確かめてからジントニックやジンソーダを気軽に1杯買えるのも特徴です。もちろんジンの販売もしています。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲建物の中にはクラフトジンを作る蒸溜室を備えます

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲商品の入ったタンクがずらりと並んでいました

新作LAST シリーズ、驚きの製造法

エシカル・スピリッツのシグニチャージン「 LAST 」は、日本酒を搾った後に残る不要になった酒粕を再蒸留。出来上がった “粕取り焼酎” から作るクラフトジンです。英単語の LAST には「最後」という意味のほかに、動詞では「続く、持続する」という意味があり、日本酒を絞った後に残る酒粕に、ジンとして新たな命を与えるというサスティナブルな物語りを表します。製品は200ml/375ml/700mlをラインアップ。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲LAST ELYSIUM(ラスト エリジウム)

青いラベルの「LAST ELYSIUM」は、2024年1月に新登場。ELYSIUM とは「楽園」という意味で、LAST シリーズの中で最もクラシカルなジン。佐賀県で元禄年間に創業した「天吹酒造」の酒粕は、花由来の酵母からくるフローラルな香りと、3種の柑橘類やカモミール、本来は廃棄される生姜の葉などを使い、他のジンとは異なるシトラスの爽やかな香りを楽しめます。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲LAST ELEGANT(ラスト エレガント)

ピンクのラベルの「LAST ELEGANT」は、慶応元年(1865年)に創業した鳥取県の「千代むすび酒造」の酒粕で、甘く華やかな香りにくわえ、ラベンダーやハイビスカスティーなど10種のボタニカルと合わせて蒸留。香水のように華やかでスパイシーなジンに仕上げています。

2階のバーでジンと美食を堪能

オフィシャルストアの横から入口を入ると、2階にはダイニング&バー「Stage by The Ethical Spirits(ステージ バイ ザ エシカルスピリッツ)」があります。食中酒として気軽にジンを楽しむ新体験を提案するお店ですが、料理もたいへんな美味しさ。ジンが好きな人も飲まない人も、訪ねておきたいお店です。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲ひとりでも気軽に楽しめる隠れ家的なお店

店内にはカウンター席のほかに個室も用意。飲み物以外にもフードメニューで迷ったら「おまかせ3品」がおすすめ。その日仕入れた食材を作った美味しいおつまみが食べられます。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲目の前でカクテルを作るライブ感も楽しめます

ジンはアルコール度数が高いイメージがありますが、1対3の割合で作られた LAST ELYSIUM のソーダ割りは思いのほか飲みやすく、ジンのスパイシーな味わいの中に、粕取り焼酎の米由来の甘さを感じます。

家飲みなら1対4で割るのがおすすめなのだとか。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲LAST ELYSIUMとのペアリングは「旬魚のカルパッチョ ラベンダーとニラソース」

今回の試飲・試食会では、料理とお酒のペアリングを家庭で気軽に楽しめるようにシェフがメニューを考案。ジンのボタニカル感やスパイシーさを引き立てるように考えられた料理です。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲屋上にはハーブガーデンがあって、ミントやローズマリーなど30種類ほどを栽培。料理やドリンクにも使われます

真鯛のカルパッチョは、フレッシュなラベンダーのほか、ニラやオリーブの実、生姜などを使ったソースが美味。そこへ新玉ねぎのドレッシングで和えた筍をトッピング。ワサビ菜で巻いて食べてもよし。筍の食感や真鯛の甘味、ソースの味も濃すぎず薄すぎず、ジントニックの味も引き立てる心地よいバランスです。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲「旬魚のカルパッチョ ラベンダーとニラソース」

2品目は LAST ELYSIUM と LAST ELEGANT のどちらにも相性のいい料理。肉やハーブを詰めたイタリアの腸詰サルシッチャを春巻きにして揚げ、刻んだバジルをたっぷり入れたトマトソースでいただきます。ジンは LAST ELEGANT のソーダ割りで華やかなピンクペッパーが飾られます。ハーブが香るサルシッチャの驚くほどあっさりした味が、ドライなジンとベストマッチです。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲LAST ELEGANTと合わせた「サルシッチャを詰めた春巻き」

3品目は〆の麻婆豆腐。定番の豆板醤や味噌は使わず、和風の白出汁をベースにした白い麻婆豆腐です。豚の挽肉に、唐辛子や青山椒などを使い、ご飯は新生姜で風味付け。トッピングされたミョウガの香りと、ふわりと立ち昇る生姜の香りが広がります。出汁の効いた奥行きのある味わいは、忘れられない美味しさ。濃厚で複雑な味の麻婆豆腐を、ドライな LAST ELEGANT でスッキリといただく、とても絶妙な組み合わせでした。

メイド in 東京のクラフトジン【エシカル・スピリッツ】の新作登場。料理が美味しいお店も紹介

▲LAST ELEGANTと「白い麻婆豆腐」

サステナブルな社会を目指してクラフトジンを作る「エシカル・スピリッツ」。ボタニカルな味わいのジンはもちろん、ダイニング&バー「Stage」の料理も驚きの連続。私たちが暮らす “ちょっと先の未来” を考えながら、美味しいジンと料理を楽しんでみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:エシカル・スピリッツ https://ethicalspirits.jp/>

編集部おすすめ