2024年7月にオープンした最新ホテル【 ReLabo Medical Spa & Stay(リラボ メディカルスパ & ステイ)】。今回は宿泊者限定のレストランでの、コースディナーを紹介します。
|宿泊者限定の特別なコースディナー
JR青森駅に直結したホテル4階にあるレストランからは、駅周辺の夜景を楽しめます。特に青森ベイブリッジを渡る車のヘッドライトや、土産物をそろえるお店「 A-FACTORY(エーファクトリー)」から明かりが漏れる光景はとても素敵。リラボに泊まった人しか知らない青森の景色が心に残ります。
▲青森ベイエリアの夜景を楽しむレストラン

▲壁には美術品が並びます
北国のレストランらしく、店内には吊りフードを備えたファイヤーピットを設けています。

▲個室も備えます
|創造性豊かな料理の数々
青森産の厳選食材を中心に使ったメニューですが、あえて郷土料理は使わず、素材の味を活かしたフレンチのフルコースディナーを用意。ディナーを利用する際は前日までの予約が必要です。
はじめの一品は、青森で水揚げされた甘鯛を4日間熟成させ、ねっとりとした舌触りと旨味が増した刺身で、細切りにした梨とりんごを包みます。シーアスパラガスとアイスプラントも添えられてプチプチとした食感を楽しみつつ、甘鯛の旨味とフルーツのみずみずしさがマリアージュする一品です。

▲「熟成甘鯛と梨 ライムの香り 陸奥湾に見立てて」
“フランス料理の命” とまで言われるコンソメ。しかも肉や野菜をじっくり煮込んだコンソメに、さらに同じ量の肉と野菜を加えて煮込むダブルコンソメは、手間と時間と予算がかかるため今では稀少になったスープです。鮑と車海老の大きな切り身に青森でよく出会う出汁のいいキノコ「さもだし」が加わり、器の底にはフワトロの玉子を忍ばせます。具材の味を楽しめる海と山のスープです。

▲「ダブルコンソメ ロワイヤル仕立て 和のエッセンス 青森県産鮑と車海老 さもだしとともに」
青森と言えばホタテ料理が有名ですが、陸奥湾で採れたホタテは、味の濃い青森県産のケールやハーブに、ピーカンナッツでコクを深めたソースを敷いています。付け合わせのアンディーブのソテーはシャキっとした触感やほのかな苦みがアクセントです。

▲「青森産ホタテのポワレ アンディーブのソテー 青森ケールとピーカンナッツのソース」
一口食べて「おやっ!」と思わせるパンも登場。お代わりが可能ですが、パンを食べすぎてコース料理を残してしまう方もいらっしゃるそうなので要注意。麦芽の優しい甘みが広がり、オーガニックのオリーブオイルも添えられます。もちろん料理のソースをつけていただくのもおすすめです。

▲全粒粉のパンはふわっとして中はしっとり
|スペシャリテ「青森の冬の大地 ネイチャープレート」
コースの中盤にはシェフのスペシャリテ「青森の冬の大地 ネイチャープレート」が運ばれます。青森で取れた野菜や山菜を変化に富んだ味付けで楽しむ13種類の料理です。
青森市内で栽培されている伝統野菜「筒井紅かぶ」を使ったピクルスや「菊ホワイトバルサミコ」、紫色の芋は「シャドークイーン ぶどうマスタード」など見た目もカラフル。特にオレンジの味がする「さつまいも サフラン オレンジ」など驚きの連続です。食べる順番は決まっていませんが、温かいものから食べるのがおすすめです。

▲「青森の冬の大地 ネイチャープレート」
実は長いもも青森の名産品。フリットした長いもに軽く赤ワイン塩が振られ、ほのかな塩味とサクサクと小気味よい歯応えを楽しめます。

▲「長いもフリット 赤ワイン塩」と「ほうれん草 ディジョンマスタード」
ローズマリーで香りづけしたきく芋は、食物繊維を多く含み健康野菜としても知られます。歯応があって、噛むほどに味噌の風味が広がります。

▲「きく芋 味噌 ローズマリー」
ソテーされたたもぎ茸はスパイシーな味付け。やま芋の茎にできる “むかご” も栄養豊富で、酸味が凝縮したドライトマトでいただきます。

▲「たもぎ茸 ソテー」と「むかご ドライトマト」
今回のディナーで唯一青森の郷土料理として登場したのが、ネイチャープレートの中央に置かれた「けの汁」です。細かく刻んだ野菜や山菜などを具だくさんに入れ、青森の味噌を使ったスープ仕立て。小正月(旧暦の1月15日)などに作り置きをする保存食で、北国青森の冬の味です。

▲スープ仕立ての郷土料理「けの汁」
|調理技法を駆使したメインの料理
コースもいよいよ終盤になり、魚料理、肉料理、デザートへと進みます。注目はその調理法。魚や肉の美味しさが引き出され、存分に楽しむことができました。
この日の魚料理は鱸(すずき)で、津軽もち麦とオマールエビのリゾットが添えられ、エビやカニなど甲殻類をトマトで煮込んだ濃厚なビスクソースが注がれます。

▲「青森産鮮魚 ベルモット 白ワインのガストロバック 津軽もち麦とオマールエビのリゾット ビスクソースで」
鱸(すずき)を真空状態で減圧しながら加熱する “ガストロバック” 調理法は、しっとりと柔らかな身に旨味がたっぷり閉じ込められ、白ワインとベルモットの風味が後を引きます。

▲ビスクソースをたっぷり絡めていただきました
メインの肉料理は五戸町の銘柄牛「あおもり倉石牛」のステーキです。こだわりの焼き方は、45度の低温で30分間ゆっくり火入れし、その後160度と加湿60パーセントで肉の芯温が45度になるまで焼き、ブラストチラーで急速冷凍。再び50度の炭プレートで焼き上げます。肉が柔らかく旨味もぎゅっと閉じ込められた逸品です。マッシュルームや青森のりんごを使ったソースと梅マスタードでいただきます。

▲「青森県産牛フィレステーキ ReLabo スタイル ソースシャスールと梅マスタードを添えて」
りんごの花の蜂蜜を使ったアイスクリームにはリンゴのソースを敷き、赤いリンゴの皮からエキスを抽出したエスプーマ(泡)が全体を包みます。エスプーマの甘酸っぱさ、蜂蜜の奥深い甘み、青森リンゴのフルーティーで爽やかな味が重なります。ドリンクはコーヒーかオーガニックのカモミールティーから選びます。

▲「りんごの花の蜂蜜をアイスクリームで 青森産リンゴのエスプーマを添えて」
|青森の街を眺めながらのバータイム
レセプションフロアにあるバーカウンターは、行燈をモチーフにしたデザイン。健康カクテルや地元の希少な日本酒、ソムリエが厳選したワインなどもそろえます。

▲BAR THE BLUE

▲窓際のテーブル席からは青森駅のロータリーを見下ろせます
ホテルのロゴがラベルに描かれたシードルは、青森県で誕生したりんご「ふじ」だけを使い、タンク内で二次発酵した天然発泡のドリンクです。

▲ホテル特注のプレミアムシードルをいただきました
青森産の食材を中心に、その魅力を引き出したコースディナー。料理が運ばれるたびに驚きがあり、食べ進めるとその美味しさに感動。夜を彩る美食を楽しみに、ぜひ青森旅に出かけてみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:ReLabo https://relabo.com/>