数々の無料サービスがうれしい温泉旅館【京都 梅小路 花伝抄(かでんしょう)】。夕食は京都の旬の食材を使った会席料理。
|ディナーの会席料理で京料理の味を堪能
夕食と朝食は、どちらも2階のお食事処「山紫庵」でいただきます。会席コースの夕食は2部制になっていて、一部が17時30分から、二部は20時からで、チェックイン時に予約します。
▲お食事処「山紫庵」
はじめに運ばれたのが、様々な素材と味が並ぶ「前菜」です。この日は筍の木の芽和え、牛の八幡巻き、鯖寿司、天豆蜜煮、鍵蕨、蛸旨煮です。小鉢の「水雲(もずく)長芋酢」は、ツルリとした水雲とシャキシャキ食感の長芋がアクセント。季節の豆腐は、蟹を盛ったプルプルのごま豆腐です。

▲様々な味が楽しめる「前菜」
出汁の風味をしっかり味わっておきたい椀物は、京都ならではの食材でおもてなし。京野菜 “聖護院蕪” をすりおろした出汁に、京料理でお目にかかることの多い鴨を肉団子にして入れています。蕪と鴨の味にくわえ、上品な出汁の風味が染みわたる一品でした。

▲先椀の「聖護院蕪すり流し 鴨団子」
旬の魚やその日の仕入れで変わるお造りは、鯛や鰤、鮪、烏賊、甘海老で、京都産の濃い口醤油でいただきます。

▲新鮮な刺身が並ぶ「造里」
焼き物は春を感じる「鰆のけんちん焼き」。崩した豆腐を鰆で巻いた料理ですが、今回はおからを使い、ほっこりとした味わいです。付け合わせのローストポークにも春を告げる菜の花が添えられています。

▲焼物は「鰆 けんちん焼き」。付け合わせは「ローストポーク 菜の花」
メイン料理は「黒毛和牛のすき煮」と「ふぐの酒粕鍋」からどちらか1つを選びます。今回はすき煮をチョイス。細かな霜が全体に降られた黒毛和牛は、鍋で軽く火を通し温玉につけていただくと、とってもまろやか。肉はふわふわで口の中でとろける感動の一品でした。

▲選べるメイン料理から「黒毛和牛のすき煮」
メイン料理のあとには “本日の一品” が運ばれます。この日は「とろ湯葉」で、13世紀の終わりごろ中国から京都のお寺に精進料理として伝わった湯葉は京料理の代表格。クリーミーな生湯葉の上に金山寺味噌がのっていて、味噌の甘さがアクセント。京都の味を楽しみました。

▲本日の一品「とろ湯葉」
続く「京のおばんざい」も3品から選びます。この日は「牛すじ煮込み」と「筍 はさみ揚げ」、「小柱と菜の花のみぞれ和え」。お腹に余裕がある人は2個3個と追加も可能。今回選んだ筍のはさみ揚げは、上品な藻塩の塩味で素材の美味しさを引き立てていました。

▲3種類から選ぶおばんざいは「筍 はさみ揚げ」
〆のご飯も3種類から選びます。「ぶぶ漬け(=お茶漬け)」、「鴨南蛮茶そば」、「湯葉餡かけ じゃこ山椒ご飯」と、どれも魅力的。そこでメニューからは想像しづらい「湯葉餡かけ じゃこ山椒ご飯」を選んでみました。モチっとした湯葉が入る甘辛な餡かけをたっぷりかけたご飯に、小鉢に添えたじゃこ山椒をトッピング。京都で食べる初めての味が、今も印象に残ります。

▲3種類から選んだ「湯葉餡かけ じゃこ山椒ご飯」
果物と甘味も和の趣き。チーズをくるんだ干し柿のロールはマイルドな味。三食団子も甘さ控えめ。

▲デザートの盛り合わせ
|驚くほど種類豊富な朝食バイキング
夕食と同じく朝食も食事処「山紫庵」が会場です。湯葉や生麩など京都のおばんざいやお漬物、和洋中の種類豊富なバイキングです。肉吸いなど関西グルメもありました。料理の種類がたいへん多く、連泊しても制覇できないほどです。

▲奥にはライブキッチンもあり、作りたての料理を提供しています
出汁巻き玉子や筑前煮などのおばんざいのほか、ハムやチーズなどスタンダードなメニューがずらりと並びます。さらに海鮮漬けは、ご飯に盛れば「海鮮丼」の出来上がり。サラダコーナーには柴漬け味や西京漬け味など京風のドレッシングを5種類も用意。朝から京都尽くしを楽しめます。

▲ビュッフェ台の飾り付けも京都らしい設え
隠れた京都グルメのひとつが「おでん」。京風おでんとも言われ、薄口の出汁を味わえます。

▲お出汁の染みた「おでん」もおすすめ
洋食コーナーも多彩なメニューが並びます。

▲種類豊富、洋食コーナー
もちっと柔らかな生麩の田楽は、よもぎ麩とあわ麩の2種類。関西に来たら必ず味を確かめたい「出汁巻き玉子」や、大阪難波発祥の「肉吸い」も。さらにドリンクコーナーで発見したお茶のティーバッグは「辻利」でした。

▲必ず味見をしておきたい京都グルメ
京都といえば “京漬物”。手を出しやすいお土産の定番としても人気なので、朝食で味見をするのもおすすめです。京の三大漬物と言われる柴漬けやすぐき漬けのほか、白菜漬け、つんつん漬けなどさまざまな味をそろえます。

▲お漬物コーナー
おばんざいや、おでん、生麩田楽、お漬物など京都の味を中心にそろえ、和洋中も味わえる数々の料理。2021年に登場したばかりの京都のブランド米「京式部」は朝晩ともに用意されていて、上品な甘味でお漬物との相性も抜群です。

▲京都グルメをたっぷり楽しめる朝食
朝も湯葉が用意されるのは嬉しいですね。甘辛な湯葉餡かけでいただく「うどん」や、トロリと柔らかでさっぱりとした「汲み上げ湯葉」は、京都旅の想い出の味です。

▲味わっておきたい「うどん」と「汲み上げ湯葉」
温泉旅館【京都 梅小路 花伝抄】のディナーと朝食バイキング。京都の味を楽しめる会席料理と、京都グルメを中心に多彩な味をそろえるビュッフェメニュー。どの料理も大切に味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:京都 梅小路 花伝抄 https://dormy-hotels.com/resort/hotels/umekoji_kadensho/>