整理整頓や片づけは、少しでも生活を快適にするために避けては通れない課題の1つですが、いざ取り組んでみたところで「なかなか片づかない…」という方は少なくないようです。そこで、整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの資格取得の際に学んだ内容から、仕事や家事、気持ちを片づけるときの基準にしていることを紹介します。
子どもの頃「友だち」だったぬいぐるみは、今も心の支え
(自分の意志で)保育園にも幼稚園にも行かず、働く母を家で毎日待っていた幼い頃のわたし。その時間を一緒に過ごしてくれたのは、ぬいぐるみたちでした。
ぬいぐるみと話し、ぬいぐるみになりきって話し、遊び相手になってもらう。わたしにとってぬいぐるみは、オモチャというより「友だち」でした。
そばにいてくれるだけで、その存在が暖かくてホッとする。ぬいぐるみには、誰にも言えない本音を打ち明けることができました。だから、1人の留守番時間をあまりさみしいと感じることがなかったと記憶しています。
そこからかなりの時が経ち…。
娘を産んだことで、わたしは再びぬいぐるみと関わることになりました。幼かった娘のぬいぐるみになりきって話しかけたり、遊んだりすることで、娘がとても喜んでくれました。
その姿を見ていると、わたしがぬいぐるみと仲良くしてきたのは、この時のためだったのかもしれない、とさえ思いました。「ぬいぐるみ使い」という仕事があるならやりたいと、心から思ったのもこのころです…。
さらに年月が経ち、娘はぬいぐるみをほぼ卒業しました。
今度は娘が大切にしていたぬいぐるみをわたしがかわいがる番です。その相手? は、10年前、娘が小学生の時にディズニーランドから連れて帰ってきた大きなくまのプーさん。
当時もかなり厳選し、特にかわいい! と娘が決めた子だけあって、10年くらい経った今もとってもかわいい。にっこりしているプーさんの顔を見ていると、心が「ゆるゆる」になるのを感じます。
自宅でリモートワークをすることも多いのをいいことに、娘がいない間に、こっそりプーさんと「イチャイチャ」するのが、今のわたしの密かな楽しみ。大きなプーさんは、ハグするのにちょうど良いサイズで、その温もりに癒されています。
ぬいぐるみをかわいがると、心が柔らかくなる。そんな気がします。
作家の松浦弥太郎さんも、エッセイの中でぬいぐるみを大切にしていることを綴られていました。ぬいぐるみに話しかけたり、触れたりすることで、日常にささやかな喜びを見出しているそうです。
大人は、どうしても日々の忙しさや責任から、心が固くなりがち。
プーさんの無邪気な笑顔を見ていると、わたしも自然とにっこり。仕事でささくれた心が落ち着く…。
仕事を終え、お風呂に入って布団を敷くタイミングが、イチャイチャタイム。毎日、楽しみにしていて、心を緩める大切な時間になっています。もし、最近少し疲れているな、と感じていたら、そして、そばにぬいぐるみがいるなら、ぜひ一度、その子を手に取ってみてください。きっと、心が少しだけやわらかくなると思います。<text:なまけるための片付け/花太郎(整理収納アドバイザー) https://note.com/namake_kataduke>