「体重が軽ければ健康的」「数字さえ減ればキレイになれる」——そんな思い込みから、無理な食事制限や過度な運動に走ってしまう人は少なくありません。でも、その先にあるのは必ずしも理想のスタイルではなく、体調不良やリバウンドのリスクです。
体重計の数字だけでは「健康」は測れない
健康診断や日常の会話では「何kgになった?」と体重ばかりが話題になりがちですが、実際には数字だけでは健康状態を正しく判断できません。
同じ50kgでも、筋肉量が多い人と少ない人では見た目も代謝もまったく違います。筋肉が1kg減ると、基礎代謝は1日あたり約50kcalも下がるとされ、結果的に“太りやすい体”になる可能性があります。つまり、体重はあくまで目安であり、健康や美しさの本質を映すものではないのです。
無理な減量は「痩せ」より「不調」を招く
「糖質はゼロ」「野菜だけ」といった極端な制限は、栄養バランスを大きく崩すことに。特に女性は月経の影響で鉄分が不足しやすく、鉄分不足が重なると貧血・めまい・倦怠感が生じやすくなります。
さらにタンパク質不足は髪や肌のツヤを失わせ、筋肉の減少を招くことになり、その結果代謝は低下し、体重が減ってもリバウンドしやすい体質に。加えて、ジョギングなどの有酸素運動ばかりに偏ると、脂肪と同時に筋肉も消耗し、“やつれた痩せ方”になってしまいます。
“痩せる”より“整える”を習慣にする
では、理想の体をつくるにはどうすればいいのでしょうか。大切なのは「減らす」ことではなく「整える」こと。具体的な習慣としては、
・毎食にタンパク質と鉄分をプラスする(例:鶏むね肉、卵、魚、大豆製品)
・軽い筋トレやウォーキングで筋肉を維持する(筋肉が落ちなければ基礎代謝は守られる)
・体重だけでなく体脂肪率や体調をチェックする(眠りの質、肌の調子なども指標に)
といったシンプルな工夫です。少しずつ生活に取り入れることで、無理なく脂肪を落としながら代謝を維持し、“痩せ体質”と美しいスタイルの両立が可能になります。
“体重が軽い=健康”という思い込みは、むしろ健康も美しさも遠ざけます。