ダイエット中、「摂取カロリーは抑えているはずなのに、なぜか痩せない…」と悩む人は少なくありません。その裏には“早食い習慣”が潜んでいるのかも。
早食いは“満腹中枢”の働きを追い越す
食事を始めてから脳が「お腹いっぱい」と感じるまでには、約20分かかるといわれています。早食いの人はこのサインが出る前に食べ終えてしまうため、本来より多くの量を摂取してしまいがち。たとえ低カロリーのメニューを選んでいても、量が増えればトータルの摂取カロリーは高くなります。
実際、ある研究では「早食いの人はゆっくり食べる人に比べて肥満リスクが約2倍」との報告も。食べるスピードは、体型に直結する大事な要素なのです。
早食いは“代謝・消化に悪影響”
早食いは単に食べ過ぎにつながるだけでなく、体の機能にも影響を与えます。消化器官に負担がかかりやすく、血糖値が急激に上がるため、脂肪が蓄積されやすい状態に。血糖値が乱高下すると空腹感も強まり、「食べてもまた食べたくなる」という悪循環に陥ってしまうのです。
さらに、咀嚼不足は栄養吸収を妨げ、せっかく栄養バランスを考えていても効果を半減させてしまうことも。「カロリーは抑えているのに痩せない」と感じる背景には、こうした体の仕組みがあることを頭に入れておきましょう。
ゆっくり食べるために“シンプルな工夫”を
早食いを改善するには、いきなりスピードを変えるより「噛む回数」を意識するのが効果的。ひと口につき20~30回を目安に噛むことで、自然と食べる時間が長くなり、満腹感も得やすくなります。
また、箸をこまめに置く、スープや汁物を間に挟む、野菜から食べるといった“小さな行動”も効果的。いずれもすぐに取り入れられる工夫なので、今日の食事から実践してみるのがおすすめです。
ダイエット成功は、食事制限だけに頼るのではなく“食べ方”を見直すこともカギのひとつ。早食いを改善し、ゆっくり味わう習慣を身につければ、自然と食べ過ぎを防ぎ、代謝や消化の働きも整います。まずは今日の食事から「噛む回数を増やす」「箸をこまめに置く」といった小さな工夫を試してみてくださいね。<監修:かめやまあけみ(食生活アドバイザー)>