「糖質を完全にカットすれば痩せられる」と信じてご飯やパンを我慢したものの、イライラが止まらず、集中力も落ちて結局リバウンド…。そんな失敗経験をした人は少なくありません。

糖質は体と脳に欠かせない栄養素。不足すると体重は減っても健康を損ねてしまいます。そこで今回は、“糖質抜きダイエット”に潜む落とし穴と、リバウンドを防ぎながら健康的に続けるための正しい糖質の摂り方を解説します。

糖質は体と脳に欠かせないエネルギー源

「糖質=太る」と思われがちですが、実は体を動かすために欠かせない栄養素の1つ。特に脳は糖質(ブドウ糖)を主な燃料としているため、不足すると集中力や判断力が鈍りやすくなります。あなたも「ご飯を抜いたら頭がぼーっとする」「やる気が出ない」と感じた経験はありませんか?

短期間で体重は減っても、それは水分や筋肉量が減っているだけの可能性も。しかも筋肉量が落ちてしまうと基礎代謝が下がり、かえって“太りやすく痩せにくい体”に変わってしまいます。糖質を敵視するあまり、体の本来のバランスを崩すのは本末転倒です。

糖質不足は“イライラ&リバウンド”を招く

糖質を極端に制限すると、血糖値が安定せず気分の浮き沈みが激しくなります。エネルギー不足で脳が「糖を補給して!」と信号を出し、甘いものへの欲求が爆発。結果、我慢が限界を超えてドカ食いにつながり、リバウンドを招くこともあるのです。

さらに糖質を抜く生活は、頭が重い、だるい、なんだか元気が出ない…などの不調を引き起こすこともあります。仕事や勉強への集中力が落ち、免疫力も低下。SNSなどで“成功例”として語られる糖質を完全カットするダイエットの裏側には、こうした体調不良が隠れているケースも少なくありません。

正しく“摂る”ことでダイエット成功につなげる

ダイエットする際に大切なのは、糖質を完全に抜くことではなく、「何を、どう食べるか」と摂り方を工夫することです。例えば、白米よりも雑穀米や全粒粉パンを選ぶようにしたり、朝・昼はしっかり摂るけど夜は控えめにしたり、必ず野菜やタンパク質と一緒に食べて血糖値の急上昇を防ぐようにするだけでOK。

こうした工夫をするだけで、糖質は太る原因ではなく「痩せ体質」をサポートする栄養素に変わります。主食となる雑穀米や全粒粉パンなら食物繊維が豊富で腹持ちも良く、血糖値の上昇も緩やか。無理なく続けられるダイエットにつながります。

糖質を完全にカットするダイエットは、体重が減っても不調やリバウンドを招きがち。大切なのは「工夫して摂る」こと。正しい糖質習慣を身につけて、ストレスなく続けられる健康的なダイエットをめざしましょうね。<監修:かめやまあけみ(食生活アドバイザー)>

編集部おすすめ