10年ほど前になるでしょうか。
高速バスに乗車中、お腹に異変を感じました。
そして一気に便意をもよおしてきたのです。
バスにトイレはついていませんでした。
お腹に手をあてる、ゆっくり呼吸してみる、腕をつねって意識をそらすなど、
試してみたのですが効果はなく、脂汗だけが出てきます。
一番前の座席だったこともあり、運転手に相談しました。
すると次の休憩予定のサービスエリアまで1時間かかるからと、
車内アナウンスをして、次のサービスエリアに立ち寄ってくださったのです。
あれ以来、長距離の高速バスはトイレ付を選んで乗るようになりました。
「高速バスのトイレは不要でしょ?」
先日、この話題が出た際、私は体験談を話しました。
2時間おきにサービスエリアによるので、バスにトイレは不要とおっしゃることもわかります。
トイレを設置すると、その分、客席数は減り、トイレの整備も必要になるなど、コスト面からすれば当然の話。
一方、私のようにトイレがあることで安心して乗車できる人も一定数はいらっしゃいます。
私にとってトイレ付高速バスは保険のようなもの。
「そこまでして高速バスに乗りたいのですか?」
と問われましたが、高速バスならではの車窓の楽しみがあるのです。
私のような人は、多少、運賃が高くてもトイレ付を選べばいいのではないでしょうか。<text:イシコ>