年末年始を前に、「なぜか気分が落ち着かない」「理由ははっきりしないけれど、心が重い」。そんな感覚を抱く大人世代は少なくありません。

特別なトラブルがあるわけでもないのに、疲れが出たり、気持ちが沈んだりするのは、この時期特有の心の動きが関係している可能性があります。そこで今回は、年末年始を迎える前に大人世代の心が揺らぎやすくなる理由をひも解いていきます。

気を張り続けた時間が長いほど、心は揺れやすくなる

年末が近づくにつれ、仕事では調整や締めが増え、プライベートでも行事や準備ごとが重なります。この時期は「きちんと終わらせたい」「滞りなく迎えたい」と、無意識に気を張り続けている状態になりがち。

その緊張が続いたあと、ふとしたタイミングで緩むと、疲れや気分の落ち込みとして表に出やすくなります。これは気持ちが弱くなったわけではなく、ここまで頑張ってきた心が見せる自然な反応です。

“区切りの時期”が自己評価を厳しくさせる

年末年始が近づくと、多くの人が自然と一年を振り返ります。「思うようにいかなかったこと」「できなかったこと」に意識が向きやすく、気づかないうちに自分に厳しくなってしまうのもこの時期の特徴です。

大人世代は、仕事や家庭など背負ってきたものが多い分、「もっとできたはず」「このままでいいのかな」と感じやすく、心が揺れやすくなります。

年末年始を迎える前は、心を整える“助走期間”

気分が沈んだとき、無理に前向きになろうとする必要はありません。この時期は、走り続けるよりも、少しずつペースを落として心を整えるタイミング。

予定を詰め込みすぎない、何もしない時間を意識的につくる、今年できたことを一つだけ思い出す。そんな小さな行動でも、心の負担は軽くなります。年末年始を前に感じる揺らぎは、次の時間へ向かうための切り替えサイン。

立ち止まることも、前に進む準備のひとつです。

年末年始を前に気分が沈みやすくなるのは、特別なことではありません。それだけ、日々を丁寧に積み重ねてきた証でもあります。少し肩の力を抜き、自分のペースを取り戻すことで、新しい年を穏やかな気持ちで迎えやすくなるはずです。<取材・文:beauty news tokyo編集部 監修:中村チエ(薬剤師)>

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