渋谷のカフェで窓の外の客の流れを眺めながら、考えごとをしていました。

隣の席は20代前半(おそらく)の2人組女性客から60代(おそらく)の2人組女性客へと変わっていきます。

時折、会話の声が私の耳に入ってきたのですが、どちらも内容が似ていることに驚きました。

20代の2人組の一人は、大学を卒業して就職を期に地方の企業へ勤めることになったようで、

60代の2人組は、定年を期に、生家に戻る、もしくは友人の住む地方で田舎暮らしを始める人が周囲で続いたそうで、

細かい部分は違うけれど、

どちらも友人が東京から地方へ引っ越していく話のようです。

「みんな東京からいなくなっちゃう」

2組とも、そう言っていたなぁ。

東京は、そんなことになっているのかと、思わず、私はスマホで調べます。

全く違いました。

コロナ禍以降、東京への転入超過(転出より多いこと)は再び加速していていて、

あくまで彼女たちの周囲が、たまたまということなのでしょう。

確かに友人が遠くに行ってしまうことは寂しい。

ただ、「永遠」と「絶対」はなく、いつかは一人と覚悟し、

私は、そういった場合、旅先が一つ増えたと思うようにしています。

友人に会いに行き、そこから旅を作っていくことが楽しい。

少なくとも友人は自分より現地に詳しいので心強いでしょうから。<text:イシコ>

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